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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第10号「称呼類似と周知商標の適用」の商標審決・判断理由(審判番号:平成10年審判第18539号|請求不成立)

審判番号
平成10年審判第18539号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「Victoria」
争点(論点)
称呼類似と周知商標の適用
適用条文
第4条第1項第10号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判平成10年審判第18539号・不服)は、本件商標と引用商標「Victoria」について、商標法第4条第1項第10号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼類似と周知商標の適用」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別紙の構成よりなり、平成7年2月15日に登録出願され、第28類「スキムボード,サーフボード,水上スキー,その他の運動具」を指定商品として、平成8年12月25日に出願公告されたところ、商標登録異議申立があり、拒絶の査定がされたものであり、指定商品については、平成11年6月29日付手続補正書により、第28類「スキムボード」に補正されているものである。

2 原査定の理由

商標登録異議申立の結果、本願商標は、東京都新宿区在のヴィクトリア株式会社が自己の各種運動用具の小売業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く知れ渡っている「Victoria」「ヴィクトリア」の文字(以下、「引用商標」という。)と類似する商標であり、商品においても類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する、として拒絶したものである。

3 請求人の主張

(1)本願商標を付したスキムボードの販売数量は、過去3年間毎年約1000台以上も出荷する状況となっており、これはスキムボードの全国シェアの3分の1程度を占める規模である。スキムボードの業界では、その取扱量がゴルフ、スキーに比べて格段に少ないため、スポーツ用品の量販店が積極的に参入することはなく、このため、スキムボードを輸入及び製造、販売している会社は、審判請求人を含む数社に限られている状況にある。してみれば、本願商標は、商品「スキムボード」においてもはや周知、著名の域に達している。

(2)登録異議申立における申立人提出の証書によれば、申立人が自社商標として、「スキムボード」を製造、販売しているとは考えられないため、引用商標が運動具の種類に関係なく、その全ての商品について周知であることはあり得ず、少なくとも「スキムボード」について周知でないことは明らかである。

(3)商標法第4条第1項第10号は、一定の信用を蓄積した未登録有名商標の既得権を保護しようとする他、商品又は役務の出所の混同を防止しようとする点にその立法趣旨をおくものである。本願商標が、取扱者や需要者の間で周知・著名であるのに対し、引用商標がスキムボードについて周知でない以上、取引者及び需要者が本願商標を付したスキムボードを申立人に係る商品と誤認混同するはずがないと思料する。また、実際に信用が蓄積された本願商標が何ら保護に値する信用が蓄積されていない引用商標によってその登録を阻まれるのは立法趣旨に逸脱するものである。

4 当審の判断

(1)本願商標は、前記の構成のとおり、「victoria」の文字を筆記体で書し、その下に「ビクトリア」の片仮名を書してなるものであり、引用商標は、「Victoria」の文字からなる商標と「ヴィクトリア」の文字からなる商標である。

してみれば、本願商標と引用商標は、「ビクトリア」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。

(2)引用商標の周知・著名性について

商標登録異議申立における甲各号証を総合勘案すると、ビクトリア株式会社は、スキー、ゴルフをはじめテニス、ウインドサーフィン、キャンプ用具など各種運動用具の販売の業務を行っている企業であり、1972年創業以来「ヴィクトリア」或いは「Victoria」の文字を店名に使用し、次々と店舗のネットワークを拡大し、その店舗は全国に及ぶものであり、その間各種新聞、テレビ、看板等の媒体を通じて自己の取扱いに係る商品とともに盛んに宣伝、広告に努めた結果、少なくとも、本願商標出願時には、運動用具を取り扱う取引者、需要者の間では、「VICTORIA」「ヴィクトリア」は、ヴィクトリア株式会社の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていると認め得るものである。

(3)本願商標の指定商品である「スキムボード」は、「ボードの形はサーフボードに似るが、長さは1.4mと小さめ。波打ち際の引き波に乗り、その上を滑って楽しむ」(現代用語の基礎知識1999)マリンスポーツに使用する用具であり、運動用具の一種と認められる。また、例えば、兵庫県姫路市在の「ハローズ・アウトドア店」のホームページに「夏はスキムボード、冬はスノーボードを中心にスポーツ系ブランドを取り扱っています。」の記述がみられ、石川県金沢市在のムラサキスポーツ金沢店がスキムボード及びスノーボードを扱っていることが認められる。

そうとすると、スキムボードは、スポーツに用いられる用具であるというだけでなく、他の運動用具と販売場所を共通にするものであり、ヴィクトリア株式会社の取扱いに係る他の運動用具と類似する商品と認められるから、本願商標は、引用商標と類似する商品に使用するものである。

(4)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。

なお、請求人は、引用商標が、スキー若しくはゴルフ用品に周知であるとしても、本願商標もスキムボードについて周知著名であり、このような場合は、学説に照らし、先願である本願商標は登録されるべきである旨主張するが、周知商標使用者が複数存在するときは、出願時を基準としていずれも登録されない(青林書院「注解 商標法」173頁)から、仮に本願商標がスキムボードに使用し周知著名であるとしても、その主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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