結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30295(T2001−30295/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3070106号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲に示したとおりの構成よりなり、第42類「日本料理を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成4年8月21日に登録出願、同7年8月31日に設定登録されたものである。
(1)請求の趣旨
本件商標の登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。
(2)請求の理由
請求人は、その理由を次のように述べ、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
(a)取消事由
本件商標は、その指定役務「日本料理を主とする飲食物の提供」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(b)取消原因
本件商標の商標権者は、本件商標をその指定役務「日本料理を主とする飲食物の提供」に使用している事実が見当たらない。この事は、審判請求人の依頼によって本件商標の使用状況を調査した「商標使用状況調査報告書」(甲第2号証)に記載されていることである。即ち、その報告書(甲第2号証)において商標権者は喫茶店を経営しているかの如くであるが、現実には喫茶店は見当らないし、また、日本料理を提供しているようにも見られない旨が記載されているものである。この事は、商標権者が、平成7年8月31日に本件商標が登録になってから今日まで、すでに5年以上も経過し、その当初に使用したことはあったとしても、審判請求日以前3年以上にわたってその指定役務である「日本料理を主とする飲食物の提供」に使用していなかったことを如実に示しているものである。この事から、本件商標の商標権者は、日本国内において継続して3年以上にわたって本件商標を「日本料理を主とする飲食物の提供」について使用していなかったものであることは明らかである。
本件商標には、その商標登録原簿(甲第1号証)から明らかなように、登録された専用使用権者、通常使用権者、質権者等の記載がない。従って、これらの者による本件商標の使用は考えられない。ただ、考えられるのは未登録の通常使用権者の存在である。しかし、甲第2号証において、他の会社と同一の所にある商標権者であるが、その他の会社すら、本件商標を使用している事実が見当たらない旨、記載されていることから、未登録の通常使用権者が存在するとも考えられないことである。従って、他の者がその指定役務に本件商標を使用している事実は全くない。
また、本件商標はその使用しないことについて正当な理由があるとも思われない。本件商標が、その指定役務について使用することが法令によって禁止されている訳でもないし、天変地異のためその使用が出来なかったという事実もないものであるから、不使用についての正当理由の利益を受けることもできないものである。
これらの事から明らかなように、本件商標は、法の認める例外の規定の適用を何ら受けることもできないのみならず、現実に本件商標を、商標権者を始めとして他の何人も、日本国内において3年以上にわたってその指定役務について使用している事実がないものである。従って、本件商標は、「日本料理を主とする飲食物の提供」について取り消されるべきものである。
本件審判請求人は、商願平10−102246号を出願したのであるが、本件商標を引用商標とされ、拒絶査定とされたものである。それゆえ本件商標に対し、不使用取消の審判を請求したもので、法律上の利害関係を有するものである。
(3)答弁に対する弁駁
請求人は、答弁書に対し、以下の如く弁駁する。
(a)「レシート伝票」について。
一般に商標の使用とは、商標法第2条第3項の各号に規定されている行為を言うものとされる。これらの行為の中、このレシート伝票は、役務に関する「定価表又は取引書類に標章を付して展示し、又は頒布する行為」の「取引書類」に該当するものである。この「取引書類」であるレシート伝票について、商標を付して使用しているとされるためには、その商品との具体的関係において使用されていなければならないとされるものである。このことは、最高裁判例(昭和42年(行ツ)第32号、甲第3号証)においても認められているし、また従前、商標権存続期間更新登録願に添付する使用説明書の資料作成の場合にも、明確に、商品あるいは役務が具体的に表示されていることが求められていたものである(甲第4号証)。
これらの要件から、被請求人の提出した「レシート伝票」の内容を見ると、「とんかつ」の種類や、「釜めし」の種類、また、それらの金額など、何一つとして「日本料理を主とする飲食物の提供」が具体的関係にて、表示されていないのである。この「レシート伝票」からは、この伝票に記載されている本件商標と覚しき図とあおいの文字が、何ら具体的関係において役務に使用されているとは、見られないのである。したがって、被請求人の提出した、この「レシート伝票」は、何ら、本件商標の使用を証明・立証するものではないのである。
(b)「メニュー帳」のコピーについて。
本件商標は、甲第1号証で明らかな如く、図形(立葵の図)と、その図形の下段の「あおい」の文字とから構成されているものである。即ち、本件商標は、この図形(立葵の図)と、あおいの文字との結合したものであり、図形(立葵の図)の単独でも、また、文字の単独のものでもないのである。図形と文字の結合した単一の商標である。図形と文字との結合した商標は、その使用にあたり、いずれか一方のみを使用する場合、図形も文字もいずれも識別力を有する主要部であって、いずれが主要部で、いずれが附記的部分であるかを分ちがたい場合には、いずれか一方のみを抽出して、使用しても、その使用は、当該、図形と文字の結合商標の使用とはみなされないとされるものである。このことは、判例(東京高裁、昭和55年(行ケ)第337号、甲第5号証)も認めているところである。
この判例の趣旨から、この「メニュー帳」(お品書き)に表示されている「葵」の文字及び「あおい」の文字を見ると、本件商標は、図形(立葵の図)と「あおい」の平仮名文字とから構成されているものであって、漢字は、全く使用されていないものである。従って、「葵」の文字は、本件商標の使用には当たらないものである。仮に、「あおい」の平仮名が「葵」の漢字を表すものであるとしても、それのみに限られるものでないのである。例えば「青い」「蒼い」でも平仮名では、「あおい」となり、必ずしも「あおい」は「葵」のみを意味するものではないのである。本件商標は、その構成から図形(立葵の図)とその図形を表示すると見られる「あおい」の文字とから構成され、図形のみが主要部でも、また文字(あおい)のみが主要部でもなく、いずれが主要部か、判断を不可能ならしめるほど分ちがたいものであって、「あおい」を単独に使用しても、それは、本件商標の使用ということはできないものである。従って、「メニュー帳」(お品書き)に記載されている「葵」・「あおい」の文字は、何ら本件商標の使用であるとは認められないものである。
(c)上記に記載したことより明らかな如く、被請求人の提出した「レシート伝票」及び「メニュー帳」に表示されている図形及び文字からは、本件商標が使用されているとは認められない。
被請求人は「結論同旨の審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書に添付した「レシート伝票」(以下、「乙第1号証」という。)及び「メニュー帳のコピー」(以下、「乙第2号証」という。)を提出した。
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上にわたって、日本国内において使用されているものである。使用しているとする「有限会社大扇」は、商標権者より本件商標の通常使用権を許可したものである。
被請求人は、本件商標は、通常使用権者である「有限会社大扇」によって、使用しているものであると述べている。
そこで、被請求人の提出に係る乙各号証を徴するに、乙第1号証は、レシート伝票であるが、これには、本件商標と略同一の商標が付され(商標法第2条第3項第8号所定の「役務に関する取引書類に標章を付して頒布する行為。」)ており、その発行の日付も本件審判の請求の登録前3年以内である平成11年11月21日であることを示す「99−11−21」の記載が認められ、このレシート発行者は、「サンピアザ(Sunpiazza)」において、「とんかつ、釜めし」を主とする営業を行っていたことが見出し得るところである。
また、乙第2号証は、「お品書き」(写し)即ち「メニュー帳」(写し)であるが、これには、「とんかつ 葵 サンピアザ3F」の記載が認められ、これより、通常使用権者が「葵」の商号で、「サンピアザ三階」において、メニュー帳記載の「日本料理を主とする飲食物の提供」を業として実施していることが認められ、このことは、上記被請求人の主張及び乙第1号証とも符合するものである。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において本件商標の通常使用権者により、請求に係る指定役務「飲食物の提供」について、使用されたものであることが十分に推認できる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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