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Trademark Appeal Case

不使用取消の同一性・商品

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30962(T2002−30962/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2049659号商標の指定商品中の「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2049659号商標(以下「本件商標」という。)は、「クロネコ」の片仮名文字を横書きしてなり、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品として、昭和60年4月26日に登録出願、同63年5月26日に設定登録され、その後、平成14年9月4日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。

1.請求の理由

本件商標は、その指定商品中「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれかによって使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。

2.答弁に対する弁駁

(1)使用に係る商標について

本件商標は、片仮名「クロネコ」を横書きしてなるものであるが、乙第1号証ないし乙第4号証の2に見られる商標は、片仮名文字「クロ」と「ネコ」とが上下二段に表され、その後に「探検隊(ロゴ)」が配されている。その商標の構成は、デザイン化された文字「探検隊」と、その左側の二段書き「クロ/ネコ」の結合からなるものである。「クロ/ネコ」の部分全体で「探検隊(ロゴ)」を構成する文字と同大となるように構成されており、「クロ/ネコ」の部分は、「探検隊(ロゴ)」に密着しているような印象を与える一体不可分の結合商標である。

乙第1号証の「お知らせ」の部分には「クロネコ探検隊が秋を満喫するお手伝いを致します。」との記載がなされ、乙第2号証ないし乙第4号証の2の最後部には「クロネコ探検隊トップページへ」と記載がなされている。

以上の事実より、使用に係る商標は、片仮名文字「クロ」と「ネコ」を上下二段に配し、ロゴ「探検隊」を後置して一体的に構成される「クロ/ネコ/探検隊(ロゴ)」であることは明確である。

また、上記使用に係る商標は、商標法第50条第1項括弧書きの「登録商標と社会通念上同一と認められる商標」ではなく、したがって、「登録商標の使用」には該当しない。

(2)使用に係る商品について

被請求人は、「ジャンル別検索」項目の中の「楽しむ・遊ぶ」の中に「スポーツ・レジャー用品」の区分が確認され、「野球」、「テニス」等をキーワードに検索をすると、登録された業者の店舗名が表われ、各店舗のホームページにジャンプし、ネットショッピングが実行できるとの主張をしている。

以上の状況から、請求人は、「クロ/ネコ/探検隊(ロゴ)」を役務について使用していることは窺えるが、商品「運動具及びこれらの部品並びにこれらに類似する商品」について使用していることを示すものではない。つまり、商品商標の使用に該当する行為とは、例えば、運動具に登録商標を付する行為(商標法第2条第3項第1号)や、運動具に登録商標を付したものを譲渡等する行為(同第2号)、及び運動具に関する広告、価格表若しくは取引書類に登録商標を付して展示等する行為(同第8号)をいうのであって、被請求人の主張する使用行為は「スポーツ関連業者に関する情報の提供」という役務である。よって、「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」の使用に該当しない。

以上より、被請求人は、本件商標をその指定商品中「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」について使用していることを証明したとはいえない。

(3)したがって、本件商標の指定商品中の「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」についての登録は、取消を免れ得るものではない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出した。

1.被請求人は、本件審判請求の予告登録日以前に本件商標を商品「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」に使用している。

(1)乙第1号証は、被請求人が提供するホームページであり、1998年より現在まで継続して提供されている(http://tanken.kuronekoyamato.co.jp/)。

(2)乙第1号証ないし乙第4号証の末尾に記載されている「Copyright(C)1998Yamato Transport,all right reserved.」の「1998」は、本ホームページの開設が1998年であることを示すものである。本ホームページは、食料品・日用雑貨・被服・スポーツ用品・化粧品・文具等々様々な商品を販売する業者を検索でき、登録されている業者からネットショッピングができるようになっている。いわば通信販売のネット版と理解することができる。平成14年10月22日現在で登録店舗数は9,322店であり、あの有名な「楽天市場」の登録企業数(平成14年10月10日現在9360)とほぼ互角である。また、本ホームページ開設時以来のアクセス数は216万6190件である。よって、本ホームぺージも楽天市場に劣らず周知であることが明らかである。

(3)乙第1号証ないし乙第4号証の上部矢印箇所に「クロネコ」の商標が上下二段にして表示されている。この表示は、本ホームページのほとんどの場面で上部に表示されており、利用者に強く意識されるものである。表示は、上下二段ではあるが、連続一語として認識でき、本件商標と実質的に同一性を有している。

(4)乙第1号証の「ジャンル検索」項目の中の「楽しむ・遊ぶ」の中に「スポーツ・レジャー用品」の区分を確認できる。この区分には440店が登録されており、この440店の中から「野球」をキーワードに検索した結果が乙第2号証であり、「テニス」をキーワードに検索した結果が乙第3号証、「ゴルフ」をキーワードに検索した結果が乙第4号証である。

乙第2号証ないし乙第4号証の検索結果の中央上部の日付は、本ホームページに新規登録された日又は更新日であり、少なくともその日付以降は本ホームページにおいて当該業者が登録され、商品販売の宣伝ページとなっていることが確認できる。その日付の下の下線付き青字は店舗名であり、その下は各店舗のPR文である。店舗名をクリックすると、各店舗のホームページにジャンプし、ネットショッピングが実行できる。

(5)乙第2号証では、「野球」をキーワードに全440店中10店が検索されている。2店舗目の「ライナースポーツ」及び6店舗目の「野球用品専門店ベースボールK」は、それぞれ「野球用品専門店」とあり、3店舗目の「野球・陸上プロショップバンダイ」は「野球、陸上.あらゆるスポーツ用品の販売をしており...」とあるなど、その他の店舗でも野球用具の販売を行っていることが確認できる。

(6)乙第3号証では、「スキー」をキーワードに全440店中13店が検索されている。6店舗目の「スキーチューンナップ再生工場」では中古スノーボードの販売を行っており、8店舗目の「マテリアルスポーツ」は「...スキー・スノーボード用品を取り扱っております。」とあるなど、その他の店舗でもスキー用具の販売を行っていることが確認できる。

(7)乙第4号証では「ゴルフ」をキーワードに全440店中43店が検索されている。乙第4号証の1の8店舗目の「ゴルフエフォート」は中古クラブの専門店、9店舗目の「オーダークラブ専門店OKゴルフへようこそ!」はオーダークラブ専門店であり、12店舗目の「オンラインゴルフショップバード」ではゴルフ用品・クラブ等のオンラインショップであるなど、その他の店舗でもゴルフ用具の販売を行っていることが確認できる。

なお、登録内容に虚偽がある場合は、本ホームページへの登録の拒否・取消がなされるものとされている。

2.以上のとおり、被請求人は、本件商標を1998年より継続して今日まで使用しており、本件商標に不使用による取消理由がないことが明らかである。

第4 当審の判断

1.乙各号証及び答弁の理由によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)の上部左には、いずれも「クロ」と「ネコ」の片仮名文字を上下二段に書し、その右側に「探検隊」(「検」の文字部分は、旁の下部を長靴で表し図案化されている。)と書した文字が表示されているところ、「探」、「検」、「隊」の各文字の大きさは、上下二段に書された「クロ」と「ネコ」とを合わせた大きさとほぼ同じであって、「クロ/ネコ」、「探」、「検」、「隊」は、ほぼ同一の間隔で書され、緑色が施されている(但し、前記「検」の旁の長靴部分は、黄色で表されている。)。そして、該「クロネコ探検隊」の文字の上には、「宅急便でお取り寄せできるお店の検索エンジン」(「宅急便」の文字部分は赤色で、その他の文字部分は緑色)の文字が記載されている。

(2)乙第1号証には、前記「クロネコ探検隊」の文字の下に、「2002年10月22日 登録店舗数 9322店」の文字が記載され、「クロネコ探検隊」の文字の右側には、「お気に入りのお店は見つかるかしら?」、「さあ、一緒にお店を探しに行こう!」と記載され、「お知らせ」欄には、「秋はスポーツ、読書、グルメと楽しみがいっぱい。クロネコ探検隊が秋を満喫するお手伝いを致します。」の記載がある。さらに、「※地方の産物をお探しなら→『地方別検索』」、「アクセス回数の多いお店を見てみたい→『アクセスランキング』」などと記載され、「ジャンル検索」として、例えば、「楽しむ・遊ぶ」の項目には、「TV・VTR・音響製品(140店)・・・スポーツ・レジャー用品(440店)」などの記載がある。

(3)乙第2号証は、乙第1号証の「ジャンル検索」から「スポーツ・レジャー用品」を選択し、さらに、「野球」のキーワードを入力して検索した結果であるところ、10店舗が検索されたというものである。

(4)乙第3号証は、乙第1号証の「ジャンル検索」から「スポーツ・レジャー用品」を選択し、さらに、「スキー」のキーワードを入力して検索した結果であるところ、13店舗が検索されたというものである。

(5)乙第4号証の1及び2は、乙第1号証の「ジャンル検索」から「スポーツ・レジャー用品」を選択し、さらに、「ゴルフ」のキーワードを入力して検索した結果であるところ、43店舗が検索されたというものである。

(6)乙第2号証ないし乙第4号証の2の検索された店舗の末尾には、「選択したお店の詳細情報を表示」などと記載され、また、「クロネコ探検隊トップページへ」の記載もある。

2.(1)前記1.で認定した事実を総合すると、被請求人は、インターネットを利用して商品を購入した顧客に対し、その商品を顧客のもとに配送する目的をもって、インターネットの自己のホームページに、各種商品の販売業者及びその取扱いに係る商品などの情報を掲載をしているものと推認することができ、掲載された販売業者の中にスポーツ用品を取り扱う業者が含まれているとしても、これら業者は、本件商標の使用に関し、全く何らの関係を有しない者であるうえに、被請求人が、スポーツ用品に本件商標を付して販売をしているとか、本件商標を付したスポーツ用品を引渡しのために展示しているものではなく、また、被請求人の取扱いに係るスポーツ用品に関する広告に本件商標を付して展示しているわけでもない。

そうすると、本件使用に係る商標は、商品の販売に関する情報の提供といった役務についての識別標識であって、スポーツ用品自体の識別標識とみることはできない。

(2)本件商標は、前記したとおり、「クロネコ」の文字を書してなるものであるのに対し、本件使用に係る商標は、前記1.(1)で認定した構成よりなる商標である。

そして、使用に係る商標は、その構成中、上下二段に書された「クロ」と「ネコ」の文字部分と「探検隊」の文字部分は、「検」の旁の長靴部分が黄色で表されているとしても、そのほかの部分はすべて緑色で統一され、「クロ/ネコ」の文字部分のみが分離されて表示されているということもいえない。また、乙第1号証の「お知らせ」欄及び乙第2号証ないし乙第4号証の2の最終頁下部に記載された「クロネコ探検隊」の表示からしても、乙各号証の上部左に表示された「クロネコ探検隊」は、一体不可分のものを表したと理解され、「クロネコ」の文字部分が独立して認識されるものとは認めることはできない。

してみると、使用に係る商標と本件商標とは、外観において著しく異なるばかりでなく、使用に係る商標より生ずる「クロネコタンケンタイ」の称呼と本件商標より生ずる「クロネコ」の称呼も明らかに相違し、さらに、観念においても同一のものとはいえない。

したがって、使用に係る商標は、登録商標の使用をしているものと認めることはできない。

3.以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本において、商標権者がその請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしていることを証明したということはできず、かつ、請求に係る指定商品のいずれかに本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていないというべきであるから、本件商標は、その指定商品中「運動具及びこれらの部品及び附属品並びにそれらに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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