Trademark Appeal Case
称呼の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90565(T2002−90565/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4568517号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年7月30日に登録出願、「B・RUE」の欧文字を横書きしてなり、第25類「履物」を指定商品として、同14年5月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなる、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の名称の著名な略称(以下「引用標章」という。)と実質的に同一の「B・RUE」よりなるものであり、かつ、申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)本件商標は、別掲(2)の構成よりなり、昭和61年8月14日に登録出願、第22類「はき物、かさ、つえ」を指定商品として、平成1年4月28日に設定登録されている登録第2131186号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、両者の指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)引用商標は、申立人の主力商標であって、1980年代にイタリア国内で高級革靴のブランドとして名声を獲得したものであり、本件商標の出願時には、我が国及び諸外国の取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。
そして、本件商標と引用商標とは商標において類似するものであり、かつ、両者の指定商品は、同一又は類似するものであるから、本件商標がその指定商品に使用されたときには、申立人若しくは申立人と関係のある者の業務に係る商品と誤認され出所混同を生ずるおそれがあるので、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。
(4)本件商標は、不正の目的をもって使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同19号について
本件商標は、「B・RUE」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は特定の意味合いを有することのない造語を記したものと認められるから、これよりは我が国において一番普及している外国語である英語風に「ビールー」又は「ブルー」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
申立人は、本件商標より「ブルエ」又は「ブルーエ」の称呼をも生ずると主張しているが、本件商標中の「E」の文字部分にはアクセント記号(アクサンテギュー)は付されていないから、これを上記のようにフランス語風に称呼することはないと判断するのが相当である。
他方、引用商標は、別掲(2)に表示したとおりの欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は欧米人の人名の類の一つと認められるが、これを殊更「Aldo」と「Brue」とに分離し認識しなければならない理由は見出せず、むしろ構成全体をもって不可分一体に表されたものとみるのが自然であるから、これよりはフランス語風に「アルド・ブルエ」の称呼を生ずると判断するのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「ビールー」又は「ブルー」の称呼と、引用商標より生ずる「アルド・ブルエ」の称呼とを比較するに、両者はその音構成に顕著な差異を有するものであるから、称呼上容易に区別し得るものである。さらに、本件商標は特定の観念を生じ得ない造語よりなるものであるから、両者は観念上比較し得ないものであり、それぞれの構成よりみて外観上においても十分区別し得るものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれからしても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
また、申立人の提出した甲各号証を検討するも、甲第33号証乃至同第36号証によれば、「ジェントKYOTO」(京都市北区上賀茂岩ケ垣内町103在)において、時期は特定し得ないが、引用商標と同一と認められる商標を商品「紳士靴」について使用、これが販売されていることは確認し得るが、引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたとの事実を認めるに足りる証拠は見出せない。
そうとすると、本件商標は、引用商標とは類似しない別異の商標であって、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見出し得ないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
さらに、本件商標は上記したとおりのものであるから、これをその指定商品について使用した場合、不正の目的をもって使用するものともいえない。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標と引用標章とは、それぞれより生ずる称呼、観念において相紛らわしいものとはいえず、また中黒及びアクセント記号の有無、大文字表記、小文字表記の相違等から外観上も十分区別し得るものと認められる。
そうとすると、引用標章が申立人の名称の略称であるとしても、両者は非類似のものであり、かつ申立人提出の甲各号証よりは、本件商標の出願時、引用標章が申立人の略称として取引者・需要者の間において広く知られていたとする事実を認めるに足りる証拠は見いだせないから、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標とはいえない。
(3)以上、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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