Trademark Appeal Case
称呼類似性「ロ」と「リ」の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90896(T2002−90896/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4606901号商標(以下「本件商標」という。)は、「クサトロー」の片仮名文字を標準文字として、平成13年7月25日登録出願、第5類「殺菌剤,殺虫剤,殺ダニ剤,殺線虫剤,除草剤」を指定商品として、同14年9月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、以下(a)ないし(c)の登録商標と称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も互いに抵触するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである旨申し立てた。
(a)登録第703944号商標(以下「引用A商標」という。)は、「クサトリー」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和39年11月5日登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同41年4月12日に設定登録されたものである。
(b)登録第4129448号商標(以下「引用B商標」という。)は、「クサトリーエース」の片仮名文字を横書きしてなり、平成8年8月30日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同10年3月27日に設定登録されたものである。
(c)登録第4129451号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成8年8月30日登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、平成10年3月27日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本件商標は、「クサトロー」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「クサトロー」の称呼を生ずるものである。
他方、引用A商標は、「クサトリー」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「クサトリー」の称呼を生ずるものである。
引用B商標は、「クサトリーエース」の文字よりなるところ、その構成中「エース」の文字は、商品「薬剤」の分野においては、商品の品質の誇称表示として使用されているものであって、該文字自体は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する文字部分は「クサトリー」にあるものというのが相当である。
してみれば、引用B商標は、その構成文字全体に相応して「クサトリーエース」の称呼が生ずるとともに、単に「クサトリー」の称呼をも生ずるものである。
引用C商標は、別掲に表示した構成よりなるところ、その構成中「クサトリ−E」の文字部分は独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、「E」の文字は、商品の品質を表示するための記号、符号として類型的に採択使用されているローマ文字1文字であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得る文字部分は「クサトリー」にあるものというのが相当であるから、引用C商標は、「クサトリ−E」の文字に相応し、「クサトリーイー」の称呼の他に、「クサトリー」の文字部分に相応し、単に「クサトリー」の称呼をも生ずるものである。
そこで、先ず、本件商標より生ずる「クサトロー」の称呼と、引用A商標ないし引用C商標より生ずる「クサトリー」の称呼とを比較すると、その差異は、第4音において「ロ」と「リ」の音の差異を有し他の音を共通にするものである。
そして、該差異音「ロ(ro)」と「リ(ri)」は、子音(r)を同じくするとしても、母音「o」と「i」は比較的明瞭に聴取される音であり、長音を含む5音構成という短い称呼にあっては、この差異音が全体の称呼に及ぼす影響は大きく、両称呼は、それぞれ一連に称呼するも、その語感も相違し、互いに聴別し得るものというのが相当である。
次に、本件商標より生ずる「クサトロー」の称呼と引用B商標より生ずる「クサトリーエース」及び引用C商標より生ずる「クサトリーイー」の称呼とは、その音構成は明らかに相違するから、互いに十分聴別し得るものである。
また、本件商標と引用各商標とは、外観において区別し得る差異を有するものであり、本件商標は、特定の意味を有しない造語よりなるものと認められるから、観念においては比較することができない。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、審決例(甲第9号証ないし甲第11号証)及び登録異議申立人の使用の事実(甲第12号証ないし甲第17号証)を考慮するとしても、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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