Trademark Appeal Case
「インスピレーション」称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−12658(T2002−12658/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「INSPIRATION」の欧文字及び「インスピレーション」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、第15類及び第28類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成13年6月15日に登録出願され、その後、指定商品については、同14年4月17日及び同年9月30日付け手続補正書により、第15類「楽器,演奏補助品,音さ,調律機」及び第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,スキーワックス,釣り具」と補正されたものである。
2 原審の拒絶理由の要点
(1)本願商標は、その指定商品(第28類)との関係では、「インスピレーション(ひらめき)を働かせるゲーム」の意を容易に看取させるものであるから、これをその指定商品中上記商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は、登録第2388892号商標、登録第3225126号商標、登録第4079555号商標、登録第4418268号商標及び登録第4454042号商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 引用商標
(1)登録第2388892号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成1年6月1日に登録出願され、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年3月31日に設定登録されたものである。
(2)登録第3225126号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成5年7月16日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年11月29日に設定登録されたものである。
(3)登録第4079555号商標(以下「引用商標3」という。)は、「インスピレーション」及び「INSPIRATION」の文字を2段に横書きしてなり、平成8年6月17日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年11月7日に設定登録されたものである。
(4)登録第4418268号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成9年5月29日に登録出願され、第9類「業務用テレビゲーム機,その他業務用テレビゲーム機用の部品及び付属品,業務用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた電子回路・光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ,遊戯用電気式乗物,ピッチングマシン,その他の遊園地用機械器具,家庭用テレビゲームおもちゃ,その他家庭用テレビゲームおもちゃの部品及び付属品,家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた電子回路・光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ,カラオケ装置,その他の電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。),その他の電子応用機械器具及びその部品,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,映写フィルム,スライドフィルム,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,硬貨の計数用又は選別用の機械,両替機,業務用ゲーム機用メダル貸機」を指定商品として、同12年9月22日に設定登録されたものである。
(5)登録第4454042号商標(以下「引用商標5」という。)は、「INSPIRATION CRAFT」の文字を標準文字とし、平成12年3月28日に登録出願され、第14類、第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同13年2月16日に設定登録されたものである。
4 請求人(出願人)の主張の要点
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとされた指定商品は、すべて削除した。そして、本願商標を補正後の指定商品に使用する場合は、自他商品の識別力を十分に備えているものであるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとする拒絶理由は消滅した。
(2)引用商標1ないし3及び引用商標5の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除した。
しかしながら、「インスピレーションベースボール」のみの称呼が生ずる引用商標4と、「インスピレーション」のみの称呼が生ずる本願商標は、一連に称呼した場合、語調語感が全く相違し、彼此混同することはおよそ考えられない非類似の商標であり、引用商標4の構成態様の自然でかつ密接不可分の配置と、発音語数の点からしても、本願商標との称呼上の類似性はない。また、引用商標と本願商標とは、観念においては非類似であり、外観上も明確に相違する。この点に関する主張は、請求人(出願人)の所有する登録第4322799号商標(商標の態様:INSPIRATION/インスピレーション、指定商品:第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ」等、出願日:平成7年2月20日)が存在するにも拘わらず、引用商標4が登録されたことから、十分に根拠のあるものである。
したがって、本願商標と引用商標4とは、外観、観念のみならず称呼においても些かも混同を生じ得ない非類似の商標であって、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
5 当審の判断
(1)本願商標は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした商品並びに引用商標1ないし3及び引用商標5の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されているものである。
したがって、これらを理由とした本願についての拒絶理由は解消した。
(2)本願商標と引用商標4の類否についてみると、本願商標は、「INSPIRATION」の欧文字及び「インスピレーション」の片仮名文字よりなるところ、「INSPIRATION」の語は、我が国においてその読みの「インスピレーション」が片仮名として日本語化するほどに親しまれ、「霊感、ひらめき」等の意味合いをもって使用されているものであるから、これに相応して「インスピレーション」の称呼及び観念が生ずること明らかである。
他方、引用商標4は、別掲3のとおり、上段部に冒頭の文字を黒く塗りつぶし、2文字以降を籠字風に書した「INSPIRATION」の文字と下段部に3文字分右にずらし、上段文字と同様に冒頭の文字を黒く塗りつぶし、2文字以降を籠字風に書した「BASEBALL」の文字とを横書きしてなるところ、その構成中上段部の「INSPIRATION」の文字は、本願商標の欧文字部分とその綴りを同一にするものであるから、当然に本願商標と同一の「インスピレーション」の称呼及び観念を有するものであり、また、構成中下段の「BASEBALL」の文字は、我が国において最も親しまれ馴染まれているスポーツの一種である「野球」の欧文字表記として、わが国の一般世人の間に広く知られているものである。
そうすると、引用商標4は、その構成文字である「INSPIRATION」と「BASEBALL」がデザイン的に統一されているものであるとしても、上下二段よりなる構成から、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、意味合いにおいても両文字を常に一体のものとして把握しなければならないような格別の事情は存しない。
そして、引用商標4の指定商品中の「家庭用テレビゲームおもちゃ」の中には、野球に倣いそれを題材とするものが取り引きされている実情があるから、引用商標4を「家庭用テレビゲームおもちゃ,その他家庭用テレビゲームおもちゃの部品及び付属品,家庭用テレビゲームおもちゃ用プログラムを記憶させた電子回路・光ディスク・磁気ディスク・磁気テープ」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、下段の「BASEBALL」の文字部分は、野球に倣ったゲームであること、すなわち、商品の品質、内容を表示したものと認識するに止まり、上段の「INSPIRATION」の文字部分を自他商品の識別標識として捉え、該文字部分より生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、引用商標4からは、「インスピレーションベースボール」の一連の称呼を生ずるほか、「INSPIRATION」の文字部分に相応して「インスピレーション」の称呼及び観念をも生ずるといわなければならない。
そうすると、本願商標と引用商標4とは、「インスピレーション」の称呼及び観念を同一にする点で互いに相紛らわしく、「INSPIRATION」の欧文字を認識する点において外観上紛れ得るおそれがあるから、これらを総合判断すると両者はその出所において混同を生ずるおそれのある類似の商標であるといわざるをえない。そして、本願の指定商品は、野球を題材とするおもちゃないしは人形を含むものであり、引用商標4の指定商品と類似するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することができない。
なお、請求人は、自己の所有に係る商標についての登録と引用商標4についての登録の経緯を挙げて種々主張しているが、商標の類否の判断は、本願商標と引用商標とが類似することをもつて足りると解するのが相当であり、他の登録例によって左右されるものではないから、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。