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Trademark Appeal Case

すっぴんの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90518(T2002−90518/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4563971号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4563971号商標(以下「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成13年4月23日に登録出願され、第3類「化粧品」を指定商品として、平成14年4月26日に商標権の設定登録がされたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、甲第1号証ないし甲第2号証を提出し、その登録は取り消されるべきである旨登録異議の申立ての理由を述べている。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして商標権者に対して通知した取消理由は、つぎのとおりである。

<取消理由>

「すっぴん」の文字は、「化粧をしていないこと、素顔のままであること」を意味する語として知られているものである(岩波書店発行「広辞苑」第5版)。そして、登録異議申立人の提出に係る甲各号証によれば、「すっぴん」の語は、「すっぴんメイク」「すっぴん美人・・・」「すっぴん的デカ目アイライナー」等の如く、各種の化粧品について、化粧をしていない顔にみせるための商品、すなわち「素肌に近い状態に仕上げる化粧品」について記述的な表示として複数の企業により使用されている事実が認められる。

かかる事情の下で、後掲に示すとおり、「すっぴん」の仮名文字を顕著に表し、その下段に横二本の分界線間に「すっぴん」の文字のローマ字表記としか理解し得ない「SUPPIN」の欧文字を配した構成からなる本件商標をその指定商品(化粧品)に用いるときは、これに接する取引者・需要者は、これより「素肌に近い状態に仕上げる商品」を容易に理解し、認識するに止まるとみるのが相当であるから、本件商標は、単に商品の品質、用途及び効能等を表示するものというべきであり、また、上記商品以外の「化粧品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対し、商標権者は次のように意見を述べた。

(1)「すっぴんメイク」についてのウェブサイトでの表示は文章中にカッコでくくって表されている。すなわち、「すっぴんメイク」で独立した一語として看取されるのであり、その内容は一般的な「化粧方法」に関する説明で、特定の化粧品について言及し宣伝するものでもなく、又、化粧品自体の品質等について説明し、又示唆するものでもない。よって、本ウェブサイトでの表示は「すっぴん」でなく、「すっぴんメイク」であると共に、化粧品の品質、用途及び効能等について使用されている文言と認められず、化粧の方法について使用されているものである。

(2)「すっぴん美人」についてのウェブサイトでの表示も、「すっぴん美人」での表示で、単に「すっぴん」ではないこと、その内容は「化粧なしの美人」となる方法と関連して使用されているので、具体的商品(化粧品)との関係で用いられているものとは認められない。

(3)「すっぴん的デカ目アイライナー」についてのウエブサイトの内容は、「かくしラインでアイラインをひく」ことによって「すっぴん的なデカ目」になることを伝えているものであり、商品の使用方法及びその効果に関する表示であって、商品の品質、用途、効能を直接的に表示するものとは認められない。

(4)その他のウェブサイトでの「すっぴん美女」(2件)は、いずれも一体不可分の商標としての表示であり、更に「すっぴん宣言」の表示も具体的商品との関係で使用されているものでなく、題名や文章中の単語として用いられているもので、具体的商品に関する記述として使用されているものとは認められない。

(5)以上のとおり、甲第2号証には「すっぴん」を単独で用いられたものはなく、「すっぴん〜」として、他の単語と結合して不可分の語句と成って使用されていると共に、その使用態様は商品自体(化粧品目体)の内容を直接表示するものでなく、一般的な化粧方法や識別性のある商標として使用されているものである。したがって、本件商標は「素肌に近い状態に仕上げる化粧品」について記述的な表示として複数の企業により使用されている事実は認められず、取引者・需要者が単に商品の品質、用途及び効能等を表示するものと理解するものではない。よって、本件に係る商標登録は取り消し理由を有するとは認められないものである。

5 当審の判断

本件商標についてした取消理由の通知(上記3)は妥当であって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ない。

商標権者の述べる意見は、以下に述べる理由により、いずれも採用の限りでなく、先の認定を覆すことはできない。

(1)商標権者は、本件商標は「素肌に近い状態に仕上げる化粧品」について記述的な表示として複数の企業により使用されている事実は認められず、取引者・需要者が単に商品の品質、用途及び効能等を表示するものと理解するものではない旨述べている。

しかしながら、取消理由は、「すっぴん」の文字は「化粧をしていないこと、素顔のままであること」を意味する語として知られていること、及び申立人提出に係る甲第2号証の各化粧品関連企業ホームページ情報において、化粧ないし化粧品に関する用語といえる「メイク」、「美人」及び「的デカ目アイライナー」等に、「すっぴん」の文字を冠して化粧をしていない顔にみせるための商品を記述的に表示する状況が顕著であること等の取引の実情に照らして、当業者であれば勿論のこと、この種商品の取引者・需要者が本件商標からは「素肌に近い状態に仕上げる化粧品」を表示するものとして、容易に理解し認識するとしたものであって、本件商標は前記認定の化粧品を表したものとしか認識し得ないものとみるのが相当であるから、その認定・判断に誤りはない。

したがって、この点を述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。

(2)商標権者は、「すっぴんメイク」は独立した一語として化粧の方法について使用されているものであること、「すっぴん美人」は「化粧なしの美人」となる方法と関連して使用されていること、「すっぴん的デカ目アイライナー」については「かくしラインでアイラインをひく」ことによって「すっぴん的なデカ目」になることを伝えているものであり、商品の使用方法及びその効果に関する表示であること等述べ、また、甲第2号証には「すっぴん」を単独で用いられたものはなく、「すっぴん〜」として、他の単語と結合して不可分の語句と成って使用されていると共に、その使用態様は商品自体(化粧品目体)の内容を直接表示するものでなく、一般的な化粧方法や識別性のある商標として使用されているものである旨述べている。

しかしながら、たとえ、現在「すっぴん」という文字が単独で使用されてる製品が存在しないとしても、前述したこの種商品について他の語に冠して使用されている取引実情よりすれば、かかる表示は将来とも一定の商品の品質、用途及び効能等を表示するものと理解するものでないといい難く、かつ、素肌に近い状態に仕上げる化粧品を取引過程に置く場合、当業者であれば何人もその使用をする必要性が生じ得るものであり、また、そうすると、何人もその使用を欲するものとみるのが相当であるから、かかるものを特定の一私人に商標登録しその独占的使用に委ねることは、商標本来の機能・役割(自他商品の識別標識)と商標使用者の業務上の信用の維持・保護を目途とする法目的(商標法第1条)に照らし、妥当性を欠くものといわなければならない。

したがって、この点を述べる商標権者の主張は妥当でなく、採用することができない。

(3)結語

以上のとおり、商標権者の述べる意見はいずれも是認し得るものでなく、本件商標の登録は前記法条の規定に違反してされたものといわざるを得ないから、その登録は商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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