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Trademark Appeal Case

周知商標と称呼・観念の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90651(T2001−90651/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4480092号商標の指定商品中、第5類「薬剤」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4480092号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年1月20日に登録出願、別掲のとおりの構成よりなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙,胸当てパッド」、第18類「皮革,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がまロロ金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」、第22類「原料繊維,編みひも,真田ひも,のり付けひも,よりひも,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿,布製包装用容器,わら製包装用容器,ターポリン,帆,雨覆い,天幕,日覆い,日よけ,よしず,ザイル,登山用又はキャンプ用のテント,靴用ろう引き縫糸,おがくず,力ポック,かんなくず,木毛,もみがら,ろうくず,牛毛,人毛,たぬきの毛,豚毛(ブラシ用のものを除く。),羽,馬毛」を指定商品として、同13年6月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙,胸当てパッド」について、登録異議の申立てをしているものであり、その理由の要旨は、以下のとおりである。

(1)商標法第4条第1項第11号について。

本件商標の要部は「EARTH」に存することは明らかであり、これからは「アース」の称呼を生じる。

他方、第1及び第2引用商標(登録第2353757号及び登録第2353758号商標)も「アース」の称呼を生ずるところから、本件商標は、両引用商標と称呼において類似するものである。

また、本件商標は「アース」の製品かのごとき意味を有し、まさに申立人会社の製品かのようなイメージを需要者に与えるところから、本件商標は両引用商標と観念においても類似するものである。

(2)商標法第4条第1項第10、15、16、19号について

申立人は、昭和4年(1929年)より商品「殺虫剤」等について引用商標を使用すると共に、宣伝広告も行っており、その結果、少なくとも本件商標の登録査定時において引用商標は需要者に広く知られている。

したがって、本件商標をその指定商品について使用するときは、申立人の取扱いに係る商品と混同を生ずるおそれがある。

しかも申立人の所有する登録第2353757号商標「アース」(甲第2、3号証参照)については、28件もの防護標章登録がなされていることからしても、周知著名な商標であることは明らかである。

(3)以上の次第であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第10、15、16、19号に該当し、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

3 当審において通知した取消理由(要旨)

(1)本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、申立人が引用する「アース」の文字よりなる登録第2353757号商標及び「EARTH」の文字よりなる登録第2353758号商標(以下、これらを合わせて「引用各商標」という。)と類似するものであって、その指定商品中「薬剤、歯科用材料、医療用油紙、衛生マスク、オブラート、ガーゼ、カプセル、眼帯、耳帯、生理帯、生理用タンポン、生理用ナプキン、生理用パンティ、脱脂綿、包帯、包帯液、防虫紙、胸当てパッド」は引用各商標の指定商品中に包含されているから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)申立人が提出している甲第6号証ないし甲第34号証等によれば、「アース」、「EARTH」の文字よりなる引用各商標は、申立人が昭和4年より現在まで商品「殺虫剤」に使用し、その間、テレビ等により、宣伝・広告を盛んに行ってきた結果、本件商標の登録出願時には、申立人の業務に係る商品「殺虫剤」を表すものとして、取引者・需要者間に広く認識されていたことが認められる。

そして、本件商標は、別掲のとおりその構成中に「EARTH」の文字を有してなるものであるから、その指定商品中「医療用腕輪、失禁用おしめ、人工授精用精液、乳児用粉乳、乳糖、はえとり紙」に使用した場合、取引者・需要者は、その商品が申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかのごとく、その商品の出所について誤認・混同するおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(3)本件商標は、以上のとおり、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見(要旨)

本件商標は「MADE IN EARTH」のアルファベット文字を手書き風に図案化して二段に横書した文字商標であり、申立人が引用する登録第2353757号商標及び登録第2353758号商標は、「アース」「EARTH」の一般的な書体のかな文字またはアルファベット文字である。

両商標を外観より比較すると、本件商標は「MADE IN EARTH」のアルファベット文字を手書風に図案化したものであるのに対し、引用商標はかな文字またはアルファベット文字をやや太字にしたものであり、両者は明瞭に識別でき、非類似であることは明白である。

両商標を称呼より比較すると、本件商標からは「メイドインアース」の称呼、引用商標からは「アース」の称呼が生じ、両者は「アース」の部分において共通しているものの、本件商標は、語頭に「メイドイン」の音を付加しかつ後述する本件商標の観念から「メイドインアース」として一体的に発音されるものであり、両者は明瞭に識別できる。

観念より判断すると、引用商標からは「地球」という観念を一義的に生じさせるが、本件商標からは一義的には「地球そのもの」あるいは「地球」のみに依存、分離した商標上の観念を惹起させるものではない。

なぜならば、本件商標の「MADE IN」は、通例「EARTH」と結合して使用されることはない。すなわち、これらを結合することは明白な造語である。

詳述すると、通例、動詞「MAKE」の受動態である「MADE」と産地として特定の名詞とを結合するために、前置詞「IN」を使用する場合には、「MADE IN JAPAN」「MADE IN KOREA」等のごとく地球上の「国」「特定の地域」等の狭い範囲を表示している。そして、通常の観念からは、「EARTH」は産地には成り得ず、包括的な用語として、前置詞「ON」が使用される。

ところが、本件商標は、あえて「MADE」「IN」「EARTH」とを結合することにより、「EARTH」を一産地的な名詞として観念を縮小化させて独自の一連の造語として認識理解されるものである。

したがって、通常は「メイドイン」の称呼から識別力は生じないと判断できるところ、本件商標のような構成からみた場合には、かかる部分に商標構成上の特異性が発揮され、一体的な商標として認識されるものであると共に、称呼した場合においても全体として特異な印象を与えているものである。

してみれば、本件商標は3つの語よりなるものの、いずれかの語を要部として判断すべきではなく、称呼においても全体として識別力の生じる一体の商標として判断すべきである。

また、商標の表示からも明らかなように、本件商標は標準文字ではなく、手書風に図案化された商標であるため、「MADE IN EARTH」はそれぞれ各部に分割して認識されることはあり得ず、一体の商標として判断するのが相当である。

5 当審の判断

本件商標は、別掲のとおり、「MADE IN」と「EARTH.」の欧文字を、やや図案化し手書き風に二段に併記してなるものであり、その構成文字の書体には統一性が認められる。そして、本件商標は、通常の場合、「MADE IN JAPAN」「MADE IN KOREA」等の産地表示における「JAPAN」「KOREA」等の国名あるいは地域名が表されるべき部分が、「地球」を意味する「EARTH.」となっている特異な商標として看者に認識され、その構成全体をもって一連一体の一種の造語よりなる商標として「メイドインアース」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、単に「アース」と称呼され、「地球」等を意味する英語の「EARTH」又はその外来語に当たる「アース」の文字を表してなる引用各商標と、その外観、称呼及び観念において紛らわしいところはないものであって、引用各商標と非類似の商標といわなければならない。

ところで、申立人が提出した甲第6号証ないし甲第34号証によれば、「アース」の文字からなる商標は、申立人が昭和4年より「殺虫剤」に使用し、その間、テレビ等により、宣伝・広告を盛んに行ってきた結果、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「殺虫剤」の商標として取引者・需要者間に広く認識されていたものと認められる。

また、「アース」の文字からは、「地球」などを意味する平易な英語の「EARTH」が直ちに想起される。

そして、申立人が、上記の「アース」の文字からなる商標を使用してきた商品「殺虫剤」は、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤」に含まれる商品であり、これと同一又は類似する商品と認められる。

そうとすれば、本件商標を、その指定商品中の「薬剤」に使用した場合、取引者・需要者は、本件商標中の「EARTH」の文字部分より、申立人の業務に係る商品「殺虫剤」の商標として広く認識されている上記の「アース」の文字よりなる商標を想起、連想し、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのごとく誤認し、その出所を混同するおそれが、本件商標の登録出願時及び登録査定時においてあったものというべきである。

しかしながら、本件商標を、登録異議の申立てがされている指定商品中「薬剤」以外の商品に使用した場合、それらの商品は、「殺虫剤」と同一又は類似する商品の関係にないこと、また、本件商標中の「EARTH」は、「地球」などを意味する平易な英語であって創造語ではなく、かつ、本件商標の構成文字の書体には統一性があることもあって、本件商標は、上記のとおりその構成全体をもって一連一体の一種の造語よりなる商標として認識され、その「EARTH」の文字部分が分離して看取され得ないとするのが相当である。そうすると、この場合、本件商標は、申立人の業務に係る商品であるかのごとく、その出所を混同するおそれがあるものということはできない。

したがって、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品中の「薬剤」については、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により登録を取り消すべきであり、その余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでなく、取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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