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Trademark Appeal Case

要部抽出と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35261(T2002−35261/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4249277号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4249277号商標(以下「本件商標」という。)は、平成8年12月18日に登録出願され、「LIFE GUARD ASSOCIATION」の文字を横書きしてなり、第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」を指定商品として、同11年3月12日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する商標

請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、下記の2件の登録商標(以下、これらの商標をまとめて「引用商標A」という。)を引用するとともに、その外に、同法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に該当するものとして、請求人及び後述するUnited States Lifesaving Associationが使用している「LIFEGUARD」の文字からなる商標(以下「引用商標B」という。)を引用している。

<引用商標A>

(ア)「LIFEGUARD」の文字を横書きしてなり、昭和63年3月3日に登録出願され、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録された登録第2253524号商標

(イ)「LIFEGUARD」の文字を横書きしてなり、昭和63年3月3日に登録出願され、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録された登録第2273693号商標。なお、指定商品及び商品の区分は、その後、平成14年1月30日に指定商品の書換登録により、第18類「傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「履物」となっている。

3 請求人の主張

(1)商標法第4条第1項第11号に該当することについて

本件商標は、外観及び称呼のいずれも冗長であり、また、構成中「ASSOCIATION」の部分は「協会、組合」等の意味合いを表すものであって、「株式会社」等の語と同様に自他商品の識別力が弱い語であるため、本件商標の要部は「LIFEGUARD」の部分と判断されることから、「ライフガード」の略称をもって取引に使用されると考えられる。

一方、請求人は、引用商標Aに係る商標権について、専用使用権を有しており、該商標は、ローマ文字で「LIFEGUARD」と横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して「ライフガード」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標Aとは、「ライフガード」の称呼を生ずる類似の商標であると言わざるを得ない。そして、本件商標の指定商品中「かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、傘、ステッキ、つえ、つえ金具、つえの柄」は、引用商標Aの指定商品と同一又は類似のものである。

(2)商標法第4条第1項第15号に該当することについて

「LIFEGUARD」の文字からなる引用商標Bは、アメリカのカリフォルニア州に本部を置き、海や湖、川、沼等での水難救助を中心としたライフセービング活動をするボランティア組織である「United States Lifesaving Association」(以下「U.S.L.A.」という)がその活動に使用している商標であり、また、その活動の啓蒙及び活動資金を集めるために、各種商品に使用している商標である。請求人は、U.S.L.A.から、日本における「LIFEGUARD」を使用する独占的な権利等の許諾を受けている。

そして、引用商標Bは、本件商標の出願時点においては、取引者・需要者に周知商標として認識されるに至っていたことは明らかであり、しかも現時点においても盛大に使用されているものであるから、被請求人が本件商標をその指定商品に使用すれば、これに接する取引者・需要者は、あたかも請求人らと密接に関係のある営業主の業務に係る商品であるかの如く、出所について誤認、混同を生じるおそれがある。

商標法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、いわゆる広義の混同を生ずるおそれのある商標が含まれることは、判例において繰り返し判示されている(東京高裁 昭和63年(行ケ)第100号・平成元年3月14日判決、最高裁平成10年(行ヒ)第85号・平成12年7月11日判決「レールデュタン事件」ほか)。

(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当することについて

本件商標は、出願時から請求人らの使用する周知な引用商標Bと要部の構成文字が同一であり、引用商標BにはU.S.L.A.のボランティア活動により形成された信用等が備わっている。そして、被請求人は、商品化を事業として行う者であるが、繰り返し外国の周知商標を冒認出願した実績があり、本件商標の登録に至るまでの過程においても意見書で偽りの主張をしているから、その出願には、不正の目的があると認められる。

したがって、本件商標の出願は、国際信義に反し、公序良俗を害するおそれがあり、また、請求人らの使用する周知な引用商標Bの指標力を希釈化し、請求人らが獲得してきた信用にただ乗りするものである。

(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、その登録は商標法第46条第1項第1号により無効にされるべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、請求人の上記3に記載した主張に対し何ら答弁していない。

5 当審の判断

(1)引用商標Bの著名性について

(ア)請求人の提出に係る甲第5号証(LIFEGUARD2000)によれば、「LIFEGUARD」の語は、アメリカのカリフォルニア州に本部を置き、海や湖、川、沼等での水難救助を中心としたライフセービング活動をするボランティア組織である「United States Lifesaving Association(U.S.L.A.)」がその活動に使用している標章であること、U.S.L.A.は、浸水した船の乗船者を救出するために1780年代に組織された「マサチューセッツ・ヒューマン・ソサイエティー」の設立に起源を有し、1871年には「United States Lifesaving Service」と組織名称を変え、1915年に「United States Coast Guard」と名称を変えるまでに、17万5千人もの救助にあたったこと、そして、海水浴者の急速な増加に伴い、海岸での救助活動も活発となり、その活動が一般に浸透するとともに、彼らはライフガードと呼ばれるようになったこと、その後、1964年のU.S.L.A.の組織化後は、ライフセービング活動のほか、高レベルなサーフィン等のマリンスポーツの普及や安全確保及び自然保護活動も行っており、現在では、年間15億人もの海水浴者を守り、13万マイルもの海岸を監視し、さらに年間56万件もの医療協力、36万件もの水難救助、9万6千件もの乗船客救助、4万6千件もの船舶の救助を行っていること、更に、このような活動を一般に啓蒙すると同時に、その活動資金を集めるために、「LIFEGUARD」ブランドの商品化を図ってきたことを認めることができる。

(イ)甲第7号証の1ないし4(全米ライフセービングアソシエーションからの請求人宛ての2000年8月31日付及び2002年4月12日付英文レターとその訳文)によれば、請求人は、1996年3月に締結した契約により、U.S.L.A.から、日本における「LIFEGUARD」を含む「United States Lifesaving Association」に関するすべての商標についての商標権を取得し、使用する独占的な権利の許諾を受けていることを認めることができる。

(ウ)前出の甲第5号証及び甲第6号証(全米ライフガード選手権/チーム・ジャパンスポンサー募集要綱)によれば、請求人は、本件商標が出願された1996年当時から現在に至るまで、我が国において、「LIFEGUARD」に関する活動を大々的に行ってきたこと、また、甲第8号証ないし同第43号証によれば、請求人は、1995年11月から1999年11月にかけて発行された「Begin(世界文化社発行)」、「GET ON!(学習研究社発行)」、「FINE BOYS(日之出出版発行)」、「Lightning(国出版発行)」、「MEN’S CLUB(婦人画報社発行)」、「COOL TRANS(ワニブックス発行)」、「モノ・マガジン(ワールドフォトプレス発行)」、「サーフ・スタイル・ブック NO.13(ワールドフォトプレス発行)」、「CHECK MATE(講談社発行)」、「MEN’S Non−no(集英社発行)」、「BE−PAL(小学館発行)」、「織研新聞」等の雑誌・新聞に広告を掲載し、「LIFEGUARD」に関する活動の紹介をするとともに、「LIFEGUARD」ブランドの入った被服、帽子、バッグ、サングラス、ライター、アクセサリー、履物、ボディ用化粧水等の商品の広告・宣伝をしてきたこと、そして、甲第44号証(LIFEGUARD売上実績)によれば、上記商品の売上高は、平成8年において47億6千万円、平成9年において69億5千万円、平成10年において90億5千万円となっていたことを認めることができる。

(エ)以上の事実を総合してみれば、請求人(U.S.L.A.を含む。以下、同じ)が永年に亘って行ってきたライフセービング活動に対する認識は、我が国においても一般に浸透し、引用商標Bは、請求人がライフセービング活動について使用してきた標章として、また、請求人がその業務に係る上記各商品について使用してきた商標として、本件商標が登録出願された1996年(平成8年)12月頃までには既に、我が国における取引者・需要者の間においても広く認識されるに至っていたものと認められる。そして、引用商標Bの周知・著名性は、登録査定時においても継続していたものというのが相当である。

(2)出所の混同について

本件商標は、前記のとおり、「LIFE GUARD ASSOCIATION」の文字からなるところ、その構成文字は20文字であり、これより生ずる「ライフガードアソシエーション」の称呼も13音であって、その構成文字及び称呼のいずれからみてもやゝ冗長であることは否めず、加えて、「ASSOCIATION」の文字部分は、「協会、組合」等の意味合いを表すものであって、「株式会社」等の語と同様に自他商品の識別力の弱い語であり、全体としても特定の団体名を表すものとして、取引者・需要者によく知られているというような事情も認められない。

そして、本件商標の指定商品は、引用商標Bが使用されている「かばん類」を含むばかりでなく、取引者・需要者を同じくすることのあるファッションに関係する商品を多く含むものであるから、引用商標Bが使用されている商品との関連性も否定することはできない。

してみれば、本件商標は、その構成中に「LIFE GUARD」の文字を顕著に含むものであるから、被請求人が本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、前記した事情よりして、請求人が行っているライフセービング活動に関する協会であるかの如く誤認し、あるいは、その構成にあって強く印象づけられるというべき「LIFE GUARD」の文字部分に着目して周知・著名な引用商標Bを連想・想起し、その商品が請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

(3)結論

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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