結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30468(T2001−30468/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3251861号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成5年10月4日に登録出願、第29類「食肉、食用魚介類(生きているものを除く。)、肉製品、加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)、加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
(1)請求の趣旨
請求人は、「本件商標の指定商品中『加工野菜及び加工果実』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、甲第1号証ないし甲第2号証を提出した。
(2)請求の理由
請求人が調査したところによると、本件商標はその指定商品である、第29類「加工野菜及び加工果実」について、本件商標の商標権者である株式会社最上によって継続して3年以上日本国内において使用されておらず、現在も使用されている事実は見出せない。加えて、商標登録原簿上において、通常使用権及び専用使用権の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。
(3)平成13年7月11日付け答弁に対する弁駁
被請求人は、サービス業の一つとしての「飲食物の提供」の範疇に包含される「串揚げ専門店」に係る役務(サービス)を主たる業務としているもので、被請求人が使用していると主張する業務用の「串揚げ用調理済み野菜、ピクルス(大根)」及びお土産用の「串揚げ用調理済み野菜」は、何れも「飲食物の提供」の範疇に包含される「串揚げ専門店」に係る業務に属する役務(サービス)に属し、または付随するものである。そのことは、乙第1号証及び乙第2号証の1において如実に表されている。また、他の証拠についても、本件商標の付されている状況が不明なものや、本件審判の請求の登録前3年以内であることが客観的に立証されない証拠及び本件審判の請求の登録後に作成されたと見られる証拠もある。さらに、市場を転々流通する商品である食品に義務付けられている食品衛生法に基づく表示のない商品も見られる。そうとすれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内にその指定商品中の「加工野菜」について使用されているとは言い難いところである。
(4)平成14年2月27日付け答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、審判事件答弁書において、被請求人の各店舗で、「串揚げ専門店」を営業しつつ、業務用の「串揚げ用調理済み野菜、ピクルス(大根)」及びお土産用「串揚げ用調理済み野菜」を販売していると主張し、その証拠として乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているが、乙第1号証は、店内において串揚げ料理を客に提供する串揚げ専門店についてのウェブサイトの印刷物であるが、ここに掲載されているのは、あくまでも店内において提供された串揚げ料理を客が店内で食する飲食物の提供という役務(サービス)についてのものであるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(イ)乙第2号証の1は、串揚げ用の材料に串を打ち、衣をまぶしたものをトレー上に並べた状態の写真であるが、これは店内で供される串揚げ料理の準備した状態を表すにすぎず、市場において取り引きされる商標法上の商品とはいえないものであるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(ウ)乙第2号証の2は、透明な包装容器(袋)の中に何かが入れられているのは認められるとしても、その内容物が確認できず、かつ本件商標が付されていないものであるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(エ)乙第3号証の1、乙第3号証の2、乙第3号証の3は、被請求人の発行した納品書であるが、これらの納品書に記載されている商品名は、その殆どが野菜の名を記載したもので、加工野菜を記載しているとはいえないものであり、かつ、この納品書には、本件商標が付されていないから、これらをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(オ)乙第4号証は、包装紙であるが、使用の状況が不明であるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(カ)乙第5号証は、ラベルであるが、使用の状況が不明であるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(キ)乙第6号証は、ラベルを貼った包装紙の中に何かが包装されているのは認められるとしても、その内容物が確認できないものであるから、これをもっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(ク)被請求人は、平成13年12月27日付け上申書において、被請求人は、「串揚げ専門店」を営業しつつ、業務用の「串揚げ用調理済み野菜、ピクルス(大根)」及びお土産用「串揚げ用調理済み野菜」を販売していると主張し、その証拠として乙第7号証、乙第8号証の1ないし乙第8号証の4を提出しているところ、乙第7号証は、被請求人の発行した請求書(控)であるが、これらの請求書(控)右上の被請求人の商号及び住所の左側に表示された本件商標と同様の表示は、乙第1号証において明らかなように、被請求人の業務に係る串揚げ専門店の暖簾記号すなわち飲食物を提供する役務(サービス)を表示するものであって、市場を転々流通する商品の自他識別標識とは認識されないものである。そうとすれば、請求書(控)に表示された本件商標と同様の表示は、役務についての出所標識(自他識別標識)であって、商品についての出所標識(自他識別標識)とはいえない。そして、請求書(控)に記載されている商品名は、その殆どが野菜の名を記載したもので、加工野菜を記載しているとはいえないものであるから、加工野菜について登録商標を使用しているとはいえない。また、請求書(控)に記載されている商品名の内「ピクルス」は、一般的にはキュウリの漬け物が市場に多く出回っているものであるが、「ピクルス」とは、酢漬け又は塩水漬けなどにした野菜、肉類、果実のことをいうものであるから、「ピクルス」の表示のみをもってしては、加工野菜を表示するものとはいえない。したがって、乙第7号証によっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
(ケ)乙第8号証の1、乙第8号証の2に表示された商品は、写真によってはその内容が不明なものであるが、仮に被請求人のいうように大根のピクルスであるとしても、その包装形態を見れば、被請求人の店内で供しているものを、客の要望により小分けしている程度のもので、飲食物の提供というサービスに付随する商品というべきものであり、しかも食品衛生法で義務づけられている、製造年月日、製造者、原材料等の表示も無いことからすれば、市場を転々流通する商標法上の商品とは到底いえないものである。また、乙第8号証の1ないし乙第8号証の4は、撮影年月日が不明であることから、本件審判の請求の登録前3年以内の使用に係る証拠とはいえないものである。したがって、乙第8号証の1ないし乙第8号証の4によっては、本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用しているとはいえない。
(コ)以上述べたとおり、被請求人が答弁書及び上申書で種々述べ、その証拠として乙第1号証ないし乙第8号証を提出しているが、本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標をその指定商品中の「加工野菜」について使用しているとはいえない。
被請求人は結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用
被請求人は、昭和46年以来「串揚げ専門店」の経営を行い、現在、下記3軒の店舗を有している。
大阪心斎橋店 大阪市中央区心斎橋筋2丁目2番10号新日本三ツ寺ビル 大阪北新地店 大阪市北区曽根崎新地1丁目10番16号永楽ビル
東京赤坂店 東京都港区赤坂7丁目6番47号赤坂ニュープラザ
そして、各店舗において「串揚げ専門店」をして営業しつつ、(a)業務用「串揚げ用調理済み野菜、ピクルス(大根)」(本件商標指定商品「加工野菜」)の販売、(b)お土産用「串揚げ用調理済み野菜」の販売を夫々実施している。
この「串揚げ用調理済み野菜」は、野菜(季節により、若干の変化はあるが、主として、じやがいも、長芋、しいたけ、オクラ、花ニラ、玉ネギ、れんこん、さつまいも、キヌサヤ(えんどう)、マッシュルーム、小ナス、松茸等)を、「串揚げ用」に加工してなる商品で、本件指定商品「加工野菜」に該当する。また、「ピクルス(大根)」も、「加工野菜(野菜の漬物)」に該当する。以下、「串揚げ用調理済み野菜」「ピクルス(大根)」の販売実績を証する第三者に対しての「納品書(控)」を提出する。
そして、これら「串揚げ用調理済み野菜」「ピクルス(大根)」の販売に際して、本件商標を付した「包装紙」と「ラベル」を使って包装している。
また、各店舗での、客の要望に応えてお土産用「串揚げ用調理済み野菜」の販売に際しても、乙第6号証同様の包装状態にて販売している。この様に、被請求人は、本件商標が付された包装紙やラベルで包装された「串揚げ用調理済み野菜」「ピクルス(大根)」を販売している。したがって、本件商標の「加工野菜」についての使用である。
以上の通り、本件商標は被請求人によって本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求人の取消請求に係る商品について使用されていたものであるから、本件商標は商標法第50条の規定に該当せず、取消されるべきものではない。
(2)上申書
平成13年7月11日付審判事件答弁書にて,被請求人は本件商標を商品「加工野菜及び加工果実」について使用していることを証明し、本件商標は取り消されるべきものではないことを主張した。被請求人は上記事実に加え、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを以下の証拠物件によって証明する。
本年(平成13年)上半期においても継続して当該商品に対して本件商標を使用している事実を納品書(控)において証明する。
[乙第7号証 おかもと(青果店) 大阪市中央区日本橋1−8−7 ウイステリア日本橋IFに対する「納品書(控)」(平成13年1月29日〜平成13年7月27日)]なお、この商品に関する取引書類たる「納品書」には、本件商標と同一の商標が印刷され、取引に係る商品の品名と取引の年月日が明示されている。取引日は本件審判の請求の予告登録日である平成13年5月14日より前のものが含まれ、「品名」欄に記載された商品名は、串揚げ用野菜の品目を明記している。
また、上記商品ピクルス(大根)の納品時には、乙第2号証の2に示したビニルパウチされた商品を乙第6号証のように本件商標が付された包装紙で包装するもので、商品の包装に本件商標が使用されている。
この使用状態について補足すると、ピクルス(大根)の袋詰め商品は、商品を本件商標が印刷された包装紙で包装し、本件商標が印刷されたシールで封緘して、持ち帰り用商品として店頭で販売しているものである。
このように、被請求人は、本件商標が付された包装紙やラベルで包装された「串揚げ用調理済み野菜」「ピクルス(大根)」を販売しているものであるから、本件商標の「加工野菜」についての使用である。
以上の通り、本件商標は被請求人によって本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、請求人の取消請求に係る商品について使用されていたものであるから、商標法第50条の規定に該当せず、取消されるべきものではない。
(1)乙第1号証ないし乙第3号証及び乙第7号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証は被請求人のウェブサイトのコピーであり、被請求人は、主として串揚げを提供する飲食店を経営している。
(イ)乙第2号証は、串揚げ用調理済み野菜の写真である。
(ウ)乙第3号証(枝番号を含む。)は、請求人が取引業者に宛てた「請求書(控)」であるところ、「日付」の欄には、本件審判請求登録前3年以内である「平成12年3月12日」から「平成13年7月27日」までの日付、「品名」の欄には、「れんこん」、「玉ねぎ」、「じゃがいも」、「小なす」、「キヌサヤ」、「長いも」、「ピクルス(大根)」及び「ピクルス(セロリ)」の記載がなされている。
ところで、請求人は、「乙第3号証(枝番号を含む。)の納品書に記載されている商品名は、その殆どが、野菜の名を記載したもので、加工野菜を記載したものとはいえない。」旨主張している。
しかしながら、乙第1号証によれば、被請求人の経営する飲食店のメニューにおいては、「れんこんの串かつ」、「玉ねぎの串かつ」、「じゃがいもの串かつ」、「小なすの串かつ」、「キヌサヤの串かつ」及び「長いもの串かつ」は、それぞれ、「れんこん」、「玉ねぎ」、「じゃがいも」、「小なす」、「キヌサヤ」及び「長いも」と野菜の名で記載されていることが認められる。
そうとすれば、「串揚げ用調理済み野菜」を販売した被請求人が、納品書に「れんこん」、「玉ねぎ」、「じゃがいも」、「小なす」、「キヌサヤ」、「長いも」等、野菜の名を記載したとしても不自然とはいえないので、請求人の主張を採用することはできない。
(エ)乙第7号証は、請求人が取引業者に宛てた「請求書(控)」であるところ、「日付」の欄には、本件審判請求登録前3年以内のものを含む「平成13年1月29日」から「平成13年7月27日」までの日付、「品名」の欄には、「れんこん」、「玉ねぎ」、「じゃがいも」、「小なす」、「キヌサヤ」、「長いも」及び「ピクルス」の記載がなされ、中央部には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されている。
(2)(1)の事実を総合判断すれば、被請求人は、本件審判の請求登録(登録日平成13年4月23日)前3年以内に、日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件指定商品中の「加工野菜」(「串揚げ用調理済み野菜」、「ピクルス(大根)」、「ピクルス(セロリ)」)について使用(商標法第2条第3項第8号所定の「商品関する取引書類に標章を附して頒布する行為」)していたと推認し得るところである。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「加工野菜及び加工果実」について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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