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Trademark Appeal Case

リストオーディオプレーヤーの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−16148(T2000−16148/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「リストオーディオプレーヤー」の片仮名文字を標準文字により表してなり、願書記載の第9類及び第14類の商品を指定商品として、平成11年10月4日に登録出願されたものであるが、指定商品については、同12年10月11日提出の手続補正書により、第9類「音響再生装置」及び第14類「音響再生の機能を有する時計」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『手首』等の意を有する『リスト』と、音声に関する」等の意を有する「オーディオ」及び「再生装置」等の意を有する「プレーヤー」のそれぞれ親しまれている各外来語を「リストオーディオプレーヤー」と書した構成よりなるものである。ところで、新聞では次のような記事が見受けられる。(1)『松下電器がメモリープレーヤーを発売(情報ファイル)』の見出しのもとに『松下電器産業は9日、次世代の小型半導体記録媒体“SDメモリーカード”に対応した携帯オーディオプレーヤーを6月30日から発売する、と発表した。CDやインターネットのホームページから好きな曲を選び、パソコンを介してカードに記録。プレーヤーに差し込んで聴く。約5cm角、55gと小型で首から下げたり、専用のリストバンドで腕にはめたりできる。標準価格は4万9800円。松下はこのカードに対応したパソコンや携帯情報端末を今夏ごろに販売する予定だ。』(朝日新聞2000.5.10)、(2)『デジカメ・音楽プレーヤー機能搭載腕時計 カシオ、春から順次発売』の見出しのもとに『カシオ計算機は3月から、腕時計に音楽プレーヤーの機能をつけた“リストオーディオプレーヤー”と、腕時計にデジタルカメラの機能をつけた“リストカメラ”を順次発売する。デジタルカメラや音楽プレーヤーは小型化が進んでいるが、腕時計と一体化するのは初めて。...』(同2000.1.7)、(3)『[ビジネス情報]腕時計型リモコンのMDーーソニー』の見出しのもとに『ソニーは腕時計型のワイヤレスリモコンでMD(ミニディスク)プレーヤーを操作する再生専用の“MDウォークマンMZーE7W”を21日発売する。リモコンは無線で本体の再生、停止、早送り・巻き戻し、ボリューム操作ができる。...』(毎日新聞2000.1.12)、(4)『切手サイズのメモリーカード 対応の腕時計型プレーヤー発売 松下が東芝と開発』の見出しのもとに『松下電器産業は9日、音楽データーをインターネットから取り込んで聴く際などに使う次世代の記録媒体として、東芝などと共同開発した切手サイズの“SDメモリーカード”を6月30日に発売すると発表した。カードに対応した携帯型の音楽プレーヤーも同時に売り出す。東芝も松下と同時にカードの発売を予定している。SDカードは、インターネットで配信された音楽の不正コピーを防止する機能がある。...将来はデジタルビデオカメラで撮影した動画なども記録できる大容量型を開発する。同時に発売する音楽プレーヤー(49800円)は腕時計やペンダントのようにして携帯でき、...』(読売新聞2000.5.10)、(5)『情報端末、腕時計型に カメラ、オーディオ、電話も 日本メーカー相次ぎ発売』の見出しのもとに『◆巻き返しの原動力?個人用情報機器として携帯性・ファッション性に優れたリスト型(腕時計型)端末が急浮上してきた。データ管理ややり取りができる製品に加え、需要の多いオーディオプレーヤーやデジタルカメラなども相次ぎ商品化される。これらを可能にしたのは、バッテリーの小型化など広範にわたる技術革新だが、製品化に必要な微細加工技術は日本の時計メーカーが最も得意とするところ。衣服のように身に着ける“ウエアラブル”の一つとして、“リスト型端末時代”の到来を予言する声も聞かれる。(高橋真人)...◇このところ様々な腕時計型の情報端末の商品化が相次いでいる。“リストドリーム”と銘打った商品群の1つとして昨年GPS(衛星利用の位置測定システム)内蔵ウオッチを発売したカシオ計算機が来月30日に発売するのはリストオーディオプレーヤーで、5月からはリストカメラも発売する。...一方、ソニーが商品化した腕時計型ワイヤレスリモコンは、携帯型MD(ミニディスク)プレーヤーの操作用。...』(同2000.2.25)、(6)『新型のMDウォークマン リモコン操作は腕時計でOK ソニー21日発売』の見出しのもとに『腕時計を操作すれば、ポータブル・ミニディスク(MD)プレーヤーから音楽が...。ソニーは、腕時計型のリモコンから再生操作が行える“MDウォークマン・MZーE7W”を21日から発売する。腕時計型リモコンで演奏開始や停止、音量調節が行えるほか、液晶画面にはMDの動作状況や再生中の曲名が表示される。腕時計型のリモコンをポータブル音楽プレーヤーに採用したのは世界で初めてという。もちろんリモコンとしてだけでなく、時刻表示やアラームなど“腕時計”としての機能ももつ。価格は42000円で月産1万台を計画している。ソニーでは“将来的にはディスクを使わずに、半導体メモリーを搭載した腕時計型ウォークマン商品の登場も考えられる”と話している。』(産経新聞2000.1.12)、そして、例えば『腕時計』が『リストウォッチ』、『手首に巻くバンドや飾り』が『リストバンド』といわれているところである。そうすると、技術革新により携帯性・ファッション性に優れたリスト型の商品が相次いで商品化されるということ、さらに、出願人をも含む数社がオーディオに関する腕時計タイプ(または腕時計に該機能を組み込ませたもの)商品を発売していることからすると、『腕にはめる音響に関する再生装置』といった意味合いを看取させる本願商標をその指定商品中、例えば上記商品に使用しても、単に商品の品質を表示しているものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記のとおり、「リストオーディオプレーヤー」の片仮名文字よりなるところ、その構成中の「リスト」の文字が「目録、名簿、手首、経済学者の人名、作曲家の人名」等の意味(広辞苑 第5版)、「オーディオ」の文字が「音の録音・再生・受信、またその装置」の意味(広辞苑 第5版)、及び「プレーヤー」の文字が「演奏者、レコードプレーヤー」の意味(広辞苑 第5版)を有する外来語として、それぞれ知られているところである。

そして、本願商標の構成中の「リスト」の文字部分が「手首」の意味を有する語として限定して理解される場合があるとしても、これらが結合した「リストオーディオプレーヤー」の文字よりは、直ちに原審説示のように、「腕にはめる音響に関する再生装置」といった意味合いを看取させるとまではいい難いものである。

さらに、上記2の原審における拒絶の理由中の新聞記事例中に、「腕時計型」の語を用いた記述部分が認められるとしても、具体的に「リストオーディオプレーヤー」及び「リストカメラ」の文字を用いた新聞記事例は、全て請求人(出願人)本人の商品に関する記事であり、本願商標の登録出願日(平成11年10月4日)以後の平成12年(2000年)以降に掲載されたものである。

加えて、当審において職権をもって調査したところ、請求人(出願人)以外の者が、該「リストオーディオプレーヤー」の文字を特定のオーディオプレーヤーの品質、効能、用途等を表示するものとして、普通に使用している事実を見出すことができなかった。

そうとすれば、該「リストオーディオプレーヤー」の文字が一般用語として、取引者、需要者の間に定着するに至っているともいえないものである。

してみると、本願商標は、商品の品質を表すものとして認識され得るものではなく、全体をもって、一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であって、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、また、本願商標は、前記1のとおり、指定商品については、補正されているものであるから、これを指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなくなった。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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