結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30182(T2002−30182/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4212296号商標(以下、「本件商標」という。)は、「環境ビジネス」の文字を横書きしてなり、平成9年4月16日に登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として、同10年11月20日に設定登録されたものである。
(1)請求の趣旨
結論同旨の審決を求める。
(2)請求の理由
本件登録商標は、その指定商品である「雑誌」について継続して3年以上、日本国内において使用された事実が存在しない為、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(3)答弁に対する弁駁
被請求人の平成14年4月9日付けの答弁書によれば、家電リサイクル法(平成13年4月より施行)及びパソコン関係のリサイクル法(平成14年4月より施行)の施行が遅れたこと、並びに、被請求人の会社において環境問題に関する雑誌を発行するのが初めてであるため、環境ビジネス情報誌「月刊 産業と環境」を刊行している株式会社オートメレビュー社からの営業権の譲渡の準備を行っていたことを挙げ、不使用について正当な理由があると主張している。
しかしながら、商標法第50条第2項の正当な理由とは、法の趣旨より厳格に解釈されるべきであって、例えば、その商標を使用する予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が破損したため、その使用ができなかった場合や、時限立法によって一定期間その商標の使用が禁止された場合等が相当するものと思料する。本件商標「環境ビジネス」を指定商品「雑誌」について使用する時期について、家電リサイクル法等の施行後とするか、或いは、他社からの営業権の譲渡後とするか否かは、被請求人の会社の営業方針に基づいて決定することができる恣意的な事柄に過ぎず、何等本件商標を指定商品について使用していないことの正当な理由とはならない。
また、被請求人は、本審判請求人が実体のない旨主張しているので、別紙の通り、会社の登記簿謄本(甲第1号証)を提出する。
以上述べましたように、被請求人は、本件登録商標について、その指定商品である「雑誌」について継続して3年以上、日本国内において使用された事実を証明できない以上、本件登録商標は取り消されるべきものである。
(1)答弁の趣旨
本件審判請求は却下する。
審判費用は請求人の負担とするとの審決を求める。
(2)答弁の理由
被請求人は、添付書類として、雑誌「産業と環境」の2002年3月号(以下、「乙第1号証」という。)、営業権譲渡にともなう購読者への挨拶状(以下、「乙第2号証」という。)、請求人住所ビル入り口の入居テナント案内の写真(以下、「乙第3号証」という。)、及び、「審判事件再答弁書」添付の乙第1号証(「産業と環境」12月号)(以下、「乙第4号証」という。)、乙第2号証(第3種郵便申請書 写し)(以下、「乙第5号証」という。)及び乙第3号証(第3種郵便許可書 写し)(以下、「乙第6号証」という。)を提出し、その理由を以下のように述べた。
被請求人は、昭和43年より家電関係のビジネス月刊誌 「家電ビジネス」「技術営業」等の月刊誌を発行してきた。
近年家電業界でも家電リサイクル法が検討され、環境問題への高まっている事から、環境に関わる月刊情報誌を刊行したいと、平成9年4月に「環境ビジネス」の商標を出願し、平成10年11月20日登録した。しかしながら、家電リサイクル法は国、業界との協議が長引き、平成13年4月より、また、パソコン関係のリサイクル法については平成14年4月からの実施となった。このような状況もあり、被請求人が考えていた環境関係の雑誌刊行は延期せざるを得ないこととなった。
また、環境問題ジャンルの雑誌刊行は、被請求人としても初めて取組むジャンルであり、環境問題を扱っている出版社とも協議を重ねてきたなかで、環境ビジネス情報誌「月刊 産業と環境」を刊行している(株)オートメレビュー社より、同誌の営業権譲渡の申し出を受け話し合ってきた。前述の事情もあり、「環境ビジネス」については、刊行予定が遅くなっているが、平成14年4月よりようやく環境ビジネス情報誌「月刊 産業と環境」の営業権を(株)オートメレビュー社より買い取ることができ、近々刊行すべく購読者ならびに関係者に案内を行っているところである。
営業権譲渡にともなう手続きが終わったら、早期に雑誌の題名を「環境ビジネス」に変更する予定である。
なお、請求人である有限会社日本広告研究所について審判請求書の住所で確認したが、記載されている住所に会社は存在せず、管理されているビル管理会社で確認したところ、入居テナントとしても全く知らないとのことである。従って、実体のない会社であることを申し添える。
(3)再答弁
被請求人が営業譲渡を受けた「産業と環境」は、環境関連雑誌の草分け的な雑誌であり、年間定期購読の申し込みのあった官公庁・学校・企業等の読者へ、毎月第3種郵便で送り、原則として書店売りを行わない雑誌である。被請求人は、(株)オートメレビュー社より「産業と環境」の営業権譲渡を受け、発行人が代わるため、東京郵便局より、再度第3種郵便取扱申請を行うよう指導を受けた。このことにより、すみやかに「産業と環境」から「環境ビジネス」への題号変更を行う予定である。登録商標の使用の事実は、審決の取消訴訟における事実審の口頭弁論終結時に至るまで許されると判断されている。従って、従来商標を使用できなかったことについて正当な理由があると共に、近い時期に商標の使用に至ることは確実であり、審判請求は棄却されるべきものである。ところで、請求人はの住所は、請求人の提出した弁駁書に添付された登記簿謄本によれば、審判請求書の請求人の住所は、旧住所になっており、請求人は実体のない会社であることを再度主張する。
(1)商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(2)そこで、被請求人が本件商標の使用について提出した乙各号証を徴するに、乙第1号証は、雑誌「産業と環境」の2002年3月号であり、乙第2号証は、雑誌「産業と環境」の営業権譲渡にともなう購読者への挨拶状であり、乙第3号証は、請求人住所ビル入り口の入居テナント案内の写真であり、乙第4号証は、雑誌「産業と環境」の12月号であり、乙第5号証は、雑誌「産業と環境」についての第3種郵便申請書(写し)であり、乙第6号証は、雑誌「産業と環境」についての第3種郵便許可書(写し)である。
(3)してみれば、上記乙各号証は、本件商標の使用の事実を立証するものではない。
(4)次に、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があると述べているから、この点について検討するに、本法でいうところの「その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由」とは、天災地変等、外因的な理由で事実上使用できない場合や、法律の制限等による場合が考えられるが、本件商標の不使用の理由について被請求人の述べるところは、結局、自己都合によるものであり、これが正当な理由ということはできないものである。
(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきである。
なお、被請求人は、請求人の住所が異なり、請求人には実体がないと主張するが、請求人住所は、平成15年3月27日付けで登記簿上の住所に補正されたものであり、また、他に実体がないとする理由を見出し得ない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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