1 本願商標
本願商標は、「醤プラス」の文字を大書横書きし、構成中の「醤」の文字の上に小さく横書きした「ジャン」の片仮名文字を配してなり、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,即席みそ汁,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,凍り豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成10年7月31日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、『豆板醤、甜麺醤等の中華調味料を加えた商品』であることを直感させる『醤プラス』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これをその指定商品中上記文字に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「醤」の漢字と「プラス」の片仮名文字を連綴してなる「醤プラス」の横書き文字と語頭部の「醤」の文字の上に「ジャン」の片仮名文字を振り仮名風に小さく表してなるものであるところ、「新・食品事典13 料理用語 真珠書院発行」の「醤」の項に「醤」「ジャン」について、「中国の調味料で、日本のしょうゆやみその原形である。おもなものはみそ状の黄醤(大豆)・豆板醤(ソラマメ)・甜麺醤(小麦粉)、ペースト状の蝦醤(エビ)・[ハオイウ]油(カキ)・芝麻醤(ゴマ・ゴマ油など)などがある。マヨネーズ・トマトケチャップ・ジャムなども醤の仲間とされている。」の記載が認められる。
また、「プラス」の文字は、「加える」の意味で親しまれた外来語であることは、いうまでもないところである。
ところで、本願商標は、それぞれの文字が上記意味合いを有するとしても、該「醤(ジヤン)」の文字と「プラス」の文字が軽重の差がなく結合し、格別の観念の生じない造語を形成しているものというを相当とし、また、当審が職権をもって調査したが、本願商標が商品の品質、原材料を表示するものとして、普通に使用されている事実を発見することができなかった。
してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、原材料を表示したものと認識することはないものとみるのが相当であるから、本願商標は、自他商品識別標識としての機能を十分に発揮できるものというべきである。
また、本願商標は、商品の品質の誤認を生じさせるおそれもないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の何れにもに該当するものでないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取り消すべきである。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。