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Trademark Appeal Case

周知商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成5年審判第10251号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件登録第2355458号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおりの構成よりなり、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、つり具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品および付属品」を指定商品として、昭和62年10月30日に登録出願、平成3年11月29日に登録されたものである。

2.請求人は、本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第40号証を提出した。

(1)本件商標は、「2枚の羽根を左右2つに分けて束ねた髪の右側につけたインディアンの顔」の図形からなるものである。本件商標は、請求人が米国を始め、世界各国において自己の取扱商品である「衣服、スポーツウエアー、靴、アクセサリー、眼鏡」等に1972年頃より使用しているものであり、請求人の商標として世界的規模で知られたものである。にも係わらず、被請求人はこうした他人の著名にかかる商標のデザインを盗用して、あたかも自己の商標であるかの如く出願を行い、登録を受けているものである。こうした他人の周知、著名にかかる本件商標は、商標法第4第1項第10号および第15号に違反して登録されたものである。また、こうした他人の創作にかかるデザインの商標をあたかも自己のデザインとして商標登録出願を行い、デザインの使用の独占化を図る行為は著作権法に違反するものである。したがって、本件商標は他の法令に違反し、登録されたものであるから商標法第4条第1項第7号に該当し、同法第46条第1項により無効とすべきものである。

(2)商標法第4条第1項第10号並びに第15号違反について

▲1▼請求人は甲第2号証のアニュアルレポートにも示すように、1972年に業務を開始し、現在全米において30以上の直営店舗を保有している(甲第3号証第9頁参照)。また、請求人は100以上のフランチャイズ店や全米各州のデパートにおいて商品販売を行っている。甲第4号証は請求人がカリフォルニア州において保有する直営店舗の内部を示す写真の写しである。これらの写真を見れば請求人が保有する各店舗の巨大さが理解できる。請求人は上記直営店舗、フランチャイズ店舗等において、様々な商品を販売しており、例えば「婦人用、紳士用、子供用の被服、靴、ベルト、カバン、メガネ、時計、運動用ユニフォーム、各種スポーツ用品」等多岐にわたっている。これらの事実は甲第5号証ないし同第13号証を参照すれば理解できる。これら請求人が販売する商品には「CHEROKEE」の文字商標並びに本件商標と同一の構成にかかる「インディアンの顔」(以下、「引用商標」という。)のキャラクター商標が使用され、これらの事実は甲第3号証ないし同第13号証により理解できる。甲第14号証は請求人の商品に付されるタッグ、織ネームの写しである。

▲2▼米国では、商品「被服、靴、カバン、運動靴」等において、「CHEROKEE」あるいは「チェロキーインディアンの顔」からなる各商標をみれば請求人の商品を指標する程周知、著名なものとなっており、既に米国において「CHEROKEE」の文字商標並びに「チェロキーインディアンの顔」からなるキャラクター商標については登録済みとされる(甲第15号証ないし同第20号証参照)。また、請求人は全米において広範な商品の広告宣伝を行っており、各種雑誌やテレビCM等において宣伝活動を行っている。その広告規模は甲第21号証により理解されるところである。また、請求人の商品の販売額は、1983年には482億9900万ドル(純益16億7600万ドル)であったものが1987年には1396億3100万ドル(同103億9700万ドル)となっており年々その規模が拡大されつつある。

▲3▼請求人は米国だけに止まらず全世界にその業務を拡大しており、全ヨーロッパやアジア地区においては既に商品販売を行っている。また、請求人が使用する「CHEROKEE」及び「チェロキーインディアンの顔」からなる各商標については、既にデンマーク、イタリー、スペイン、ホンコン、台湾、韓国等において登録済みである(甲第22号証ないし同第28号証参照)。

▲4▼日本においては、特にアパレルの大手として知られる「株式会社鈴屋」が商品の販売ライセンスを得ており(甲第29号証ないし同第34号証参照)、東京銀座に第1号店を開店して以来、全国10数箇所に小売店舗を拡大している。この事実は米国のマスコミでも話題になっており、1988年の新聞、雑誌において請求人と株式会社鈴屋との間で販売権の契約が結ばれたことが報じられている(甲第35号証ないし同第37号証)。

▲5▼上記各事実から本件商標は昭和62年10月30日の出願前から、日本を含む世界中において請求人の商品を指標する商標として周知、著名であることが理解できる。請求人はこうした事実に基づき、本件商標が出願公告された時点において異議申立を行ったが、原審審査官は商標登録出願人から答弁書が提出されていたにもかかわらず、異議申立人に全く弁駁の機会を与えず、商標ブローカー的行為を行った出願人の意見を全面的に採用し、甲第38号証に示す「異議申立理由なし」との異議決定を行っていたものである。請求人にあっては、日本においてはなぜ、このように特許庁がブローカー的出願を尊重し、保護するのか理解に苦しむところであり、外国人にとっては日本の官庁たる特許庁が真の外国商標の使用者を日本市場から締め出す非関税障壁を設けているとしか思えない。

▲6▼本件商標の権利者は、本件商標と同じく、請求人の商標として第24類において周知、著名な甲第39号証で示す「CHEROKEE」の商標を出願していた。これに対し、請求人は異議申立を行っていたが、この手続きについては請求人の主張が全面的に採用され、甲第40号証に示す「異議理由あり」の異議決定が行われた。

(3)商標法第4条第1項第7号違反について

▲1▼本件商標については、請求人所属のデザイナーが1968年にデザインしたものであり、請求人を指標するキャラクターブランドとして使用を開始したものである。すなわち、本件商標は、図形の創作に係るものであり、その図形についての使用、収益、処分は請求人が原始的に独占するものである。したがって、そうした図形についての著作権は、本来請求人が保有するものであり、被請求人が該図形を出願し、使用することは著作権の侵害を構成することに他ならない。例えば、“サザエさんのキャラクター図形”が第24類に出願されていないことを理由に、例えば請求人が第24類に“サザエさんのキャラクター図形”を出願し、独占的に使用することが仮に認容されるのであれば市場はたちまち大混乱となり法治国家として機能し得ない状況を招来することとなる。本件商標についてみても、被請求人が商標ブローカー的行為を行う目的で出願し、登録したことは明らかであり、同時に被請求人は請求人が使用している「CHEROKEE」の書体と全く同一の書体からなる甲第39号証に示す商標を出願している経緯からきわめて悪質なるブローカーとして位置づけることができる。もし、こうした請求人の主張に対し、被請求人において反論する点があるのであれば、被請求人が本件商標を採択した理由、経緯等を具体的に明らかにされたい。

▲2▼このように本件商標は他人の著作権に係る著作物を採択し、出願したものであり、もしこうしたことが許容され、被請求人において当該商標を独占使用することができるのであれば法治国家の根幹を揺るがすことになりかねない。したがって、本件商標は法治国家の根幹を揺るがす公序良俗を害する商標として位置付けられ、無効とされるべく請求人は主張するものである。

3.被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第2号証を提出した。

(1)請求人の主張する商標法第4条第1項第10号の規定は他人の周知商標と抵触する商標出願の登録を出所混同の防止の見地から、また使用事実の保護の見地から排除することを目的とした規定であり、同第15号は他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標の登録を排除する旨の規定である。また、商標法第4条第1項第10号及び同第15号の規定の適用は、出願後に生じた私益的事実によって出願により発生した既得の期待権を排除することは妥当でないことから、査定時のみならず出願時の双方において該当していなければならないものであると、商標法第4条第3項は規定している。すると、本件商標が両規定に該当するか否かは、引用商標が本件商標の出願時である1987年10月30日において周知性、著名性を獲得していたかどうかが重要な問題となるものである。また、商標法第4条第1項第10号の規定によって出願を拒絶する場合には、出願に係る商標が日本国内において需要者の間に広く認識されている他人の周知商標と同一または類似であって、出願に係る商標の指定商品と当該周知商標の商品とが同一または類似であることが要件となり、第15号の規定によって出願を拒絶する場合には、出願に係る商標を使用すると他人の業務に係る商品であると認識し、その商品の需要者が商品の出所について混同を生ずるおそれがあることが要件となる。したがって、仮に外国においては周知商標、著名商標であったとしても、また商標が、或る国において適法に登録されていたとしても、商標法第4条第1項第10号及び同第15号を適用するにあたっては、適用される出願商標の出願時にその商標が周知、著名な商標として我が国内の需要者によって認識されていなければならないものである。

(2)以上のことを踏まえて、申立人の提出した証拠を検討する。

▲1▼甲第2号証として請求人の1987年の年報を提出し、請求人が使用している著名な引用商標と本件商標が同一の構成であると主張する。甲第2号証は「THE CHEROKEE GROUP」文字と「1987 ANNUAL REPORT」の文字との間に指摘の引用商標が記載されている。しかし、当該甲第2号証において、引用商標が使用されている商品として明示されているのは被服のみである。したがって、本件商標の指定商品と甲第2号証から把握される商品は非類似であり、商標法第4条第1項第10号の適用は無い。さらに、甲第2号証の記載から、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えないばかりか、当該資料は本件商標の出願された年のレポートであることから、そのことを以て、被請求人が本件商標を使用した場合に、その商標の出所についてザ・チェロキー・グループと混同を生ずる虞があるものとは言えない。

▲2▼甲第3号証第9頁によって、1990年春号には現在全米で30以上のチェロキー直営店舗を保有しているとしているが、このチェロキー1990年春号の記事は、シルバニア靴製造会社における、チェロキー紳士靴部門の紳士靴のカタログ並びに、オーダーのためのフリーダイヤル及びオーダーの方法等、チェロキー紳士靴の取扱店が全米で30以上あるという広告であり、当該甲第3号証において、引用商標が使用されている商品として明示されているのは紳士靴のみである。したがって、本件商標の指定商品と甲第3号証から把握される商品は非類似であり、商標法第4条第1項第10号の適用は無い。さらに、甲第3号証の記載から、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えないばかりか、当該資料は本件商標の出願後のカタログであることから、そのことを以て、被請求人が本件商標を使用した場合に、その商標の出所についてザ・チェロキー・グループと混同を生ずる虞があるものとは言えない。

▲3▼甲第4号証により、請求人の店舗の巨大さを示しているが、引用商標が使用されている商品として明示されているのは被服のみである。したがって、本件商標の指定商品と甲第4号証から把握される商品は非類似であり、商標法第4条第1項第10号の適用は無い。さらに、甲第4号証の記載から、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えないばかりか、当該写真は日付が無いのでこれを以て、被請求人が本件商標を使用した場合に、その商標の出所についてザ・チェロキー・グループと混同を生ずる虞があるものとは言えない。

▲4▼甲第5号証ないし同第13号証によって、販売する商品に本件商標と同一の商標が使用されていることを立証しようとしているが、婦人用、紳士用、子供用の被服、靴、ベルト、カバン、メガネ、時計のカタログの表紙であって、本件商標の指定商品と甲第5号証から把握される商品は非類似であり、商標法第4条第1項第10号の適用は無い。さらに、甲第5号証ないし同第13号証の記載から、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えないばかりか、当該表紙は日付が無いか、あっても1990年度なので、当該資料は本件商標の出願後のカタログであることから、そのことを以て、被請求人が本件商標を使用した場合に、その商標の出所についてザ・チェロキー・グループと混同を生ずる虞があるものとは言えない。

▲5▼甲第14号証によって、タッグ、織りネームが米国において周知、著名であると主張しているが、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えないばかりか、当該タッグ、織りネームによって、被請求人が本件商標を使用した場合に、その商標の出所についてザ・チェロキー・グループと混同を生ずる虞があるものとは言えない。

▲6▼甲第15号証ないし同第20号証及び同第22号証ないし同第28号証を提出して、引用商標がアメリカ、デンマーク、イタリー、スペイン、韓国、ホンコン、台湾に登録されていると主張しているが、しかし、本件商標出願時の1987年10月30日の時点で登録されていたのは、靴、被服等のみである。したがって、引用商標がザ・チェロキー・グループの著名な商標として、本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えない。

▲7▼甲第21号証によって、周知、著名を立証しているが、これは1990年度の広告であり、これによって本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えない。

▲8▼甲第29号証ないし同第37号証によって、周知、著名を立証しているが、これは1988年及び1989年の新聞記事で、これによって本件商標の出願時、1987年10月30日に我が国内の需要者によって認識されていたとは言えない。

▲9▼甲第38号証ないし同第40号証によって、被請求人が商標ブローカーであることを立証しようとしているが、「CHEROKEE」の商標と本件商標とは別の商標であり、また、請求人代理人より被請求人に対し、具体的な金額を示して、本件商標の譲渡申し込み(乙第1号証)を受けた際に、被請求人は現在継続して自社で商業的に使用中である事を理由に丁重に譲渡の申し出を拒絶(乙第2号証)した経緯があることからも、被請求人が著名商標の売買を業とする商標ブローカーでないことを立証するものである。

▲10▼本件商標は、請求人所属のデザイナーが1968年デザインしたものであり、また、引用商標に著作権があると主張するのであればそれを立証して主張すべきであるが、ただし、本件商標の登録には、何ら関係なく、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び第10号の規定に違反してなされたものではない。また、請求人は本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして、本件商標の登録は無効であると主張する。商標法第4条第1項第15号の規定は、出願後に生じた私益的事実によって出願により発生した既得の期待権を排除することは妥当でないことから、査定時のみならず出願時の双方において該当しなければならないものである(商標法第4条第3項)。すると、本件商標が当該規定に該当するか否かは、引用商標が本件商標の出願時(1987年10月30日)において著名性を獲得していたかどうかが重要な問題となる。また、商標法第4条第1項第15号の規定によって本件商標を無効にする場合には、出願時において本件商標を使用すると他人の業務に係る商品であると誤認し、その商品の需要者が商品の出所について混同を生ずるおそれがあることが要件となる。畢竟、本件商標の登録は、何ら商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものではないものであることは明らかである。

(3)以上のように、本件商標の登録は、何ら商標法第4条第1項第10号及び同項第15号の規定に違反してなされたものではない。

4.よって、判断するに、請求人の提出に係る甲各号証をみるに、甲第4号証(店舗内部の写真の写し)、同第5号証ないし同第12号証(「水着、子供服、靴、ベルト、バッグ」のポスターあるいはカタログの写し)及び同第14号証(織ネーム、タッグ類の写し)は、いずれもその撮影、作成或いは頒布の日付が不明であり、また、甲第13号証(1990年春版「時計」のカタログの写し)及び同第21号証(1990年春版の広告宣伝活動に関するレポート)には、いずれも引用商標の表示がないものである。

また、甲第3号証(1990年春版「靴」の商品カタログの写し)、同第29号証ないし同第34号証(1989年6月1日付日経流通新聞新聞、1989年5月9日付日本繊維新聞,1989年5月9日付繊研新聞、1989年11月7日付繊研新聞、1989年11月7日付日本繊維新聞、1989年11月16日付日経流通新聞の各写し及び雑誌の写し)及び同第35号証ないし同第37号証(1988年4月付ECONOMIC WORLD紙、1988年3月21日付SPORTSTYLE紙及びGIRLS & BOYS WEAR REVIEW紙の各写し)は、いずれも本件商標の登録出願日(1987年10月30日)以後の写しであるばかりでなく、甲第29号証ないし同第37号証には引用商標の表示がないものである。

さらに、甲第2号証(1987年版アニュアルレポートの写し)はチェロキーグループの1987年版の年報と認められるが訳文の提出はないものである。

したがって、上記甲各号証をもってしては引用商標が商品「被服、靴、カバン、運動靴」等について如何に使用されて本件商標の登録出願時に取引者、需要者に広く認識されるに至っていたものであるのか、販売の数量・地域及び雑誌等に掲載されたこと等の具体的関係については不明なところであるから、引用商標が取引者、需要者間に広く認識せられたものであることを客観的に認め得るに足りる資料として十分なものとは認め難く、他にこれを認めるに足る証拠は見出し得ない。

なお、請求人は米国だけに止まらず全世界にその業務を拡大しており、全ヨーロッパやアジア地区においては既に商品販売を行い、引用商標は登録済みである旨述べ、甲第15号証ないし同第20号証及び同第22号証ないし同第28号証(米国における公報の写し及びヨーロッパ、アジア地区における登録証の写し)を提出しているが、該各号証からは引用商標が米国を始めヨーロッパ、アジア等において登録されている事実は窺えるものの、これから直ちに引用商標が日本を含む当該諸外国において請求人の商品を表示する商標として周知、著名な商標となっているものとはいえない。

そうとすれば、前記甲各号証によっては、引用商標が、本件商標の指定商品と同一または類似の商品に使用されたものとは認められず、かつ、引用商標が商品「被服、靴、カバン、運動靴」等に使用された結果、これが本件商標の登録出願時すでに、取引者、需要者間に広く認識されるに至っていたものとは認め難いものといわざるを得ないから、被請求人が、本件商標を、その指定商品に使用しても、請求人又は請求人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあったとすることができない。

次に、商標法第4条第1項第7号は「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標は、商標登録を受けることができない」旨を規定しており、その趣旨は商標の構成自体が公序良俗に反するだけでなく、国際信義に反する場合も含まれると解されるものである。

しかしながら、本件商標は前述のような公序良俗に反するものではなく、本件商標をその指定商品に使用することもその登録を無効にする程度にまで秩序又は風俗をみだすおそれのあるものとは解することができない。

そして、たとえ本件商標の使用が請求人の有する著作権に抵触するものであるとしても、その使用が制限を受ける場合があるとしても、上述のようにこれのみをもって本件商標の使用がその登録を無効とする程度にまで公の秩序又は善良なる風俗をみだすおそれがある商標とはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項7号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものということができないから、同法第46条の規定の基づき、その登録を無効とすることができない。

よって、結論のとおり審決する。

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