結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35194(T2002−35194/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4490179号商標(以下「本件商標」という。)は、「シトラスダイエット」の文字を標準文字として、平成12年8月18日登録出願、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、同13年7月13日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4325972号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CITRA」の欧文字と「シトラ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成10年3月10日登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料(トマトジュースを除く。)」を指定商品として、同11年10月15日に設定登録されたものであり、同じく登録第4325963号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CITRA」の文字を標準文字として、平成10年1月23日登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料(トマトジュースを除く。)」を指定商品として、同11年10月15日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1.商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号該当について 本件商標は、その構成中の「シトラス」の語が飲料を取り扱う業界においては柑橘類という原材料を表示するものとして、また、「ダイエット」の語は低カロリー食品という品質を表示するものとして、普通に使用されている事実がある(甲第4号証ないし甲第7号証、甲第10号証ないし甲第12号証)。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中「柑橘類の果実飲料」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の原材料及び品質を表示した語と認識するに止まるから、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
2.商標法第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「シトラスダイエット」の文字を書してなるから、これより「シトラスダイエット」の称呼が生じる。また、その構成中の「ダイエット」の文字は、低カロリー食品という意味を有する語として広く馴染まれているので、本件商標の指定商品である清涼飲料に関しては、商品の品質を表示する自他商品識別力のない語である。
してみれば、本件商標は、その構成中の「シトラス」の部分が自他商品識別力を有するものであるから、「シトラスダイエット」の称呼のほか、「シトラス」の称呼が生じるものであり、また、外観についても、「シトラス」の部分が、自他商品識別標識として取引者・需要者に強く印象付けられ、記憶されるものである。
これに対して、引用商標1及び引用商標2は、それぞれ前記した構成よりなるものであるから、いずれも「シトラ」の称呼が生ずることは明らかである。
そこで、本件商標より生ずる「シトラス」の称呼と引用各商標より生ずる「シトラ」の称呼を比較すると、両称呼の相違点は、語尾の「ス」の有無のみであり、その「ス」の音は、声帯が振動せずに発せられる無声摩擦音であって、そもそも聴覚上明瞭でなく、この「ス」の音が語尾に位置するため、より一層軽く発音される傾向にある。
そのため、本件商標の語尾の「ス」は前音に吸収されて聴覚されにくいものとなる。また、「シトラス」と「シトラ」の両称呼は、アクセントの位置が「シ」の部分にある点で共通しているものである。
したがって、本件商標は、引用各商標とその称呼において近似し、相紛らわしい類似の商標である。
さらに、外観についても、本件商標を構成する「シトラス」の外観と引用商標1を構成する「シトラ」の外観とは、末尾の「ス」の有無のみであり、末尾の「ス」は英語においては複数形であることを意味するが、日本語において複数形の概念は存在しないため、わが国の需要者は、末尾の「ス」を特に意識しない傾向が強く、この末尾の「ス」の有無が商標の外観として記憶に与える影響は極めて小さいものである。
したがって、本件商標は引用商標1とその外観においても近似し相紛らわしい類似の商標であるといえる。
そして、指定商品については、本件商標と引用各商標の指定商品は、前記したとおりであるから、同一又は類似のものである。
被請求人は、何ら答弁していない。
1.本件商標は、前記したとおり、「シトラスダイエット」の片仮名文字を書してなるものであるところ、甲第4号証ないし甲第6号証及び甲第10号証ないし甲第12号証を総合すれば、「シトラス」は、「カンキツ(柑橘)類」を意味する語であり、また、「ダイエット」は、「体重調節のための低カロリー食品」などを意味する語であると認められれる。さらに、ダイダイなどの柑橘類の果皮から抽出したエキスが体内の脂肪を燃焼しやすくする作用があり、ダイエットの新素材として注目されていること、上記柑橘類の果皮から抽出したエキスを配合したダイエット食品を「シトラスダイエット」と称し、市場に多数出回っていることが認められる。
そして、「シトラスダイエット」が上記した意をもって、健康食品等を取り扱う業界で本件商標の登録査定前から使用されていたことは、例えば、1999年4月10日付け朝日新聞(東京夕刊6頁)、2000年9月18日付け日刊工業新聞(36頁)、2001年6月9日付け毎日新聞(大阪26頁)などからも明らかである。
2.上記した健康食品等の分野における取引の実情、及び国民一般に健康志向が高まっているわが国における今日の社会的実情等を併せ考えると、「シトラスダイエット」の文字を書してなる本件商標をその指定商品中「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「柑橘類の果皮から抽出したエキスを配合し、ダイエットの効果のある商品」の意をもって商品の品質、効能を表したと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「柑橘類の果皮から抽出したエキスを配合し、ダイエットの効果のある清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」に使用するときは、その商品の品質、効能を表示するものというべきであり、また、前記以外の「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
3.むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」については、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。
しかしながら、本件商標は、その指定商品中「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」以外の指定商品については、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ると認められるものであるから、「シトラスダイエット」の一連の称呼をもって商品の取引に資されるものというべきであって、該称呼は、引用各商標より生ずる「シトラ」の称呼とは明らかに聴別し得るものである。その他、本件商標と引用各商標とが類似するとすべき要素は見出せない。したがって、本件商標は、その指定商品中「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース」以外の指定商品については、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。