Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−68002(T2001−68002/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第740421号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、2000(平成12)年5月24日を国際登録の日とし、第25類「Clothing, footwear, headwear.」を指定商品として、平成13年5月25日に設定登録されたものである。
2 引用商標
(1)本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録第2288662号商標(以下「引用1商標」という。)は、別掲(2)に示すとおり、「ICE」の文字を横書きしてなり、1987(昭和62)年1月21日付でイタリア共和国においてしたパリ条約第4条に基づく優先権を主張して昭和62年6月9日に登録出願、第17類「被服」を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録、その後、平成12年11月28日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年2月27日付で、その指定商品について、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換の登録がされたものである。
(2)同じく、引用登録第2326565号商標は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成1年1月30日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録、その後、平成13年5月22日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
同じく、引用登録第4031196号商標は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成1年1月30日に登録出願、第22類「短ぐつ、長ぐつ、編上げぐつ、雨ぐつ、防寒ぐつ、木綿製くつ、メリヤス製くつ、サンダルぐつ、幼児ぐつ、婦人ぐつ、オーバーシューズ、地下たび、釣り用ぐつ、乗用車ぐつ、極地用防寒ぐつ、地下たび底、くつ中敷き、くつのかかと、半張り底、内底、げた、ぞうり類」を指定商品として、平成9年7月18日に設定登録されたものである。
同じく、引用登録第2648707号商標は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、平成1年1月30日に登録出願、第24類「ゴルフ用具、ゴルフぐつ」を指定商品として、平成6年4月28日に設定登録されたものである(以下、3件の登録商標をまとめて「引用2商標」という。)。
3 登録異議申立の理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、同書、同大、同間隔に左から横書きしてなる欧文字「BE」「ICE」「BE」の各文字を、それぞれの間に1文字分のスペース(空間)を入れて一行に並べた構成からなるので、当該構成文字に相応して「ビーアイスビー」の称呼を生ずるが、当該構成中の「ICE」が特定の観念を有するので、その前後に位置する「ビー」の称呼のみならず、「アイス」の称呼をも生ずるというのが自然である(甲第6号証ないし同第9号証)。
他方、引用1商標は、別掲(2)に示すとおり、「ICE」の文字を横書きしてなるから、これより「アイス」の称呼を生ずる。
また、引用2商標は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなるところ、これよりは当該構成文字部分に相応し、「スポートアイス」又は「スポーツアイス」の称呼を生ずるといえるが、それとともに、例えば、他の文字と結合した「SPORT」(「スポート」あるいは「スポーツ」の称呼)の文字が第25類「被服」等について多数併存して登録されている事実(甲第10号証ないし同第13号証)に鑑み、当該「SPORT」の文字は、もはや自他商品識別力がないか、あるいは、あっても非常に弱いといえるので、本件商標との類否判断においては、「SPORT」を除いた文字部分が比較検討されるべきであり、その結果、引用2商標からは、「アイス」の称呼をも生ずるというのが相当である。
したがって、本件商標と各引用商標とは、「アイス」の称呼において類似する商標であり、また、本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は抵触しているので、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反し、登録されたものであり、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
(2)商標法第4条第1項第15号該当について
上記3(1)のとおり、本件商標は、各引用商標と類似するので、本件商標をその指定商品である第25類の商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、各引用商標に化体した高い信用及び著名性と相侯って、本件商標の指定商品が恰も申立人の製造又は販売に係る商品であるか、あるいは、申立人と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く誤認し、商品の出所について混同するおそれが極めて大きいといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反し、登録されたものであり、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当しない理由
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「BE ICE BE」の文字を横書きしてなるところ、その構成各文字は、外観上まとまりよく一体的に表示されていて、これより生ずると認められる「ビーアイスビー」の称呼も格別冗長というものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、殊更、構成中の「ICE」の文字部分のみが独立して自他商品識別の標識として認識されるとすべき特段の事由も見出せないから、本件商標は、構成文字の全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ビーアイスビー」の称呼のみを生ずるものといわなければならない。また、本件商標よりは、特定の観念を看取し難いものというべきである。
これに対し、引用1商標は、別掲(2)に示すとおり、「ICE」の文字を書してなるから、該文字に相応し、「アイス」の称呼及び「氷」の観念を生ずるものである。
また、引用2商標は、別掲(3)に示すとおり、矩形輪郭図形中に「golf」とおぼしき欧文字と星夜にスイングをしているゴルフ愛好家らしき図柄とを一体的に表し、さらに、その下に、「SPORT ICE」の文字を横書きした構成よりなるものである。
そして、当該構成中の「SPORT ICE」の各文字は、いずれも同じ書体、同じ大きさで一体的に表示されており、その称呼「スポートアイス」も決して冗長に亘るものでもないから、よどみなく一連に称呼し得るものである。
しかして、たとえ、構成中の「SPORT」の文字が「スポーツ」を意味する語であって、商品の品質を表示し、自他商品識別力を有しないものとして理解される場合があり得るとしても、かかる構成においては、「SPORT」と「ICE」との文字間に軽重の差があるものとは到底解し難いといわざるを得ないから、その全体をもって一体不可分の構成よりなるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、「SPORT ICE」の文字部分よりは、「スポートアイス」の称呼のみを生じ、かつ、特別に親しまれた観念を看取し難い一種の造語よりなるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、本件商標からは、「ビーアイスビー」の称呼のみを生じ、特定の観念を看取し得ないのに対し、引用1商標よりは、「アイス」の称呼及び「氷」の観念を生じ、さらに、引用2商標からは、「スポートアイス」の称呼を生じ、かつ、特定の観念を認識し難いから、本件商標と各引用商標から、それぞれ「アイス」の称呼を生ずることを前提として、本件商標と各引用商標とが称呼上類似するとしている申立人の主張は妥当でなく理由がないものといわなければならない。
また、本件商標と各引用商標とは、外観及び観念の点において明らかに相違するものである。
したがって、本件商標と各引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と判断する。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当しない理由
前記のとおり、本件商標と各引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるところ、申立人は、本件商標の登録出願前より我が国において、各引用商標は、それぞれの指定商品に使用され、取引者・需要者の間に広く認識されているから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときには、恰も申立人の業務に係る商品等であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがある旨述べるのみで、その事実を示す何らの証拠をも提出していないから、各引用商標が取引者・需要者の間において広く認識されるに至っていたものと認めることもできない。
他に本件商標と各引用商標とが相紛れるおそれがあるとすべき事由は見出せない。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、該商品が恰も申立人の製造又は販売に係る商品、あるいは、申立人と組織的又は経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものということはできないから、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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