結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30725(T2002−30725/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2580965号商標(以下「本件商標」という。)は、「シーエスケイ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成2年12月26日登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」を指定商品として、同5年9月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品中「自動車、その部品及び附属品、航空機のタイヤ・チューブ、自転車のタイヤ・チューブ」について、継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。
また、本件商標について、専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないから、使用権者による使用ということもないので、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の指定商品中、上記商品につき登録取消しの審判を請求する。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、本件商標を「ハンズフリーキット、バッテリーコード、カーナビゲーション、インバータ」に使用しているとして、乙第1号証の1ないし乙第4号証の2を提出しているが、これらの商品は、いづれも請求に係る第12類の商品には含まれないものである。
(2)乙第1号証の1の26頁の商品は、携帯電話のオプションであり、電気通信機械器具の部品又は附属品に属する商品である。また、乙第1号証の2は、「Driving Support」用品としての掲載であって、本来の意味での自動車の附属品とはいい難い。
(3)乙第2号証の1及び2は、ソニー製のカーバッテリーコードに関する請求書及び商品説明書であるが、自動車のシガーライターソケットに接続するからといって自動車の附属品とはいえず、電源を供給するバッテリーの附属品又は電線(コード)である。
(4)前記(3)と同様に、乙第3号証の1及び2のカーナビゲーションも、自動車内に設置されるとはいえ、通称「カーナビ」といわれるこの商品は、ディスプレイ装置にあらかじめ入れられた経路情報とGPS衛星による位置確認システムを組み合わせ自動車の経路を誘導するもので、自動車の本質的機能とは直接関係なく(装置はなくてもドライブは可能)、電気通信機械器具に含まれるものである(甲第3、4号証)。
(5)乙第4号証の1のDCACインバータも、自動車のシガーライターソケットに差し込むことにより車内で各種電気製品の利用を可能にするものとはいえ、逆変換器(直流を交流にするもの)の機能から第12類に属する商品ではなく、類似群コード「11A01」で表示されるものである(甲第5号証)。
(6)以上、被請求人の立証に係る商品は、自動車とは無関係ではないが、その本質的機能において部品、附属品とはいえず、あえていえば「あれば便利」的商品で、自動車のカタログに掲載されているといっても、そのすべてが自動車の部品、附属品とはいえない(乙第1号証の2、13頁の「83 サイドタープ」から「96 カップホルダー置き小物入れ」までoptional partsと称しているが、全てが自動車のpartsとは考えられない)。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。
1.使用の事実
(1)乙第1号証の1(2002.6 J−フォン総合カタログ/関東・甲信版)
被請求人は、平成12年10月1日付けでジェイフォン株式会社(以下「ジェイフォン」という。)と代理店契約を締結しており、ジェイフォンの製品を販売するにあたり、顧客にカタログを配布している。乙第1号証の1は、そのカタログの一部抜粋である。これによると、26頁のオプションの共通車載オプション製品に「ハンズフリーキット B」が掲載され、最終頁には申し込み、問い合わせ先として、被請求人の住所、本件商標(商標法第50条第1項括弧書きに規定する社会通念上同一と認められる商標)を含む社名、連絡先が明記されており、被請求人が当該製品の販売を取り扱っていることを示している。
当該製品は、自動車内で携帯電話を手に持たずに通話を可能とする装置で、自動車内に装着し、自動車内で使用することを目的とした製品であることから自動車の付属品に該当するものである。平成11年11月1日より施行された道路交通法一部改正では、運転中の携帯電話の使用は電話機を持たずに通話ができる「ハンズフリー装置」を使用することが義務付けられ、「ハンズフリー装置」が運転中の通話に必要不可欠な自動車の附属品であることは明白な事実である。
乙第1号証の2(日産自動車株式会社が製造・販売する車「ELGRAND」のカタログ、14頁)には、「携帯電話用ハンドフリーキツト」が掲載され、自動車メーカーが自動車の附属品としてハンズフリー装置を販売している実情を示すものである。
したがって、乙第1号証の1は、商標法第2条第3項第7号に規定する、いわゆる自動車の付属品に対する広告的使用の事実を表すものである。
(2)乙第2号証の1(平成12年10月31日付け請求書)及び乙第3号証の1(平成14年4月30日付け請求書)
ア.乙第2号証の1は、被請求人が顧客に対し、「DCC−VQ1 カーバッテリーコード」を販売した事実を示すものである。上記「DCC−VQ1 カーバッテリーコード」は、自動車のシガーライターソケットに接続し、電源を供給するものである(乙第2号証の2)。
イ.乙第3号証の1は、被請求人が顧客に対し、「CN−DV7700WD カーナビゲーション」を販売した事実を示すものである。上記カーナビゲーションは、自動車内に設置し、走行中の自動車の現在位置・進行方向などの情報を人工衛星・地磁気計・走行距離計などを利用して測定し、運転席のCRT画面上に表示して運転者に知らせる装置である(乙第3号証の2)。
ウ.上記2通の請求書の右上には、乙第1号証の1と同様、本件商標を使用しており、また、上記カーバッテリーコード及びカーナビゲーションは、当然ながら自動車の中でのみ使用可能なもので、自動車に接続又は装着して使用するものであるから自動車の附属品に該当するものである。
したがって、乙第2号証の1及び乙第3号証の1は、被請求人が業として自動車の附属品を販売している事実を示すものであり、商標法第2条第3項第7号に規定する取引書類に標章を付する行為に該当する。
(3)乙第4号証の1(2001年第2版総合カタログ「サプライ便利帳」)
該カタログは、被請求人の子会社(2001当時、82.8%の株式を所有)である株式会社CSK・エレクトロニクス(以下「CSK・エレクトロニクス」という。)が取り扱う商品の一部を掲載したものである。CSK・エレクトロニクスは、商標登録原簿には登録していないが、被請求人は、CSK・エレクトロニクスに対し、本件商標の使用を許諾している。そして、乙第4号証の1の表紙及び裏表紙には、販売元として本件商標を含む「株式会社CSK・エレクトロニクス」が明記されている。
該カタログの294頁によると、「DCACインバーター」、「DC/ACカーインバータ」が取扱い商品として掲載され、CSK・エレクトロニクスが当該商品を販売している事実を示している。これらの商品は、自動車のシガーライターソケットに差し込むことにより自動車内での家庭用電気製品等の使用を可能にするものである。同機能を備える製品は、乙第1号証の2(「ELGRAND」のカタログ、13頁)にも、「100V インバーター」として掲載されていることから、当該製品が自動車メーカーも取り扱っている自動車の附属品であることは明白である。
したがって、乙第4号証の1も、商標法第2条第3項第7号に規定するいわゆる広告的使用の事実を表すものである。
なお、乙第4号証の2(2001 CSK/グループ 会社概要)は、被請求人が対外向けに配布しているパンフレットで、乙第4号証の1の発行当時、CSK・エレクトロニクスが被請求人のグループに属する子会社であることを示すものである。
(4)乙第1号証の1ないし乙第4号証の2に示した事実により、被請求人が審判請求の登録前3年以内に本件商標を自動車の附属品に使用していたことは明白である。
1.被請求人は、本件商標をその指定商品中の「自動車の附属品」について、本件審判の請求の登録前3年以内に使用しているとして、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出しているので、以下検討する。
2.本件商標の指定商品である第12類「輸送機械器具、その部品および附属品」(平成3年政令299号による改正前の商標法施行令第1条所定の商品の区分に属すべき商品を掲げる同法施行規則第3条所定の別表による。以下、商品区分の表示については同じ。)は、輸送を目的とする機械器具とその部品及び附属品をまとめた類であるが、このうちの部品及び附属品は、広汎にわたる商品が存在すると考えられるところ、「(他の類に属するものを除く。)」との表示及び例示された商品表示から明らかなように、輸送機械器具の部品及び附属品のすべてのものがこの類に属するものではなく、他の類に属する商品は、この類に属しないものと解される。例えば、自動車に不可欠な「ガソリン機関」は、「自動車の部品および附属品」には例示されておらず、第9類の「動力機械器具」の範疇に属する商品として例示されていたものである。また、「商品区分解説」(昭和55年3月31日 改訂版)に、自動車の部品及び附属品の中には、「自動車用の測定機械器具」、「エンジン」、「緩衝装置」、「制動装置」等は含まれないと記載されていることからも首肯し得るところである。
3.そこで、本件使用に係る商品が商標法上の商品区分からみた場合、第12類の「自動車の附属品」に属する商品であるか否かについて検討する。
(1)「ハンズフリーキット B」(乙第1号証の1)について
乙第1号証の1は、「J−PHONE 2002.6 J−フォン総合カタログ/関東・甲信版」との表題があるカタログの抜粋であるところ、その26頁には、「オプション/共通車載オプション」として、「車内でも気軽にハンズフリー通話。ハンズフリーキット B」、「高音質&双方向同時通話/相手の声が遅れて聞こえる『エコー現象』を防ぎ、クリアな音質での双方向同時通話・・」、「自動着信&終話機能/着信から通話終了まで、携帯電話を一切持たずに通話ができます。」、「ワンタッチ発信/メモリダイヤルにあらかじめ登録しておけば、かけたい相手にワンタッチでダイヤルできます。」「道路交通法により、走行中の携帯電話・PHS等の使用は禁止されています。クルマを安全な場所に停車してからご利用ください。運転中は留守番電話サービスをご利用ください。」などの記載があり、これらの記載及び答弁の理由を総合すると、該商品は、自動車内で携帯電話を手に持たずに通話を可能とする装置であって、車両用通信機械器具の一種類と認められ、第11類の電気通信機械器具の範疇に属する商品というのが相当である。
(2)「DCC−VQ1 カーバッテリーコード」(乙第2号証の1及び2)について
乙第2号証の1及び2は、「DCC−VQ1 カーバッテリーコード」についての平成12年10月31日付け請求書(控)及び商品説明書であるところ、乙第2号証の2には、「自動車のシガーライターソケットに接続し、ACアダプター/チャージャーAC−SQ950/VQ850に電源供給します。車の中でインフォリチウムバッテリーLシリーズ、Mシリーズの急速充電が可能になります。」などの記載があり、これらの記載及び答弁の理由を総合すると、該商品は、バッテリーの附属品ないし電線の類というのが相当であり、自動車の附属品の範疇に属する商品というより、第11類の電気機械器具の範疇に属する商品と認められる。
(3)「CN−DV7700WD カーナビゲーション」(乙第3号証の1及び2)について
乙第3号証の1及び2は、「CN−DV7700WD カーナビゲーション」についての平成14年4月30日付け請求書(控)及び商品説明書であるところ、カーナビゲーションは、商品により多少の付加価値の差異はあるとしても、一般的には、「人工衛星からの電波を車上で受信し、地図上に位置を表示する電子装置」(広辞苑第5版)として知られているものであって、通信機械を利用した装置であるから、第11類の電気通信機械器具の範疇に属する商品と認められる。
(4)「DCACインバーター」、「DC/ACカーインバータ」(乙第4号証の1)について
乙第4号証の1は、CSK・エレクトロニクスの2001年第2版総合カタログであるところ、その294頁には、「DCACインバーター」、「DC/ACカーインバータ」として、商品の説明があり、前者は、「車のシガーライター電源から、50Wまでの家庭用電気製品・ノートパソコン等が使えます。」などの記載が、また、後者は、「携帯電話付属の充電器やノート型PC、シェーバーなどを車内で使えます。」などの記載がある。そして、これらの記載及び答弁の理由を総合すると、上記商品は、直流を交流に変換する装置(インバーター)と認められ、電気機械器具の範疇に属する商品であって、自動車の附属品の範疇には入らない商品というのが相当である。
4.前記3.で認定した事実を総合すると、被請求人及びその子会社であるCSK・エレクトロニクスの使用に係る商品は、いずれも「自動車の附属品」の範疇には属しない商品であるといわざるを得ない。他に本件商標が商標権者等により本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品に使用されていたと認めるに足りる証拠は見出せない。
5.以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「自動車、その部品及び附属品、航空機のタイヤ・チューブ、自転車のタイヤ・チューブ」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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