Trademark Appeal Case
電子筆記具の指定商品範囲
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 判定2002−60097(T2002−60097/J6) |
|---|---|
| 審判種別 | 記載はありません。 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第2658870号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年1月21日に登録出願され、第25類「紙類,文房具類」を指定商品として、同6年5月31日に設定登録されたものである。
2 請求人の主張
請求人は、商品「筆記線をコンピュータに入力可能な筆記具」(以下「本件商品という。」)は、本件商標の指定商品に属する、との判定を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)判定請求の必要性
請求人が開発した本件商品を販売するにあたり、請求人所有の本件商標を付すべく検討した。
本件商品はあくまでも「筆記具」であり、本件商標の指定商品であると判断するが、他者においては、現行の区分でいうところの「9類」(具体的には「電子応用機械器具」)に該当すると判断する可能性も否定できない。よって、本件商品が本件商標の指定商品に属することを確認するため、本判定請求をするに至った。
(2)本件商品の説明
ア.本件商品は、筆記手段とベースユニットからなる(甲第3号証)。
筆記手段は、筒状に形成され、下端にいわゆるボールペンのチップが突出するとともに、信号受発信口が設けられている。そして、筆記手段の内部には、ボールペンのリフィールと、信号受発信機を備える。信号受発信機は、リフィールの軸方向上端側に向かって荷重が掛かるとONされ、荷重が除去されるとOFFされる。すなわち、筆記時に信号受発信機はONされ、信号受発信口で信号がやり取りされる。
ベースユニットは、信号受発信口と、クリップ部と、コンピュータとの接続ケーブルとを備える。ベースユニットの信号受発信口では、筆記手段の信号受発信口と信号をやり取りする。このやり取りされる信号は、筆記手段の先端部(ボールペンチップ部及び信号受発信口)の位置信号として、接続ケーブルを介してコンピュータに入力される。一方、ベースユニットのクリップ部ではレポート用紙等の紙を把持することができる。
イ.尚、コンピュータには予め所定のソフトウェアがインストールされる。このソフトウェアは、ディスプレイ上にレポート用紙等の「紙」をイメージしたものを表示し、ベースユニットから接続ケーブルを介して入力される信号を、筆記手段先端部(ボールペンチップ部及び信号受発信口)の位置として前述のディスプレイ上の「紙」に時々刻々と表示させる機能を有する。
ウ.このように構成される本件商品によれば、ベースユニットに把持されたレポート用紙等に筆記手段で筆記すると、筆記手段の信号受発信機がONされる。すると、筆記手段の信号受発信口とべ一スユニットの信号受発信口で信号がやり取りされる。そして、その信号は、筆記手段先端部(ボールペンチップ部及び信号受発信口)の位置信号として接続ケーブルを介してコンピュータに入力され、ソフトウェアで処理される。すると、紙面上に筆記された図、文字等がそのままコンピュータのディスプレイ上の「紙」に表示されることとなる。
エ.すなわち、ユーザーは通常の筆記具を使用する感覚で図、文字等を筆記すれば、それがテキストデータやベクタデータに変換されることなく、実際の紙面に筆記した筆記線がそのままコンピュータのディスプレイ上に表示される。
尚、ディスプレイ上の「紙」に表示された筆記線は、画像データとして保存することが可能であり、これをコンピュータ上で加工することはもちろん可能である。
(3)本件商品が本件商標の指定商品の範囲に属するとの説明
ア.上述した通り、本件商品は実際の紙面に筆記することを前提としている。また、本件商品の機能を鑑みれば、本件商品を使用するユーザーは、本件商品を「筆記具」の一つとして認識して使用するものと想定される。
よって、本件商品の機能、特徴を考慮し、流通・販売形態を「筆記具」と同様な形態をとることを予定している。具体的には、文具売場・文具店で販売することになる。
イ.尚、本件商品は筆記手段とべ−スユニット及び所定のソフトウェアを一体として販売する。本件商標は、筆記手段の外面とべ−スユニットの上面に付する予定である。
ウ.このように、本件商品の機能,流通・販売形態を考慮すると、本件商品は「筆記具」であると判断できる。よって、本件商品は本件商標の指定商品「紙類,文房具類」に属するものである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商品は「筆記具」といえるので、本件商標の指定商品「紙類,文房具類」に属する旨の判定を求める。
3 当審の判断
(1)本件商品が、本件商標の指定商品「紙類,文房具類」中の「筆記(用)具」の概念に含まれる商品であるか否かについて検討する。
(2)請求人の説明によれば、本件商品は、筆記手段とベースユニットからなり、ベースユニットに把持されたレポート用紙等の紙に筆記手段で筆記すると、筆記手段とベースユニット間で信号がやり取りされ、その信号は、接続ケーブルを介してコンピュータに入力され、ソフトウェアで処理される。すると、実際の紙面上に筆記された図、文字等がそのままコンピュータのディスプレイ上に表示される。そして、筆記手段とベースユニット及び所定のソフトウェアが一体として販売される商品である。本件商品は実際の紙面に筆記することを前提としており、その機能を鑑みれば、ユーザーは、本件商品を「筆記具」の一つとして認識し使用するものと想定される、旨述べている。
(3)そこで、上記(2)の説明及び甲第3号証からすると、本件商品は、紙面に筆記することを前提にしているとしても、紙面に筆記したものをそのままデータとして取り込むものであり、コンピュータに入力するためのデータの作成手段として、紙面に筆記する方法を採用しているものであって、紙面に筆記するためだけに単独で使用されるものではなく、専ら、コンピュータにデータ(図、文字等の筆記線)を入力するために、コンピュータとともに使用されるものであると認められる。
そうすると、本件商品は、その機能、用途及び目的からして、単に書きしるすための「筆記(用)具」と理解されるものではなく、コンピュータにデータ(図、文字等の筆記線)を入力するための入力装置の一種であるとみるのが相当である。
そして、各種のコンピュータ用の入力装置は、「電子応用機械器具」の概念に含まれる商品として分類されているものである。
(4)してみれば、コンピュータ用の入力装置と認められる本件商品は、旧第11類(平成3年改正前の商標法施行令別表、現行においては第9類)の「電子応用機械器具」の概念に含まれる商品であって、「筆記(用)具」の概念には含まれないものとみるのが相当であるから、本件商標の指定商品に含まれる商品ということができない。
したがって、本件商品は、本件商標の商標権の効力の範囲に属するものとは認められない。
よって、結論のとおり判定する。
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