Trademark Appeal Case
原商標の周知性不足
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17067号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願標章
本願標章は、「DIC」の文字を横書きしてなり、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成又は監査若しくは証明,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」を指定役務とし、登録第2333016号商標(以下「原登録商標」という。)の防護標章登録願として、平成9年2月10日に登録出願されたものである。
そして、原登録商標は、別紙(1)に表示したとおり、「DIC」の文字を横書きしてなり、昭和62年11月13日に登録出願、第3類「印刷インキ、その他本類に属する商品」を指定商品として平成3年9月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願に係る標章は、他人がこれを本願指定役務に使用しても役務の出所について混同を生じさせる程に需要者間に広く認識されているものとは認められない。したがって、本願に係る標章は商標法第64条の要件を具備しない。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
請求人は、本願標章及び原登録商標を構成する「DIC」の文字は請求人(出願人)会社の英文社名表示からとったもので、請求人会社の略称を示すものとして広く知られており、かつ、原登録商標は印刷インキ、顔料、塗料、着色剤製品の分野において使用され周知になっている旨主張し、証拠を提出している。
そこで、原審及び当審において請求人より提出された各証拠をみるに、原審での甲第2号証の1ないし94は、いずれも新聞の報道記事と認められるところ、これらの記事は、請求人の事業活動等に関するものであり、記事中において請求人の商号の次に「DIC」の文字が括弧書きされ、その見出しに「DIC」の文字が用いられているものが殆どであって、「DIC」の文字自体が具体的な商品についての商標として使用されていることを示すものは見出せない。
原審での甲第3及び第4号証は、請求人の事業部総合カタログ及び製品カタログと認められるところ、これらのカタログ中には、「DIC」の文字をデザイン化したと思しき標章(以下「使用商標1」という。その構成については別紙(2)参照。)が、請求人商号の略称と認められる「大日本インキ化学」の文字と共に使用されていることが認められる。しかしながら、使用商標1は、原登録商標とは著しく構成態様を異にしており、これの使用をもって原登録商標の使用とみることはできない。そして、原登録商標と同一と認められる「DIC」の標章(以下「使用商標2」という。)は、同甲第3号証中の数カ所において商品の説明等の記述中に使用されているにすぎない。
原審での甲第5号証の1ないし20及び当審での甲第1号ないし第13号証は、各種新聞での広告であり、原審での甲第6号証の1ないし9は、雑誌類での広告と認められるところ、これらの広告においては、使用商標1及び上記商号の略称の使用が殆どであり、「DIC」の文字が請求人の略称として用いられているとみるべきものが含まれるなど、使用商標2自体が具体的な商品の商標として使用されているといい得るものは少ない。
原審での甲第7号及び第8号証は、請求人の会社概要及び会社案内と認められるが、これらにおいても、使用商標2が具体的な商品の商標として使用されているとはいい難い。
その他、使用商標2が具体的な商品の商標として使用されていると認めるに足る証拠はなく、また、使用商標2が使用された商品の販売実績、広告宣伝の期間、回数等について具体的に示すものはない。
以上の事実を総合勘案すると、原登録商標は、印刷インキ、顔料、塗料、着色剤製品の分野において使用された結果、請求人の業務に係る指定商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているものということはできない。また、他人が本願の指定役務について原登録商標を使用しても、その役務と請求人の業務に係る商品との間に混同を生ずるおそれはないというのが相当である。
したがって、本願標章が商標法第64条の要件を具備しないものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。