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Trademark Appeal Case

周知商標と類似図形

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17050号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、平成8年5月1日に登録出願され、指定商品については、平成10年9月4日付け手続補正書により第18類「原革,原皮,なめし皮,毛皮,革ひも,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金」と補正されているものである。

2 当審において通知した拒絶の理由

当審において、平成11年9月7日付けで、「本願商標は、構成中に顕著にポロ競技のプレーヤーを表したものと認められる図形を有してなるものであるが、米国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンが紳士服、婦人服、眼鏡等に使用して取引者、需要者間に広く知られているポロ競技のプレーヤーの図形の標章と構成の軌を一にするものであり、本願商標の指定商品は、ファッションに関連する商品であることから、本願商標をその指定商品に使用するときは、上記標章を想起、連想し、需要者が上記デザイナー若しくは同人と組織的・経済的に何らかの関係を有するものの業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものである」旨の拒絶の理由を通知した。

3 請求人の主張

(1)本願商標の主体は、出願人の英文社名である「JASS INTERNATIONAL INC.」である。消費者が、本願商標とラルフ・ローレンの関連商品と誤認するとは思えない。

(2)請求人は、第24類で本願商標と同種商標の登録(登録第4231977号)を得ている。

(3)「POLO」商標は、他人にすでに登録許可が与えられている。特許庁が一法人に権利を与え、一方では否定することは、国民全てに平等であるべき特許行政のあり方に問題があるのではないか。

4 当審の判断

(1)(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。

アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立し、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字と共に「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。

そして、(株)洋品界昭和55年4月発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行「dansen男子専科」を始め、前記「男の一流品大図鑑」、(株)講談社昭和54年5月発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行「MEN’S CLUB1980,12」、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年5月発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。

なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。

以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として、本願の登録出願時までに、既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。

(2)本願商標は、別紙に表示するとおり馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形を円輪郭の中に表し、円輪郭の外側に上部から右回りに「JASS INTERNATIONAL INC.」の文字を書してなるところ、該文字部分は、請求人の英文社名と認められ、文字部分と図形部分とが全体として特定の称呼、観念を有するものとはいい得ないものであり、他に両者を常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情が存するものとはいい得ないものであるから、ポロ競技プレーヤーの図形部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を有するものと判断するのが相当である。

また、本願商標の指定商品中、かばん類、袋物、携帯用化粧道具入れ、かばん金具、がま口口金は、被服、眼鏡製品等と同様に、デザイナーが一般にその業務として取り扱い得るものである。

そうとすると、本願商標をその指定商品に使用した場合には、前記実情から、これに接する需要者、取引者は、その構成中のポロ競技プレーヤーの図形部分に着目して、前記周知になっているラルフ・ローレンに係る引用商標を想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその商品の出所の混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。

なお、請求人は当庁における審査例を挙げて種々主張しているが、その商標が登録されている事実を考慮しても、前記のとおり認定できるものであるから、請求人の主張は採用することができない。

(3)したがって、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この理由により拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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