Trademark Appeal Case
氏名と普通名称の結合識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第5969号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「吉田晒」の文字を縦書きしてなり、願書記載の第24類に属する商品を指定商品として平成9年10月21日に登録出願され、その後、指定商品については同11年4月8日付の手続補正書により「晒織物」に減縮補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる『吉田』の文字と、これに続く『晒』の文字は漂白した綿織物、麻織物の総称としてこの種業界において普通に使用されているものであるから、このようなものをその指定商品中『晒を原材料とする商品』に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおりの構成からなるところ、その構成中の「吉田」の文字は氏の一つである「吉田」を表したものと認識されるものであり、「吉田」の氏がありふれていることは、例えば、佐久間英著「日本人の姓」(六藝書房発行)における「吉田」姓に関する記述や、日本電信電話株式会社発行「ハローページ、東京都23区個人名全区版・下巻」に「吉田」姓の電話加入者が多数掲載されていることから明らかである。また、「晒」の文字は、「漂白した綿織物、麻織物の総称」(田中千代著「新服飾事典」)ないしは「さらして白くした綿布または麻布」(「広辞苑第5版」)を意味する語として知られているものである。
しかして、これら2語を結合してなる本願商標は、その指定商品である「晒織物」に使用された場合、これに接する取引者、需要者をして「吉田なる者の取り扱いに係る晒織物」の如き意味合いを認識せしめるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品に使用しても、取引者、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわざるを得ない。
請求人は、本願商標は請求人(出願人会社)の設立以来約62年間に亘って継続して使用され、少なくとも新潟県内においては周知性を獲得しており、自他商品識別力を有している旨主張し、証拠方法として参考資料1及び2並びに証明書(甲第1ないし第10号証)を提出している。
しかしながら、提出された資料によっては、本願商標が使用された商品の販売数量、宣伝広告の事実、使用の期間等が一切明らかでない。また、上記証明書に記載された商標は本願商標とは構成態様が異なるばかりでなく、その証明書の文面も印刷された定型のものであり、証明者が如何なる根拠に基づいて証明したものかも明らかでない。
そうすると、これらの資料によっては、本願商標が使用された結果、周知性を獲得しているものとはいい難く、自他商品の識別力を有するものともいえないから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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