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Trademark Appeal Case

資格名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−13767(T2001−13767/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「確定拠出年金アドバイザー」の文字を書してなり、第41類「金融業務関連の通信教育その他の通信教育,金融業務関連の検定試験その他の検定試験,金融業務関連の研修会その他の研修会,技芸・スポーツ又は知識の教授」の役務を指定役務として、平成12年3月7日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『従業員が拠出する保険料を一定として、将来受けられる年金額を運用実績によって変動させる型の年金』の意である『確定拠出年金』の文字と『助言者,相談役』の意である『アドバイザー』の文字を一連に『確定拠出年金アドバイザー』と普通に用いられる方法で書してなるところ、全体として、年金制度や金融商品の知識を持ち、個人への投資教育などに当たる専門家である『確定拠出年金のアドバイザー』であるといったことを理解させるに止まり、本願商標を、その指定役務中『確定拠出年金の運用に対する投資知識のアドバイザーを養成するための通信教育・検定試験・知識の教授』について使用したときには、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「確定拠出年金アドバイザー」の文字を書してなるものである。

ところで、確定拠出年金制度は、2001年10月に施行された「確定拠出年金法」により創設されたものであり、この確定拠出年金は、従来の年金が国や企業が責任を持って予め約束した年金を支給してくれるのに対して、企業や個人が積み立てるお金を加入者個人が運用方法を決め、その結果に応じた年金額を受け取るという制度である。

そして、この新しい年金制度を普及させるためには、企業への制度導入コンサルティング、普及推進のためのアドバイス、さらには加入者個人への教育及び情報提供の充実が不可欠となっており、これら広範な実務知識を持った専門アドバイザーの育成が急務となっていることが認められる。

そして以上のことは、確定拠出年金制度に関するアドバイザー育成について、例えば下記の各種新聞情報及びインターネット情報によっても十分裏付けられるところである。

(1)DC(Defined Contribution)(確定拠出型年金)アドバイザーについて、「確定拠出年金法」が2001年6月29日に公布され、企業型は10月1日より施行。現行の年金制度から移行させるために必要な知識をもち、年金資産の投資・運用のノウハウを兼ね備えた専門家の育成が急務となってきました。新制度導入に当たり導入時のコンサルタントとして、また導入後は専門アドバイザーとして、その役割への期待は高まっています。DCアドバイザーは、厚生労働大臣認可の(社)全国産業人能力開発団体連合会による認定資格で、同連合会のもとに設立された確定拠出型年金教育・普及協会(DC協会)が主催するDCアドバイザー試験に合格し、DC協会へ入会することにより資格認定されます。(http://www.anjo.co.jp/cou/dc.html)

(2)資格試験の合格指導専門校東京法経学院から出版された「逐条確定拠出年金」に「この法律を基礎に,新たに創設・新設された年金制度を適切かつ適確に導入・運営・活用のアドバイスを主たる業務として行う者が企業年金担当者であり,「DC(確定拠出年金)アドバイザー・プランナー」等です。したがって、この企業年金担当者やDCアドバイザー・プランナー等には、確定拠出年金が適切に運営され、老後の所得確保を図るための年金制度として国民に受け入れられ、定着していくための役割が課せられているとも言えましょう。」(http://www.thg.co.jp/dc/publishing/0206-3103001.htm)

(3)DC協会主催のDCアドバイザー試験の合格者には、厚生労働大臣認可の社団法人・全国産業人能力開発団体連合会による認定資格が授与されます(DC協会への入会が必要です)。(http://www.nipponmanpower.co.jp/train/dc/sikaku.html)

(4)DC協会のホームページには、DCとは「確定拠出型年金」(Defined Contribution)を表した略語との記載がある。第5回DCアドバイザー資格認定試験実施結果(2002年12月1日実施)と共に、受験資格を得るために、DC協会の法人会員である教育事業会社の講座(DC協会認定講座)を受講し終了する必要があります。(http://ns.nenkinnet.co.jp/dc/01whatsnew/5kaikekka.PDF)

(5)静岡で退職金セミナー NPO法人退職金企業年金アドバイザーズネットワーク静岡は十八日午後一時半から、中小企業経営者向け退職金セミナーを静岡市追手町の県産業経済会館で開催する。講師は同ネットワーク理事で社会保険労務士、確定拠出年金アドバイザーの権田伸枝氏と副理事長で同アドバイザーの片岡真里氏。参加は無料。問い合わせは同ネットワーク静岡事務局[電0544(54)1756]へ。(2003.03.14 静岡新聞22頁)(6)ねこ博士のねんきん探検隊 確定拠出年金の携帯性、非導入企業では加入できず 確定拠出年金は、毎月の掛け金の額は決まっているが、年金の額は運用次第で変わる新型の企業年金。掛け金を企業が払う「企業型」と個人が払う「個人型」がある。加入者が転、退職する際に自分の年金資産を持ち運びできる「ポータビリティ」(携帯性)が長所の一つといわれるが、実情はどうなのだろう。確定拠出年金アドバイザーでファイナンシャル・プランナーでもある吉田江美さんに聞いてみた。(2002.07.04 中日新聞10頁)

(7)確定拠出年金(日本版401K)の専門家を育成する認定試験の制度が発足 2001年に導入が予定されている、確定拠出年金(日本版401K)の専門家、確定拠出年金アドバイザーを育成する認定制度がこの秋に実施されることとなった。(2000年5月 株式会社リクルート発行「仕事の教室」5頁)等。

してみると、「確定拠出年金アドバイザー」の文字よりなる本願商標は、確定拠出年金制度に関するアドバイザーであることを表したものであり、これを、その指定役務中「確定拠出年金制度に関するアドバイザーを養成するための通信教育・検定試験・知識の教授」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単にその役務の質(内容)を表すものとしてこれを理解し、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないと判断するのが相当である。

また、指定役務中前記役務以外の役務についてこれを使用するときは前記内容の役務であるかのごとく役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、一見すると役務の内容を推測させるような「○○○アドバイザー」という商標は、「○○○」という役務の内容表示にはならないと判断していることより、本願商標も前記登録例と同様に、指定役務の質や内容を表示するものではない旨主張するが、例示された登録例は制度として行われているものとして、普通に用いられているものとは認められないものであるが、本件商標は前記事情のごとく使用されているものであるから、事案を異にするものであり、請求人の主張を採用することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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