Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90761(T2002−90761/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4589130号商標(以下「本件商標」という。)は、「BETTYCUTE」の欧文字と「ベティキュート」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年10月29日登録出願、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊靴,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同14年7月26日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由として、引用する登録商標は、以下(a)ないし(e)のとおり。
(a)登録第1403198号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和50年6月16日登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同55年1月31日に設定登録されたものである。
(b)登録第1625085号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和51年1月22日登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同58年10月27日に設定登録されたものである。
(c)登録第4227715号商標(以下「引用商標3」という。)は、BETTY BOOP」の欧文字を標準文字として、平成9年8月27日登録出願、第1類ないし第42類(ただし、第3類を除く。)の41区分に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同11年1月8日に設定登録されたものである。
(d)登録第4227716号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ベティー ブープ」の片仮名文字を標準文字として、平成9年8月27日登録出願、第1類ないし第42類(ただし、第3類を除く。)の41区分に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同11年1月8日に設定登録されたものである。
(e)登録第4227717号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年8月27日登録出願、第1類ないし第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの42区分の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同11年1月8日に設定登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人に係る著名なキャラクター「ベティー・ブープ」の略称「ベティー」と称呼上類似し、「ベティー・ブープ」の顧客吸引力、信用力を無償で利用する結果(フリーライド)を生じ、公正な商品取引秩序を維持するという商標法の目的に合致しないものである。
3 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用各商標と称呼及び観念上類似し、その指定商品も引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。
4 商標法第4条第1項第15号について
本件商標の指定商品に属する商品についても、申立人の正規のライセンシーによる関連キャラクターグッズの製造・販売が数多く存在する点からすれば、本件商標が付された商品に接した取引者、需要者は、本件商標を使用した商品が申立人や使用許諾者等の出所に係る商品であると誤認、混同を生じるおそれがある。
5 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおり、上段に書された文字及び下段に書された文字は、いずれも同一の書体をもってまとまりよく一連に表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ベティキュート」の称呼も格別冗長でなく一気に称呼し得るものであって、これを「BETTY/ベティ」と「CUTE/キュート」の文字とに分離して観察しなければならない格別の理由は見出せないものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して「ベティキュート」の称呼のみを生ずるものであって、全体として特定の意味を有しない造語よりなるものとみるのが相当である。
他方、引用商標1及び引用商標2は、女性図形及び女性図形の下部に「BETTY BOOP」文字を書した構成よりなり、引用商標3は、「BETTY BOOP」の文字よりなり、引用商標4は、「ベティー ブープ」の文字よりなり、引用商標5は、女性図形よりなるものである。
そこで、引用商標1、引用商標2、引用商標5の女性図形、引用商標1ないし引用商標3を構成する「BETTY BOOP」の文字、及び引用商標4を構成する「ベティー ブープ」の文字より生ずる称呼、観念についてみるに、女性図形、「BETTY BOOP」及び「ベティー ブープ」の文字は、申立人の提出した甲第7号証ないし甲第11号証及び甲第36号証ないし甲第38号証によれば、申立人に係るアニメキャラクターとその女性名であることが認められる。
しかしながら、これらの甲各号証によっては、「BETTY BOOP」(ベティーブープ)及び女性図形が常に「BETTY」(ベティー)と略称され広く知られているものとは認められないものであって、むしろ、「Betty」の文字自体は、一般の女性名(Elizabeth)の愛称(研究社 新英和大辞典 第6版)といえるものである。
してみると、引用各商標を構成する「BETTY BOOP」、「ベティー ブープ」の文字及びアニメキャラクターの女性図形よりは、「ベティーブープ」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
そして、本件商標より生ずる「ベティキュート」の称呼と引用各商標より生ずる「ベティーブープ」の称呼とは、後半部において「キュート」と「ブープ」という音の差異を有するものであるから、両者は音構成を明らかに異にし、聴別し得るものである。また、本件商標と引用各商標の観念においては、前記したとおりであるから、観念上互いに紛れるおそれのないものであり、外観においても、互いに区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれからしても非類似の商標といわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
申立人の提出した甲第12号証ないし甲第37号証によれば、申立人及び使用許諾者(以下「申立人ら」という。)はアニメキャラクター名「BETTY BOOP」、「ベティーブープ」の文字及びアニメキャラクターの女性図形(以下まとめて「使用商標」という。)をノート、ポーチ、バッグ、歯ブラシスタンド、ティーシャツ等に使用し広く認識されているとしても、前記1のとおり、「BETTY」、「ベティー」の文字のみを使用し広く知られているとものと認め得る証左は見あたらない。
してみれば、本件商標と申立人らの使用商標とは、前記したとおり、非類似の商標であり、別異の商標と認識、理解されるもであって、本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人らの使用商標を連想、想起させるものとはいえないから、申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標権者の本件商標を出願し、登録する行為は、申立人及び使用許諾者の使用商標及びキャラクターの顧客吸引力、信用力を無償で利用し、公正な商品取引秩序を維持するという商標法の目的に合致しないものであるということはできないし、また、公序良俗に反するものという理由も見当たらない。
4 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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