Trademark Appeal Case
ユニバーサルウェアの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−14090(T2000−14090/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、願書記載の第25類に属する商品を指定商品として、平成11年9月24日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成12年9月5日付け手続補正書をもって、第25類「高齢者・からだの不自由な人・健常者の区別なく着られるように制作された洋服・コート・セーター類・ワイシャツ類・寝間着類・下着・水泳着・水泳帽・和服・エプロン・えり巻・靴下・ゲートル・ショール・スカーフ・手袋・ネクタイ・マフラー・帽子・バンド・ヘルメット」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、一般向きの、万人に及ぶ等の意を有する『universal』の表音と、衣類、衣料品の意を有する『wear』の表音を一連にした『ユニバーサルウェア』の文字と、商品の品番、型式等を表示するための記号、符号として、取引上、類型的に使用されているローマ文字二文字『UW』の欧文字を二段にして白抜きで表してなるものであるが、指定商品との関係においては、高齢者やからだの不自由な人、健常者などの区別なく着られるバリアフリーの概念を取り入れた衣料品がデザインされ、販売されている実情があり、これをその指定商品について使用するときは、上記に照応する目的をもって制作された商品であることを認識させるにすぎず、商品の品質を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、別掲のとおり、長方形の黒地の中に、白抜きで「ユニバーサルウェア」の片仮名文字と、その下に同じく白抜きで「UW」の欧文字をひときわ大きく2段に併記してなるところ、その構成中の「UW」の文字部分は、それ自体で自他商品識別標識としての機能を果たすものと認めることはできず、むしろ、原審説示のごとく、商品の品番、型式等を表示するための記号、符号として、取引上、類型的に使われているローマ字2字の範疇に属するものと判断するのが相当であって、このことは、例えば、本願の指定商品関連のインターネットホームページ情報(http://bonbon55.hp.infoseek.co.jp/sleepwearmama.html)によれば、「sleepwear&Mama」の見出しの下、「UW−150」、「UW−309」等、商品の型式として使われていることからもわかる。
また、その構成中の「ユニバーサルウェア」の文字部分は、原審で示した新聞記事以外にも、例えば、洋服など本願の指定商品に関連する辞典、新聞記事、インターネット・ホームページ情報によれば、以下のとおり、一般的に使用されている事実が認められる。
(ア)「現代用語の基礎知識2003」
「ユニバーサルファッション(ウェア)」の項によれば、「老若男女、年齢やハンデを意識せず、気軽に着られるウェアのこと。」との解説。
(イ)「読売新聞2002.07.19大阪朝刊30頁」
「丹南ファッションコンペ一次審査、ベストデザイン41点選ぶ=福井」の見出しのもと、「コンペは今年で五回目。スポーツ、カジュアル、フォーマル、ユニバーサルウエアの四部門に、二千二百三十三点と、昨年の計千八百十点を大きく上回る、過去最高の応募があった。」との記事。
(ウ)「毎日新聞2002.07.13地方版/福井25頁」
「丹南ファッションコンペ」応募2233作品 デザイン画1次審査で41点/福井」の見出しのもと、「コンペは、たけふアパレル振興会と鯖江市繊維協会でつくる丹南ファッション振興会(松浦実治会長)が毎年この時期に開催し、今年で5回目。合成繊維、ニット、絹、ビロードなど県産素材を使った未発表デザインを、スポーツ、カジュアル、フォーマル、ユニバーサルウエアの4部門で公募。22都府県から計2233点の応募があり、過去最高だった昨年の1810点を上回った。」との記事。
(エ)「読売新聞2002.01.24東京朝刊31頁」
「[ひとサイト]高齢者や障害者にも着やすい服をデザイン 井崎孝映さん=神奈川」の見出しのもと、「健常者も障害者も楽しんで着られる「ユニバーサルウエア」に出会って八年。今夏、念願の店を出す。」との記事。
(オ)「slownet」(http://www.slownet.ne.jp/members/op/int/200011-1/hon-2.asp)
「生き生き大人見聞録」の中の、「2)ユニバーサルウエアの世界」の見出しのもと、「ユニバーサルウエアの元になるユニバーサルデザインとは10年ほど前にノースカロライナ大学のロン・メイスン教授が唱えたひとつのデザイン運動なのです。...ユニバーサルデザインは衣服に限らないのです。建築物から台所用品まですべてなんです。その考えを衣服に応用したのが、ユニバーサルウエアなのです。ユニバーサルウエアというのは、介護衣料でもないし、身体的にハンディキャップを負った人のための服でもないんですよ。」との解説。
上記の解説、記事等からしても、「ユニバーサルウェア」の語が「健常者も障害者も区別なく着られるウエア」であることが一般的に知られており、また、そのような機能を持った商品もたくさん開発されていることがわかる。
そうすると、本願商標を、補正後の本願の指定商品に使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、「高齢者用・障害者用に限定されることなく、誰もが共用できる使いやすさを前提として製作されたユニバーサルデザインの商品(ウエア)であると理解、認識するに止まり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができないものである。
(2)請求人は、黒ベタ地の長方形の図形の中に、「UW」と「ユニバーサルウェア」の文字を白ヌキで併記してなる本願商標は、需要者、取引者をして出願人の業務に係る商品であることを直ちに、且つ、容易に認識させるから、商標法第3条第2項の規定によって商標登録されるべきである旨主張している。
ところで、本来、自他商品の識別力がなく、商標法第3条第1項第3号に該当するものが、永年に亘り、ある商品について使用された結果、自他商品の識別力を有するに至った商標として、同法第3条第2項の規定により登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用している商品と同一の商品に関する場合に限られると解される。
そこで検討するに、請求人提出にかかる甲第4号証〜第31号証、甲第34号証〜第56号証、甲第58号証〜第59号証までの各証拠中には、本願商標が全く表示されておらず、また、甲第32号証及び第33号証は、「ユニバーサルウェア」ショーの案内ないしはポスターであり、甲第57号証は、新聞記事中の単なる表示であって、具体的な商品に使用しているものではないから、結局、これらの証拠によっては、本願商標がその指定商品について使用されている事実を認めることはできない。また、その結果として、本願商標が使用により識別力を有するに至ったものとも認定できない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)以上のとおり、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。