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Trademark Appeal Case

MONSIEURの識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−13702(T2002−13702/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成11年8月18日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、平成12年7月12日付けの手続補正書により「被服,ベルト,履物」と補正され、更に、分割出願並びに平成14年9月18日付けの手続補正書により、最終的に「男性用履物」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定は、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、次の(1)ないし(3)に示す登録商標(以下「引用各商標」という。)を引用した。

<引用商標>

(1) 登録第1624898号商標(以下「引用A商標」という。)

引用A商標は、「ムッシュ」及び「MONSIEUR」の各文字を上下二段に横書きしてなり、昭和47年4月24日に登録出願され、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同58年10月27日に商標権の設定登録がされたものである。そして、平成6年2月24日に商標権の存続期間更新登録がされているものである。

(2) 登録第2614886号商標(以下「引用B商標」という。)

引用B商標は、「MONSIEUR」の文字を横書きしてなり、平成3年8月10日に登録出願され、第22類「はき物(運動用特殊靴を除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品として、同6年1月31日に商標権の設定登録がされたものである。

(3) 登録第4029875号商標(以下「引用C商標」という。)

引用C商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年7月24日に登録出願され、第25類「履物」を指定商品として、同9年7月18日に商標権の設定登録がされたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、別掲のとおり、アルファベット「H」と「M」とを組み合わせたモノグラム図形と、その下段に「MONSIEUR」の文字を配した構成よりなるところ、構成上段の図形と同下段の欧文字とは、視覚上自ずと分離して看取されるばかりでなく、観念上においてこれらを常に一体のものとして把握しなければならないような特段の事情は存しないから、両構成部分はそれぞれが独立して商品の出所を識別する標識として機能し得るものというべきである。

(2)この点を請求人は、大旨、本願商標のかかる構成にあっては、モノグラム図形が上段に大きく表示されており、その要部は図形にあるとし、更に該欧文字はフランス語の「MONSIEUR」を表し、男性の敬称や男の人、紳士等の意味を有する言葉「ムッシュー」又は「ムッシュ」として日本でも広く知られていて、特に本願商標の指定商品である「履物」の分野においては「男性」を意味するものと認識され、該モノグラム図形ブランドの「男性用」を表示するものとして認識されるのが一般的と思われ、 本願商標の「MONSIEUR」の文字部分は「識別性がないか、あっても極めて識別性の弱い言葉」であるから、その称呼である「ムッシュ」を共通することをもって、両商標が類似するとすべきではなく、本願商標と引用各商標とは非類似であると考える。なお、本願商標の構成部分である該モノグラム図形は世界的に著名なデザイナーであり文化勲章も授与された森英恵氏のブランドの略称として古くから使用されてきた標章であり、また各種ファッション商品においていろいろな企業にライセンスを与えており日本のみならず世界的にも著名な商標となっていると主張している。

(3)しかしながら、本願商標のかかる構成にあって、該モノグラム図形と「MONSIEUR」の欧文字部分は、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得ること上記(1)の認定のとおりであって、「MONSIEUR」の欧文字が「男性に対する敬称」等の意を有する仏語であり、我が国において一般に親しまれたものといえるとしても、本願指定商品(履物)との関係においては、該欧文字が、男性用履物の品質、用途等を具体的に表示するものとして使用されているとの点は不明というほかなく、かつ、請求人はその事実を明らかにするところもない。そして、本願商標のかかる構成にあっての「MONSIEUR」の欧文字部分は、一般に用いられるような、人名等に付され、敬意を表わすにすぎないといえるものでもないから、これを「識別性がないか、あっても極めて識別性の弱い言葉」であるということはできない。

また、本願商標の該モノグラム図形が世界的なデザイナーである森英恵のデザインにかかる商品であることを表わす著名ブランドであって、請求人が述べるように、各種ファッション商品においていろいろな企業にライセンスを与えられたとの点をも考慮すると、本願商標に接する需要者は、該モノグラム図形部分については、当該商品が森英恵のデザインにかかる商品であることを表示したものと認識するとみるのが相当であるから、「MONSIEUR」の欧文字を独立した個別商品毎の出所を表示する標識として機能する部分と把握、理解し、これを捉えて取引に資することも決して少なくないものといわなければならない。

そうすると、本願商標は、構成中の「MONSIEUR」の欧文字に相応して「ムッシュー」又は「ムッシュ」の称呼を生ずるほか、「男性に対する敬称」の観念を生ずるものといわなければならない。

(4)これに対し、引用A商標は、「ムッシュー」「MONSIEUR」の文字からなるものであり、引用B商標は、「MONSIEUR」の文字のみからなるものであるから、その構成各文字に相応して「ムッシュー」又は「ムッシュ」の称呼、「男性に対する敬称。」の観念を生ずるものである。

また、引用C商標は、別掲のとおり「M」の文字の左縦線部分と右側の斜線部分並びにその横のピリオード部分「.」に網掛けを施した図形の下段に「MONSIEUR」の文字が明確に描かれているものであるが、図形部分と文字部分とが一体となって特定の観念を生じるものとは認められないばかりでなく、他に両者を常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の理由を見出すことができないから、図形部分と文字部分とがそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。

そうすると、その構成文字である「MONSIEUR」の文字に相応して「ムッシュー」又は「ムッシュ」の称呼、「男性に対する敬称。」という観念を生ずるものである

(5)してみると、本願商標と引用各商標は、全体の外観上における差異を考慮してもなお、称呼・観念を同一にする類似の商標といわなければならない。

そして、本願商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するといわなければならないから、これを理由に本願を拒絶した原査定を取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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