Trademark Appeal Case
防護標章の構成同一性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第819号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願標章
本願標章は、別紙(1)に示した構成よりなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,産業廃棄物の収集及び処分,建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,訴訟事件その他に関する法律事務,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,登記又は供託に関する手続の代理,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,編機の貸与,衣服の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,自動販売機の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,ミシンの貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として、平成4年10月15日に登録出願された平成4年商標登録願第300948号の分割出願として、指定役務を「飲食物の提供,写真の撮影,建築物の設計,測量,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,通訳,翻訳」として、平成8年7月17日に登録出願した後、さらに、分割後の指定役務につき、登録第1907025号商標の防護標章として、平成8年10月25日に防護標章登録出願に出願変更したものである。
2 登録第1907025号商標
登録第1907025号商標(以下、「本件登録商標」という。)は、別紙(2)に示した構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和53年2月22日登録出願、同61年10月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 原査定の理由
原査定は、「この防護標章登録出願に係る標章は、登録商標とその構成態様を異にするものである。したがって、この防護標章登録出願に係る標章は、商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定して、その出願を拒絶したものである。
4 当審の判断
防護標章登録の要件の一つとして、商標法第64条には、「その登録商標と同一の標章についての防護標章登録を受けることができる」旨規定しているところである。
すなわち、「防護標章の制度は、商品混同を生ずるおそれがあることを要件として、登録商標の禁止的効力をその指定商品の非類似商品にまで拡大させるものであるから、登録商標の標章と同一の標章、すなわち登録商標の標章そのものでない限り防護標章登録を受け得ないことは、制度の前記趣旨からして当然というべきである。ただし、この点について、商標法は、第70条第1項に『第64条における「登録商標」には、その登録商標に類似する商標であって、色彩を登録商標と同一にするものとすれば登録商標と同一の商標であると認められるものを含むものとする。』との規定を設けている。この規定は、要するに、標章の構成要素のうち色彩についてのみ同法第64条に規定する同一性の要件を緩め、標章の構成要素のうち色彩のみが登録商標と同一でないが色彩を登録商標と同一にするならば登録商標と同一となる標章は例外的に防護標章登録を受け得るものとしたものであるから、標章の構成要素のうち『文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合』については、それがいかに登録商標の標章と酷似する標章であっても、登録商標の標章と同一でない限り防護標章登録を受け得ないことは疑いの余地がない」(東京高等裁判所平成元年7月27日判決言渡平成元年(行ヶ)第77号及び同第78号参照)というべきである。
これを本件についてみるに、本願標章及び本件登録商標は、それぞれ別紙(1)(2)に示したとおりであるところ、本願標章を構成する「C&C」の文字及び記号は、全体的にやや細目の線で描かれているが、全体の線が細目で統一されているのではなく、細目の箇所とやや太めの箇所とで強弱を付けるように表されてなるものであるのに対して、本件登録商標を構成する「C&C」の文字及び記号は、全て肉太の線で表されてなるものである。しかも、両者の「C」の文字部分は、右側の切れ目の間隔において、本願標章のそれは広いのに対して、本件登録商標は極めて狭いものである。
してみると、本願標章と本件登録商標とは、外観において明らかな差異を有するものであるから、本願標章は本件登録商標と「同一の標章」ということはできない。
したがって、本願標章が商標法第64条に規定する要件を具備しないものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人(出願人)は、本願標章と本件登録商標は、いずれもまとまりのある「C&C」の文字よりなり、かつ、本願標章は、出願人のCIマークとして使用され、著名であるから登録されるべき旨主張し、証拠を提出しているが、本願標章は、本件登録商標とその構成態様において同一のものでなく、商標法第64条に規定する防護標章登録の要件を具備しないものであること前記したとおりであり、請求人が提出して証拠をもってしても前記認定を左右するものではないから、請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。