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Trademark Appeal Case

図形商標の類否と周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90736(T2002−90736/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4586350号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4586350号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の1に示したとおりの構成よりなり、平成12年4月21日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年7月19日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標は、申立て1の登録異議申立人「リーカー ホールディング アクチェンゲセルシャフト」(以下「申立て1の申立人」という。)の引用に係る、別掲の2に示したとおりの構成よりなり、昭和55年8月15日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年10月31日に設定登録された登録第1812188号商標(以下「引用A商標」という。)と、「ユリの紋章」の称呼、観念において類似の商標であり、その指定商品中「履物」については同一又は類似のものである。

また、本件商標は、申立て2の登録異議申立人「エヌエフエル プロパティーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー」(以下「申立て2の申立人」という。)の引用に係る、別掲の3に示したとおりの構成よりなり、平成10年9月17日に登録出願、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、平成13年3月9日に設定登録された登録第4458474号商標(以下「引用B商標」という。)と、一見して全体的印象を同じくする外観において類似のものであり、その指定商品も抵触する。

(2)引用B商標は、アメリカンプロフットボール(NFL)の一チーム「ニューオリンズ・セインツ」のチームキャラクターであり、それ自体周知なものとなっている。したがって、本件商標は、該キャラクター図形と同一モチーフからなり、全体的構成において近似するから、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。

(3)申立て2の申立人の何らの承諾を得ることなく、商標権者が本件商標を出願し登録を受けることは、正当な商慣習に反し、かつ国際信義に反するものである。

(4)本件商標は、NFLチームのキャラクターとしての著名性にフリーライドしようとするものであり、不正の目的で出願されたものである。

(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標は、別掲の1に示したとおりの図形よりなり、その形状は、鋭利な刃、横長の受け金、丸い把手を有する剣様の図形を中央に縦位置に表し、その受け金から剣の刃に添って上に延び、その中程から受け金の近くまで下に延びてその末端部が上に跳ねている、末端部以外を肉厚に描いた図形をその左右に一つずつ配してなるものである。

これに対し、引用A商標は、別掲の2に示したとおり、「rieker」の文字とその「i」の文字のドットに相当する位置に図形を配し、これらの文字と図形は、同じ色彩で一体感を損ねない大きさで表されているものである。そして、該図形は、鈍角な剣尻を有する下半部に比して上半部が尖った剣先で大きく、中間部が細身に描かれた剣様の図形を中央に縦位置に表し、細身の中間部のやや下部に横線を配し、その横線の左右の末端部に、「C」の始端部を太線で下方に延ばした図形を左右対称となるように配してなるものである。また、引用B商標は、両先端部が尖っていて、下部に較べて上部が大きく、中間部が細身に描かれた剣様の図形を中央に縦位置に表し、その中間やや下部の細身の部分の左右に、上部を大きく表した「C」状の図形を左右対称となるように接して表し、その接合部に円を配してなるのである。

そこで、まず、本件商標と引用A商標とを対比すると、引用A商標は、文字と図形とが一体感をもって認識されることが多いものと認められるが、これを図形部分のみでも独立して識別標識としての機能を果たすものと捉えた場合、本件商標は、引用A商標の図形とは、剣様の図形部分及びその左右に配された図形の形状が大きく相違していて、視覚上全体の印象が自ずと異なったものとして看取されるというべきであるから、外観において彼此見誤るおそれのない非類似のものと認められる。

これを称呼及び観念についてみるに、本件商標の図形及び引用A商標の図形は、共に特定の称呼、観念をもって親しまれている具象物あるいは紋章などを表したものとは認め難いから、両図形よりは特定の称呼、観念は生じないというべきである。

この点につき、申立て1の申立人は、本件商標及び引用A商標の図形よりは、「ユリの紋章」の称呼、観念を生ずる旨主張するが、同人の提出に係る証拠には、本件商標及び引用A商標の図形より「ユリの紋章」の称呼、観念を生ずると認めるに足りる証拠はない。

他に、本件商標が引用A商標と類似するとすべき事由は見出せない。

次に、本件商標と引用B商標とを対比すると、両商標は上述の構成よりなるものであって、中央に配された剣様の図形が、本件商標の図形は、鋭利な刃に横長の受け金を有し、把手部が丸い形状で表されているのに対し、引用B商標の図形は、尖った剣先及び剣尻を有し、中間やや下部の細身の部分の左右の図形の接合部に円を配してなるのである。また、剣様の図形の左右に配された図形は、本件商標が、受け金の上部から受け金に至る楕円様の肉太の曲線よりなり、剣の上部の刃の左右のみに表されているのに対し、引用B商標は、剣様の図の上部で左右に大きく外側に開いて剣の接合部で接し、さらにその下部まで延びて外に開いて表されていて、剣様の図形の下部までに至っているものである。

そうすると、本件商標と引用B商標との両図形より受ける印象は大きく異なり、これらを離隔的に観察しても、彼此見誤るおそれはないものと認められる。

してみれば、本件商標は、引用B商標と外観において類似するものとは判断することができない。

他に両商標が類似するものとすべき事由は見当たらない。

したがって、本件商標は、引用A商標及び引用B商標と外観、称呼、観念のいずれにおいても類似するものとは認められない。

(2)本件商標は、引用B商標と類似するものではないこと上述のとおりであり、他に本件商標と引用B商標間に誤認、混同を生ずる事由は見出せないものである。

してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

(3)以上からすると、本件商標は、商標権者が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など、不正の目的をもって使用をするものということはできず、この点を認めるに足りる証拠はない。

そして、本件商標の構成自体がきょう激、卑わいな文字、図形よりなるものではなく、また、これをその指定商品に使用することが社会公共の利益に違反し、又は一般道徳観念に反するものともいえず、さらに国際信義に反するものということもできない。

したがって、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものとも認められない。

(4)そうとすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではない。

したがって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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