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Trademark Appeal Case

外観・称呼・観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35312(T2002−35312/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4539097号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成12年11月1日登録出願、同14年1月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の引用する商標

請求人が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすべきものであるとして引用する登録第4045976号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成6年9月9日登録出願、同9年8月22日に設定登録されたものである。

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標はこれを無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。

1.外観について

(1)本件商標は、胚芽の部分が欠落した米を黒色の曲線で表し、その下部に「めし処」、「おはち」及び「米は一番ササニシキ」の文字をそれぞれ横書きで三段に書してなるものである。

そして、本件商標中、米の図形部分と「めし処/おはち/米は一番ササニシキ」の文字部分とは、明らかに分離して看取されるばかりでなく、両者が常に一体のものとして観察しなければならない特段の理由があるものとはいえないものであり、米の図形部分自体独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものである。特に、本件商標の文字部分「めし処/おはち/米は一番ササニシキ」は、その指定役務「飲食物の提供」との関係上、役務の質(「めし処」の文字)、役務の提供の用に供する物(「おはち(お鉢)」の文字)及び標語「米は一番ササニシキ」の単なる組み合わせであるため、米の図形部分が最も看者の注意を惹く部分であることは明らかである。

一方、引用商標は、胚芽の部分が欠落した米を黒地に白抜きで表したものである。

そこで、本件商標の米の図形部分と引用商標とを対比すると、両者は胚芽の部分を欠落させた米の図形を曲線で表してなるという構成の軌を一にし、実体を同じくする図柄を表と裏より表したように看取される、極めて対称的な酷似した図柄である。

したがって、本件商標と引用商標とは、看者に与える印象を同じくするため外観において類似する商標であり、時と所を異にして離隔観察した場合において外観上相紛れるおそれのあるものである。

さらに、引用商標は、取引過程の状況によっては、白色黒色を反転して用いられる場合もあり、その場合に、本件商標と引用商標を対比すると、両者は外観上相紛らわしい商標であることは明らかである。

なお、請求人は、上記主張を正当性を立証すべく、本件と類似の事案である審決例を自己に有利に援用する(甲第3号証ないし甲第14号証)。

(2)被請求人は、引用商標の登録情報(乙第5号証)を挙げ、ここに称呼が記載されていないことをもって、引用商標が登録となった根拠を述べている。

しかしながら、かかる登録情報中の称呼の欄は、あくまで検索の便宜に資すため、一応の称呼を付しているにすぎないものであり、例えば、本件商標が登録となった経緯に関し何らの根拠となるものはない。よって、この点においても被請求人の主張は当を失している。

2.称呼及び観念について

(1)本件商標は、前記のとおり、胚芽の部分が欠落した米を黒色の曲線で表し、その下部に「めし処」、「おはち」及び「米は一番ササニシキ」の文字をそれぞれ横書きで三段に書してなるものである。

一方、引用商標は、胚芽の部分が欠落した米を黒地に白抜きで表したものである。

そして、両者とも米の図形部分が最も看者の注意を惹く部分であることは明らかであるため、取引者、需要者はこれらをいずれも「米(印)」と称呼、観念して取引に当たる場合も決して少なくないものと認められる。

よって、本件商標と引用商標よりは、ともに「米(印)」の称呼、観念を生ずると判断するのが相当である以上、両商標は外観のみならず、称呼、観念上も類似する商標である。

なお、請求人は、上記主張を正当性を立証すべく、本件と類似の事案である審決例を自己に有利に援用する(甲第15号証)。

(2)被請求人は、「本件商標の図形部分と引用商標の図形が、米の図形と認識され、両図形から『米印』の称呼、観念を生ずるとすれば、同図形は指定役務との関係で識別力を欠く」旨主張する。

しかし、引用商標の図形部分(「本件商標の図形部分」の誤記と認める。)が米の図形と認識され、この図形から「米印」の称呼、観念を生ずるとすれば、本件商標の他の構成部分である「ごはん処」、「おはち」、「米は一番ササニシキ」は、その指定役務との関係上、役務の内容表示等であるにすぎないため、本件商標中、指定役務との関係では識別力を有する部分は皆無であると考えられ、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反する登録であり、無効理由を有することになる。その一方、本件商標中の図形部分が識別力を有する場合は、引用商標と明らかに外観上類似する商標であるため、商標法第4条第1項第11号違反の商標であるから、本件商標中の図形部分の識別力の有無如何にかかわらず、本件商標は、無効理由を有する商標である。

3.取引の実情

引用商標は、現在主として全国に377店舗を有する請求人の営業に係る牛どんその他の定食を提供するチェーン店である「すき家」の店舗内、店舗外ののぼり及びすき家チェーンを紹介するパンフレットなどにおいて幅広く現実に使用されているものであり(甲第16号証ないし甲第19号証)、今後もさらに盛大に使用を行う予定である。このような状況の下、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念上類似するものであるため、本件商標が使用された場合、引用商標と出所の混同を生ずるものである。

4.指定役務について

本件商標と引用商標は、いずれも第42類「飲食物の提供」を指定役務としているものであるから、指定役務が抵触することは明白である。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。

1.外観について

(1)請求人は、本件商標の図形部分と引用商標とは、胚芽の部分を欠落させた米の図形を曲線で表してなるという構成の軌を一にし、実態を同じくする図柄を表と裏より表したように看取される、極めて対照的な酷似した図柄である旨主張する。

しかしながら、本件商標の図形部分と引用商標の図形(白抜きの部分)が、米の図形と認識され、請求人主張のように、両図形から「米印」(コメジルシ)の称呼、観念を生ずるとすれば、同図形は両商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において役務の提供に供するもの(米)を表示するものであるから識別性を欠くこととなり、図形のみからなる引用商標は、その登録を認められなかったはずである。

米の図形に識別力がないことは、審決例、併存例からも明らかである(乙第1号証ないし乙第4号証)。すなわち、乙第2号証ないし乙第4号証に示す米の図形を有する商標が引用商標とは非類似の商標と判断され、その登録が認められているのである(乙第4号証は登録査定)。また、本件商標も同様に、乙第2号証及び乙第3号証の商標とは非類似の商標と判断されて、その登録が認めれられたのである。

このことは、特許庁ホームページ「特許電子図書館」内の「商標出願・登録情報」による検索結果打ち出し、特許庁公開データに基づくブランデー書誌情報検索結果の打ち出し(乙第5号証及び乙第6号証)において、引用商標の称呼が何も記載されておらず、特定の称呼を生じない図形商標と認定されていること、また、指定役務が米の図形に照応するように、例えば「米飯を主とする飲食物の提供」のような限定がなされていないこと等からも推測することができる。

(2)本件商標と引用商標の外観を対比した場合、本件商標は、文字と図形がバランス良く配置されており、図形部分のみが観者の視覚に顕著に映ずるものではない。しかも、本件商標中の図形部分は、右肩部が一部凹入した縦長楕円形を毛筆で一筆書きに描いたものであるから、線の太さも不均一であり、また、楕円形状も幾何学的にみて正確なものではない。

これに対し、引用商標は、楕円形模様に白抜きされた黒色の正方形が本来の商標である。また、仮に楕円形白抜き模様部分を抽出してみても、同模様は右斜めに傾いて描かれており、線の太さは均一で、かつ、幾何学的にみても左肩部の凹入部を除き正確な楕円形状を呈している。

したがって、本件商標の図形部分と引用商標の白抜き模様部分を抽出して対比しても、両者は請求人の主張するように構成の軌を一にし、同じ図柄を表と裏より表したような対照的な酷似した図柄とは到底いえないものである。

この点において本件は、請求人の挙げた審決例(甲第3号証ないし甲第14号証)等とは全く事例を異にするものである。すなわち、甲第3号証は、対照的で酷似しているモノグラムに関する審決例であり、甲第4号証ないし甲第10号証及び甲第13号証ないし甲第15号証は、白黒を反転すればほとんど同一なもの、あるいは極めて酷似した図形等に関する審決例であり、さらに甲第11号証及び甲第12号証は、一方の商標が著名商標である点が類否判断上考慮されているものである。

したがって、いずれも本件とは同日に論じられる事例ではない。

(3)請求人は、本件商標の図形部分を抽出し、また、引用商標については白色黒色を反転させ、さらに角度等を変更した上で対比して、両者は外観構成上相紛らわしい旨主張する。

請求人は、引用商標について、右斜めに傾いた白抜きの楕円形模様部分を抽出してこれを黒色に変え、かつ、斜めの楕円形模様を垂直に立たせ、さらに、これを水平方向に180度回転(裏返し)させ、大幅に変更した図形をもって、本件商標と対比している。

しかしながら、このように変更を施された商標は、もはや変更前の引用商標と同一の商標とは認められないから、これをもって本件商標と対比するのは全く意味がない。

また、変更後の引用商標は、極めて単純で、ありふれた態様の「米の図形」と直感されるものであるから、明らかに識別力を有し得ない商標であり、このような商標が「飲食物の提供」を指定役務として登録が認められるはずはない。

前記したように、引用商標の登録が認められたのは、楕円形模様に白抜きされた黒色正方形の図形全体の特異な表現により識別性を認められたからにほかならないのである。

よって、本件商標と引用商標とは外観上明らかに非類似のものである。

2.称呼及び観念について

(1)上記1.で述べたとおり、本件商標の図形部分は、一筆書きの縦長楕円形の特殊図形よりなるもので、この図形部分から通常「米印」(コメジルシ)の称呼、観念を生じないことは、甲第1号証をみても明らかであり、引用商標からも、「米印」(コメジルシ)の称呼、観念を生じないものである。

両商標から「米印」(コメジルシ)の称呼、観念を生じるとして、彼此を対比することは、識別力のないもの同士をもって類否を判断することとなる。

上記に関して、隔月刊誌「暮しの手帖100」(乙第16号証)の27頁には、左上に米の図形とその図形中に「TWR」の欧文字を横書きしたものとの組み合わせよりなる標章が掲載されているところ、該標章は、大手精米機メーカーの「サタケ」がタピオ力式無洗米に使用しているものある。「米」の包装(同書30頁及び31頁)には、様々な米の図形が使用されており、ここから米の図形のみでは識別力を発揮し得ないことが明らかである。

同書33頁中左上部には凝人化された米の図形とその内部に「愛を米」の文字を配してなるマーク、及び楕円形の輪郭内に米の図形と「無洗米品質基準確認認定工場No.」の文字を配してなるマークが掲載されている。前者は、全国無洗米協会が、後者は、(社)日本精米工業会が使用しているものであり、これらはそれぞれの団体が無洗米の基準をクリアしている商品であることを保証する確認マークである。これらに示されるように、米の図形は、商品「米」については慣用されているものと認められるが、「米」は、本件商標及び引用商標の指定役務である「飲食物の提供」との関係において、役務の提供に供するものに該当するので、当該役務との関係においても識別力を有し得ないことが明らかである。

(2)本件商標は、図形と文字部分との組み合わせからなる商標であり、「おはち」の文字部分に照応した「オハチ」の称呼をもって現実に取り引きされているのである。

してみれば、「オハチ」の称呼が生じ得ない引用商標と彼此混同が生じるおそれが皆無であることは論を俟たないところである。

よって、両商標は、称呼、観念上も類似するものではない。

3.取引の実情

(1)請求人は、牛どんその他の定食を提供するチェーン店の「すき家」の店舗内外、及びパンフレット等で引用商標が幅広く使用されているとして、甲第16号証ないし甲第19号証を提出している(但し、甲第16号証及び甲第19号証中には引用商標は表示されていない。)。

しかしながら、当方の調査によれば、「すき家」のチェーン店において引用商標が使用されていない店もあり、同商標が幅広く使用されている事実は確認できなかった。しかも、甲第17号証及び甲第18号証に示すような使用例は、果たして引用商標の使用と認められるか疑問がある。また、その使用態様を見ても統一されておらず、需要者がこれらの使用例から、これを識別標識としての商標と理解するか否かも疑問無しとはいえない。

(2)本件商標は、図形のみによって構成されているものではなく、毛筆で「おはち」の文字を顕著に大書し、同文字の右肩に「めし処」、下部に「米は一番ササニシキ」の文字を小さく書してなるものである。本件商標は、現実の取引上「おはち」と呼ばれており(乙第7号証ないし乙第15号証)、「米印」(コメジルシ)とは呼ばれていない。したがって、引用商標が仮に、「米印」(コメジルシ)と呼ばれることがあっても、本件商標とは称呼、観念上類似することはない。

そして、両商標を全体として対比した場合、彼此の相違は一見して明白なところであり、需要者が両商標(例えば、看板)を見間違えて、誤って入店するといったことは到底考えられないことである。

4.したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

第5 当審の判断

1.本件商標について

(1)本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字とを結合してなるものであるところ、その構成中の図形部分は、右肩部に凹みをもつ縦長楕円状輪郭を毛筆で一筆書きしたと認められるものである。また、該図形の下部に書された文字部分は、「おはち」の平仮名文字を、図形部分と同じ大きさか、あるいはそれよりやや大きく書してなり、該「おはち」の文字部分中の「ち」の上部に「めし処」の文字を小さく書し、さらに、「おはち」の文字部分の下部に、該「おはち」の文字部分中の「お」の右部から「ち」の左部の間に収まるように、「米は一番ササニシキ」の文字を小さく書してなるものであって、いずれの文字も毛筆書きと認められる。

(2)本件商標の文字部分中の「めし処」の文字部分は、「食事ができる店」なる意をもって本件商標の指定役務である「飲食物の提供」たる業種を、また、「米は一番ササニシキ」の文字部分は、「めし処」の文字部分との関係から、「提供される食事の主食となる米が、米の一品種である『ササニシキ』を使用している」なる意味合いを表したと理解され、両文字は、業種、役務の質(内容)を表示するものとして、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分であるといえる。

これに対し、本件商標中の「おはち」の文字部分は、「飯びつ」に通ずる「御鉢」を表したと理解される場合があるとしても、平仮名文字よりなる「おはち」の文字部分は、「飲食物の提供」の質等を直接的、かつ、具体的に表示するものとはいい難く、また、商標中顕著に書されていること、該「おはち」の文字部分の上下に、小さな文字で「めし処」、「米は一番ササニシキ」の各文字が配されていることからすると、店舗名を表したと理解される場合が多いとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成中の文字部分において、自他役務の識別標識としての機能を果たし得る部分は、「おはち」の文字部分であるというべきである。

(3)一方、本件商標中の図形部分は、前記認定のとおり、右肩部に凹みをもつ縦長楕円状輪郭を毛筆で一筆書きしたものと認められ、本件商標中の「めし処」、「米は一番ササニシキ」の各文字部分との関係からみれば、米粒、あるいは飯粒を表したものと理解されるとみるのが相当である。

ところで、本件商標の指定役務である「飲食物の提供」の分野においては、例えば、ステーキやしゃぶしゃぶ等牛肉の料理を売物とする店舗にあっては、牛の図柄を、うなぎの料理を売物とする店舗にあっては、うなぎの図柄を看板やメニュー等に表示するように、当該店舗が提供する飲食物の特徴となるものの図柄を商標中に取り入れて表示する場合が多いといえるところ、本件商標中の図形部分は、特に、「米は一番ササニシキ」の文字部分との関係から、前記したように、「提供される食事の主食となる米が、米の一品種である『ササニシキ』を使用している」なる意味合いをもって、提供に係る飲食物の特徴を表示したものと理解されるものであって、それ自体の自他役務の識別標識としての機能は極めて弱いというのが相当である。

したがって、本件商標中の図形部分は、これより特定の称呼、観念が生ずるほどには強い識別機能を有するものではないといわなければならない。

(4)以上によれば、本件商標において、自他役務の識別標識としての機能を最も強く発揮する部分は、「おはち」の文字部分にあるというべきである。 そうすると、本件商標は、その構成中の「おはち」の文字部分に相応して「オハチ」の称呼を生ずるものであって、「おはち」なる店舗名称を観念させるものということができる。

2.引用商標について

引用商標は、別掲(2)のとおり、四隅を丸くした黒塗り正方形内に、白抜きの楕円状輪郭を描いてなるものであるところ、その構成中の白抜き楕円状輪郭部分のみを分離して観察しなければならない格別の理由は見出せないものであり、構成全体として、特定の称呼、観念を生じない幾何図形の一種を表したと理解されるというが相当である。

したがって、引用商標は、これより特定の称呼、観念は生じないものといわなければならない。

3.本件商標と引用商標との対比

(1)外観について

本件商標は、前記したとおり、文字と図形とを結合した商標である。そして、本件商標の図形部分は、文字部分と観念上密接な関係を有するものであって、それ自体自他役務の識別機能は極めて弱いものといえるから、独立して把握、認識されることなく、本件商標は、これを構成する全体が一体不可分の商標を表したと認識されるというのが相当である。

これに対して、引用商標は、前記2.で認定したように、四隅を丸くした黒塗り正方形内に、白抜きの楕円状輪郭を描いてなる図形よりなるものである。

してみると、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成からみて、外観上明らかに区別し得る差異を有するものである。

(2)称呼、観念について

本件商標は、前記1.のとおり、その構成中の「おはち」の文字部分に相応して「オハチ」の称呼を生ずるものであって、「おはち」なる店舗名称を観念させるものであるのに対し、引用商標は、前記2.のとおり、特定の称呼、観念は生じないものであるから、両商標は、称呼、観念において比較することはできない。

(3)以上のとおり、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわなければならない。

4.請求人の主張

請求人は、審決例を挙げ、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似する商標である旨主張するが、本件商標中の図形部分がその指定役務との関係において、自他役務の識別機能を果たし得ないものである以上、請求人の挙げた審決例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の上記主張は採用することができない。

なお、請求人は、引用商標が取引の実際において使用されているとして、甲第16号証ないし甲第19号証を提出するが、これらの証拠に表示された標章は、引用商標とその態様を大きく異にするものであり、引用商標の使用であるとは認め難いものである。

5.むすび

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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