結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2000−30714(T2000−30714/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2212125号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROBOTEC」の文字を横書きしてなり、昭和58年6月13日に登録出願、第24類「おもちゃ、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年2月23日に設定登録されたものである。その後、平成12年3月7日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第6号証を提出している。
請求人としては、不使用について正当な理由があるとする被請求人の答弁は到底承服することができない。
(1)我が国の商標法は、使用されている商標の保護を本来の目的としているものであるから、商標権者が登録商標を使用することを保護の前提としているものである。したがって、一定の期間登録商標を使用していない場合には、保護すべき対象がないものと考えられ、そのような不使用の登録商標に対し独占的な権利を与えておくことは、第三者の商標選択の範囲を不当に狭める等の不合理が生ずるため、不使用による取消審判の制度が設けられたものである。
このような立法趣旨からしても、「不使用についての正当理由」は厳格に解釈すべきであり、特別立法により一定期間商標の使用が禁止されている場合や、商標権者が天災等により商標を使用することができなかった場合、手続の中断・中止の事由に該当するような事由が発生した場合等に限定されるべきものである。
被請求人が主張する正当理由には、被請求人の責めに帰すことができないやむを得ない事情もなく、本件商標を取り消すことが社会通念上被請求人にとって酷であるという理由も全く見出すことはできない。したがって、本件商標を使用していないことについて正当な理由があるとする被請求人の主張は到底容認することはできない。
(2)被請求人が証拠として提出した乙各号証によっても、被請求人の主張は信憑性を欠くものといわざるを得ない。
ア 乙第1号証ないし同第4号証には、いずれも商品名として「ロボテック」が記載されているが、乙第5号証及び同第6号証には「ロボテック」の記載は全くなく、これらに記載されている商品名はいずれも「バトルクロス」である。
イ 商品名として「ロボテック」が記載されている乙第1号証には、株式会社プレックスの社名は記載されているものの、株式会社プレックスによって作成された商品企画書と断定できるものはなく、また、乙第2号証ないし同第4号証は、被請求人の作成に係るものであること、これに対し、発信元が明記されている乙第5号証のファクシミリ及び刊行物として頒布された乙第6号証の「広報資料」には、「ロボテック」とは一切記載されずに「バトルクロス」のみが記載されている事実を総合的に勘案すれば、商品「おもちゃ」の商標として「ロボテック」の語が採用されたことが明らかであるとする被請求人の主張そのものは信憑性を欠くものといわざるを得ない。
ウ 被請求人が商品名として「ロボテック」を採用したとしても、遅くとも平成12年3月14日には、商品名を「ロボテック」から「バトルクロス」に変更したことが明らかである。
すなわち、乙第6号証は、被請求人が株式会社タカラ、株式会社トミー及びロボカップ国際委員会とともに創設した「ロボカップトイズ」に関する広報資料である。この広報には、被請求人らのロボットの試作機の商品名、発売予定日、仕様等が紹介されている。そして、商品名の欄を見る限り株式会社タカラにあっては「試作機仮称」と、また、株式会社トミーにあっては「仮称」と明記されているのに対し、被請求人の場合は「バトルクロス」とはっきり記載され、「仮称」の記載もない。
この乙第6号証の発行者は、被請求人、株式会社タカラ、株式会社トミー及びロボカップ国際委員会名であることは同号証の記載から明らかであり、しかも「この件に関する問合わせ先」として、被請求人にあっては「広報課」と明記されている。
したがって、商品名の欄に「バトルクロス」として当該広報に記載した事実は、少なくともこの広報発行日の平成12年3月14日以前に、被請求人は商品名を「バトルクロス」と変更(特定)したと解釈するのが合理的であるから、正当理由はこの時点で解消したものといわなければならない。
(3)更に、被請求人による乙第1号証ないし乙第4号証における「ロボテック」の表記は、商標法の趣旨からも、また、社会通念上も商標の使用と認めることはできない。
被請求人は、乙第1号証ないし乙第4号証に商品名として「ロボテック」と記載されている旨を主張するが、乙第1号証ないし乙第4号証に記載されているのは「ロボテック」のみではなく「新世紀ロボ」及び「バトルクロス」も併記されている。
これらの各商標はいずれもハウスマークのような代表的出所標識としての商標ではなく、「ロボテック」と同様に商品商標であること明らかである。
このように、1つの商品に複数の商品商標を記載するということは、商品名として採用を決定したということではなく、「ロボテック」は「新世紀ロボ」又は「バトルクロス」とともに商品名の候補の1つにすぎなかったと解釈するのが妥当である。
商標として使用を採択した(使用する意思を有していた)というためには、少なくとも商標の特定は絶対的に必要でなければならない。
もし、それら全てが商標としての使用が認められるのであれば、使用していない登録商標を全て記載することにより、記載されている登録商標は全て不使用による取消審判を逃れられることになってしまう。
かような使用方法は、社会通念上も許されるものではなく、商標法の趣旨にも反する使用方法といわなければならない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第6号証を提出している。
これらの事実及び被請求人の主張からすると、平成12年2月ないし3月ころに「ロボテック 新世紀ロボ バトルクロス」の商品名でロボットおもちゃを商品化するためその仕様等を決め企画されていたものと推測される。
しかして、本件商標を使用した上記ロボットおもちゃの商品化は、商標権者の営業上の都合により開発が進められているものであり、商標権者は、その責めに帰すことのできない事情により本件商標の使用をすることができなかったものということはできない。
その他、被請求人は、本件商標の使用をすることができなかった正当な理由を明らかにしていない。
したがって、被請求人は、本件商標について使用をすることができなかった正当な理由があったものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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