Trademark Appeal Case
「ちゃん」の要部抽出と称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−23603(T2001−23603/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本願商標
本願商標は、「涼かちゃん」の文字を標準文字で表してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成12年7月21日に登録出願されたものである。
2.引用商標
本願商標の拒絶の理由に引用した登録第1552855号商標(以下「引用商標1」という。)は、「凉香」の漢字を横書きしてなり、昭和53年12月7日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同57年11月26日に設定登録され、その後、平成5年2月25日及び同14年6月4日の2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
同じく登録第2236065号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和62年5月23日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録され、その後、同12年2月8日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
3.当審の判断
本願商標は、「涼かちゃん」の文字を書してなるものであるところ、「涼か」の文字と、人名または人を表す名詞に付けて、親しみを表す呼び方の接尾語として用いられる「ちゃん」の文字とよりなるものであると容易に理解できるものである。
そして、「涼か」の文字部分は「スズカ」と称呼されるところ、「スズカ」と称呼される女子の名前が多数存在し、「涼」の漢字を含む名前も「涼花」「涼香」「涼華」「涼加」などがあること及び該文字部分の後ろに「ちゃん」の文字が続くことから、該文字部分は女子の名前を表したものと把握、認識されるというべきものである。
そうすると、本願商標は、その構成中後半の「ちゃん」の文字部分が、前半の「涼か」という名前に親しみをあらわすために付加したにすぎないものと認識されて、格別印象に残る部分とはいえず、また、構成全体として特定の観念をもって親しまれた一体不可分の熟語等を表すものともいえないから、これに接する取引者・需要者は、該「ちゃん」の文字部分を省略し、前半の「涼か」の文字部分を自他商品の識別標識として捉らえ、これより生ずる称呼、観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、全体として「スズカチャン」の称呼を生ずるほか、前半の「涼か」の文字部分に相応して、「スズカ」の称呼が生ずるものである。
他方、引用商標1は、「凉香」の文字を書してなるから、これより、「スズカ」の称呼をも生ずるものであって、本願商標と同様に女子の名前を表したものと把握、認識される場合も決して少なくないものである。
また、引用商標2は、別掲のとおり、鈴と花を図案化した図形と「鈴花」の文字とよりなるところ、該文字部分に相応して「スズカ」の称呼をも生ずるものである。そして、請求人主張のようにその図形及び構成文字の持つ意味合いから「鈴と花」という意味合いが想起されることを否定するものではないが、「スズカ」と称呼される女子の名前の中には「鈴」の文字を含むものも数多く存在することから、「鈴花」の文字部分が女子の名前を表したものと把握、認識される場合も決して少なくないものである。
したがって、本願商標と引用商標1及び2とは、外観において異なるとしても、「スズカ」の称呼と女子の名であるという観念を同じくする類似の商標であるといわざるを得ない。
そして、本願の指定商品は、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似のものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて本願商標の登録適格性を主張し、かつ、実際に市場に提供している商品について本願商標を使用していることを示す資料を提出して本願商標が周知性を獲得している旨主張しているが、請求人の挙げる登録例は本件とは事案を異にするものであり、また、請求人の提出に係る資料からは、本願商標が指定商品に使用されて他人の商標と混同を起こさないほどに周知となっているとは認めることができない。そして、本願については前記認定を相当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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