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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35434(T2001−35434/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4359263号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成10年10月28日に登録出願され、第14類「貴金属、貴金属製食器類、貴金属製のくるみ割り器・こしよう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ、貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て、貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布、貴金属製喫煙用具、身飾品、宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計、記念カップ、記念たて、キーホルダー」を指定商品として、同12年2月4日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、甲第1号証ないし甲第12号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)登録第2116351号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和60年10月28日登録出願、第23類「電子時計、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年2月21日に設定登録されたものである(甲第3号証)。

(2)本件商標と引用A商標を比較すると、それぞれの構成は前記の通りであるから、外観において類似するとはいえないものである。また、観念においても共通するものはない。

次に、本件商標は、その構成文字より自然に「メガタイム」の称呼が生じるものであり、引用A商標は、その構成文字全体から「オメガタイムコンピュータ」の称呼が生じるものであるが、引用A商標がその指定商品にみるとおり「電子時計」に使用されるものであること、及び、請求人はオリンピック等の国際競技会の記録用時計及び宇宙、深海の探査に用いられる産業用時計も製造しており、このような時計はコンピュータにより操作されるものであること、また、コンピュータ(CPU)が、掛け時計、腕時計にも大いに利用されていることからすると、引用A商標の構成中「COMPUTER」の文字部分は商品の品質を記述するもので自他商品識別力が無いと言うべきであり、商標の類否の判断における要部とはなり得ないから、「OMEGA TIME」の文字部分が自他商品識別の機能を有する部分であり、該文字部分に相応し「オメガタイム」の呼称をも生じる。

そこで、本件商標の呼称「メガタイム」と引用A商標の呼称「オメガタイム」とを比較すると、両呼称は、それぞれの構成音中「タ」の音にアクセントが置かれて強く発音されるのが普通であり、「オメガタイム」の「オ」音は語頭に位置するがやや弱く発音されるから、「オメガタイム」と「メガタイム」は聞き誤られる虞れがあるといわざるを得ない。

(3)本件商標の指定商品における第14類「貴金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及び宝玉の模造品、時計」と引用A商標の指定商品である第23類「電子時計、その他本類に属する商品」の類否を検討する。

まず、「時計」については互いに抵触する。更に、「金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及び宝玉の模造品」と「時計」については、「貴金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及び宝玉の模造品」が、貴金属・宝石を用いた、いわゆる宝飾品の概念に属する商品であるが、「時計」もまた同様に極めて宝飾性が高いものであり、実益性のほか、趣味性が高く、身体を飾り、直接に人の美しさを増すものという意味で、両者は共通し密接な関連を有する為に、同一の店舗・売り場又は隣接・直近の売り場で展示し、取り引きされているのが現状である。このような商品は互いに類似すると言うべきである。

(4)以上述べたとおり、本件商標は、引用A商標と称呼上互いに混同を生ずる程に相紛らわしい類似の商標であり、「時計」という同一の商品を指定してなるものであり、さらに「貴金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及び宝玉の模造品」についても、「時計」と商品の性格、販売経路等を共通にするものであるから互いに類似する商品であると言わなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に該当し、その登録は取り消されるべきである。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)請求人は、スイス連邦所在の法人であって、約150年の歴史を有する世界屈指の時計メーカーとして大変著名である。創始者ルイ・ブランが、スイス連邦共和国が生まれたと同じ1848年に時計工房を創業、1880年に後継者が本社をビエンヌに移転、その後、時計業界で最初に部品1つに至るまでの一貫生産方式を採用したり、互換性のある部品規格の標準化を原則とするスイス初の分業方式を導入するなどして、比類無き品質と精度を誇る会社となった。1894年に発表した新型時計に「Ω」(オメガ)商標を使用したところ、同商標はたちまち優れた時計の代名詞となり、1903年、社名として採択使用されるに至った。

(2)「OMEGA」、「オメガ」商標は、日本国内においても極めて周知著名である。当該事実を証明するため特許庁のホームページの「日本国・周知著名商標」の「OMEGA」商標の項目の写しを提出する(甲第4号証)。また、同商標は英和商品名辞典、コンサイス外来語辞典にも掲載されているのでこれらの写しを提出する(甲第5号証及び甲第6号証)。

(3)同社の時計製品は日常一般・産業用、また宇宙・深海等の探査において、さらにはオリンピックその他の世界的な競技大会における時計・計測用の公式時計として採択され、その製品についての品質の優秀性を誇っているが、請求人の製品の中には宝飾性の高いラインナップもあり、日本を含む全世界の需要者の憧憬を集め、「Ω/OMEGA」マークの時計は高級品とのイメージが一般に定着している。このような宝飾時計は高価な時計であるとともに、芸術作品として、また装身具・宝石としての高い評価を得ているものである。

(4)請求人の商標「OMEGA」は上記のように世界的に著名であるところ、本件商標「megatime」のように、「OMEGA」の一部分を含み、時計と密接な意味合いを有する「time」の語と組み合わせた商標が「時計」は勿論、時計と密接な関連を有する「貴金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及び宝玉の模造品」について登録され、使用された場合には「あのオメガの商品」であると商品の出所に関して混同誤認されることは必至である。

(5)また、請求人は、本件商標が具体的な出所の混同を生ずる虞れがある事を立証するために、別掲のとおりの構成よりなり、平成7年1月11日登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載の通りの商品を指定商品として同9年7月18日設定登録された登録第4030613号商標(以下「引用B商標」という)を引用する。

即ち、請求人は、「MEGA」という接頭辞を含む「MEGAQUARTZ」という言葉を既に登録、使用しているので、それを知る取引者や需要者は、本件商標「megatime」を見て、オメガ社の一連の商標であると認識する可能性は非常に高いといえる。特に、共通の「MEGA」の存在に加えて、「TIME」や「QUARTZ(水晶時計)」が時に関連した言葉であるから、両者間の関連づけは一段と容易である事も考慮されるべきである。

(6)本件商標は、「時計」の他に、「貴金属製のがまロ、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品、宝玉及びその模造品」をも指定商品とするものである。オメガのカタログ(甲第8号証)を見ても、「Haut de Damme」(女性の時計を意味する)として紹介されているものには、ダイヤモンド、サファイ、ルビー等の宝石がちりばめられており、宝飾品そのものと言うべきである。例え、宝石が配されていないものであっても、金無垢であったり金張りであったり、既に貴金属製の身飾品というに他ならない。

時計の機械的な部分のコストには限界があるが、時計に何十万円、何百万円の値段が付くのは、貴金属・宝石のコストによるのである。従って、今や、時計は宝飾品と言って過言ではない。この傾向は、オメガの時計のみならず、いわゆるブランド時計、シャネル、カルチェ、エルメス等のブランド時計にも当てはまるものである。

かくして、時計は宝飾品と同等に扱われ、同一の店舗・売り場又は隣接・直近の売り場で展示、取り引きされる。ここにおいて、「時計」と「宝飾品」について互いに類似する商標(ブランド)が付された場合には、それらの商品の出所が混同される可能性は大である。即ち、現代の需要者は海外ブランドを好む傾向が強く、また、情報は過多である。従って、多少でも、海外ブランドの時計に興味のある者は、著名な「OMEGA」のブランドを認知しているから、これに類似する「megatime」のブランドが貴金属製の身飾品、貴金属製コンパクト、貴金属製がま口等に使用された場合には、多くの需要者が、それらの商品がOMEGA社と何らかの関連があると誤認する可能性は極めて大である。そして、このような場合に、貴金属製の身飾品、貴金属製コンパクト、貴金属製がま口等に刻印された商標(ブランド)が極めて小さく表示されていることを考慮すべきである。

(7)本件商標は世界的に著名な商標「OMEGA/オメガ」に巧妙に近づいた商標であって、本件商標が「時計」は勿論「貴金属製のがま口、貴金属製のコンパクト及び財布、身飾品,宝玉及び宝玉の模造品、時計」に使用された場合には、その商品が請求人の業務に係る商品であると誤認され、出所混同を招来する虞がきわめて高いものである。

よって、本件商標は第4条第1項第15号の規定に該当し、商標登録を取り消されるべきである。

3 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、「引用A商標は、指定商品との関係からみて、電子時計あるいは単なる時計をいうものと認識される。」と述べているが、そのような認識を裏付ける資料は提示されていない。因みに、研究社発行の新英和大辞典、講談社発行の英和中辞典を紐解いても「TIME COMPUTER」なる言葉は掲載されていない(甲第11号証及び甲第12号証)。即ち、本語は造語であって、電子時計或いは単なる時計を指称する言葉ではないと言うべきである。

また、被請求人は、仮に引用A商標が「オメガタイム」と称呼されることがあるとしても、著名といわれる「オメガ」が語頭にあるのであるから、これが他方の「メガ」と聞き間違えられるようなことになるものとは考えられず、一連の称呼も紛れることはないものというべきであると主張するが、本件商標は「メガタイム」の称呼を、引用A商標は「オメガタイム」の称呼を生ずるが、それぞれの構成音中「タ」にアクセントがあるため、語頭音はやや不明瞭に響くから、それぞれの称呼したときには、互いに類似すると言うべきである。

(2)被請求人は、請求人が時計に関して使用する登録商標「OMEGA」「オメガ」の著名性を認めている。その上で、本件商標は、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」と同一又は類似のものでないことは明らかであり、商標としての外観構成上又は称呼、観念上、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」を含むという関係にあるものでもないと主張しているが、商標法第4条第1項第15号にいう「出所の混同」については、該当する商標が著名商標をそのまま含んでなることを必要としない。その一部を含む場合であっても、また、含むような関係になくても、具体的に商品の出所に関して誤認混同を生ずるおそれがあれば足りるのである。

「OMEGA」「オメガ」は世界的に著名な商標であり、本件商標が指定商品中特に「時計」に使用された場合には、需要者をもって「オメガの時計」であると、その出所に関して誤認混同させる可能性を否定し得ないと言うべきである。特に、時計に商標が刻印される場合には、かなり小さく表示されることになるから、需要者が商品の出所に関し、とっさに思い違い、取り違いをする事が容易に予想されるのである。即ち、具体的出所の混同が生ずる虞れがあるといわざるを得ない。

また、「貴金属製のがま口,貴金属製のコンパクト及び財布,身飾品,宝玉及び宝玉の模造品」についても、時計との商品上の類似性を有するものであり、商標を商品に刻印する場合の事情も時計に近似するものであるから、本件商標がこれらの商品に使用された場合に、商品の出所に関し誤認混同が生ずる虞を否定できない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第2号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標は、「megatime」の欧文字を同書、同大、同間隔に書してなるものであり、冗長な構成でもないから、外観上分離して観察されるということはない。そして、「メガタイム」の自然の称呼が生ずるものであり、発音上分離されるような要素もない。また、本件商標は、「mega」と「time」の結合語であることは、容易に認識され、いずれも、ごく親しまれた語であるから、全体として「とてつもない長い時間(歳月)」のような意味合いの一つの語として把握されるものであることは明白である。したがって、観念上も分離されることはないものというべきである。

(2)他方、引用A商標は、後半の「TIME COMPUTER」は、指定商品との関係からみて電子時計あるいは単なる時計と認識されるものであるから、「オメガタイムコンピュータ」又は後半の「TIME COMPUTER」に相応する「タイムコンピュータ」の部分が省略され、単に「オメガ」とのみ称呼されることがあるものと認められる。

(3)請求人は、引用A商標の構成中の「COMPUTER」が商品の品質を記述するものであるから、「オメガタイム」と称呼されると主張している。しかし、引用A商標にあっては、その構成中の「OMEGA」が請求人の主張によると国内において著名なものであり、後半の「TIME COMPUTER」が前述のように一つのまとまりのある語であるから、「OMEGATIME」のみが分離して認識されるということはあり得ない。

引用A商標は、「オメガタイムコンピュータ」又は「オメガ」と称呼されるものとするのが自然である。少なくとも、引用A商標からは、「オメガタイム」の称呼が生じない。

(4)本件商標と引用A商標は、外観及び観念上類似するものでないことは、詳述するまでもなく明らかなところである。

次に、称呼についてみると、一方が「メガタイム」であるに対し、他方が「オメガタイムコンピュータ」又は「オメガ」であるから、音数、音構成において大差があり、取引における通常の注意力の下にあって、これらが彼此聞き誤られるおそれはない。

なお、請求人は、「time」の語について、一方では、「時計と密接な意味合いを有する」とし、他方では、「OMEGA TIME COMPUTER」における「TIME」が商品と何らの関係もないように捉えて主張するなど、まことに恣意的であるが、仮に、請求人主張のように、引用A商標が仮に「オメガタイム」と称呼されることがあるとしても、著名といわれる「オメガ」が語頭にあるのであるから、これが他方の「メガ」と聞き間違えられるようなことになるものとは考えられず、一連の称呼も紛れることはないものというべきである。この点につき、請求人は、また、引用A商標が「オメガタイム」と称呼され、「オメガタイム」のうち、語頭の「オ」音はやや弱く発音されるかのように主張されている。しかしながら、著名といわれる「オメガ」の「オ」が弱く発音されものとは常識上考えられない。因みに、請求人提出の外来語辞典(甲第6号証)によると、「オメガ(Ω)」は、「大きい0」のことをいうものであるようであり、その読み名から「オ」が脱落するようなことは、とても考えられないことである。「オ」が脱落すると、請求人主張のようなギリシャ文字アルファベットの「Ω」の表音ではなくなるし、ひいては「究極の時計」の意を表現するということにもならないからである。

また、本件商標にあっては、「mega」「メガ」が「巨大な、ものすごい」などの意の複合辞として親しまれており、頻繁に使われているから、これが「オメガ」と紛れるということにはならないことは明らかである。

(5)したがって、本件商標と引用A商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても非類似のものである。

(6)請求人は、「時計」と「貴金属のがま口」などは類似商品であると主張しているが、仮に、指定商品において、同一又は類似するとしても、前述のように、本件商標は引用A商標と類似しないものであることが明らかであるから、商標法第4条第1項第11号には該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)請求人は、「OMEGA」「オメガ」の著名性を主張し、引用B商標「MEGAQUARTZ」の登録、使用との関係で取引者、需要者が本件商標をオメガ社の一連の商標であると認識する可能性が非常に高いと主張しているが、理由があるものとは思われない。

(2)被請求人は、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」が商品「時計」について著名であるという点については争わない。また、たとえば、「OMEGA」「オメガ」若しくは「Ω」と同一又はこれらと類似する商標を「身飾品、宝石」について、他者が無断で使用すれば、商品の出所について混同を生じるおそれがあるという点についても争わない。

しかしながら、本件商標は、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」と同一又は類似のものでないことは明らかであり、また、商標としての外観、称呼又は観念上、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」を含むという関係にあるものでもない。

本件商標は、前述のように、全体として「とてつもない長い時間(歳月)」「100万時間」のような意味合いの一つの語として把握されるものであることは明白であり、被請求人も、本件商標権の取得時において、これが「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」と関連するものとして認識されようなどとは、考えもつかないことであり、本件商標の指定商品分野における取引者又は需要者にあっても、「OMEGA」「オメガ」又は「Ω」と関連のあるものとものとして認識されることがあるものとは思えない。

(3)請求人は、引用B商標の「MEGAQUARZ」を登録、使用しているので、「それを知る取引者や需要者は、本件商標を見て、オメガ社の一連の商標であると認識する可能性が高いといえる。」と主張しているが、「MEGAQUARZ」が登録されていることを知っている取引者や需要者がそれほどいるものとは思えないが、引用B商標の存在により、本件商標がオメガ社の一連の商標であると認識する可能性が高くなるという理屈は、全く理解できない。

(4)請求人は、時計に商標が刻印される場合には、かなり小さく表示されることになるから、需要者が商品の出所に関し、とっさに思い違い、取り違いをすることが容易に予想されるとし、この事情は、貴金属製の商品についても近似すると主張しているが、およそ、取引の実情を無視したものといわざるを得ない。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおりの構成よりなるところ、構成中「mega」が、「巨大な、100万個の」等の意味を有し、「megacity」(人口100万以上の巨大都市)、「megaphone」(拡声器)のように、「巨大な、大きい、100万の」等の意味合いを有する複合語を形成する接頭辞であること、同じく「time」が、「時、歳月、時期」等の意味を有する親しまれた英語であり、各構成文字は外観上まとまりよく一体的に表現されていることからすれば、全体として「膨大な時間・歳月」の如き一つの意味合いを有する一体不可分の商標と認識されるというべきである。

そうとすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「メガタイム」の称呼及び「膨大な時間・歳月」の観念を生ずるものというのが相当である。

他方、引用A商標は、「OMEGA TIME COMPUTER」の文字を書してなるところ、その構成は外観上まとまりよく表されていること、構成中の「OMEGA」が請求人の業務に係る商品「時計」を表す商標として世界的に知られていること、同じく構成中の「TIME COMPUTER」が、これを構成する「TIME」が「時、歳月、時期」等の意味を有し、「COMPUTER」が、「コンピュータ」の意味を有する親しまれた英語であるとしても、全体として特定の意味合いを認識し得ないものであり、造語を表したというべきであることからすると、引用A商標よりは、「オメガタイムコンピュータ」、「オメガ」及び「タイムコンピュータ」の称呼が生ずるものであり、「オメガ社」及び「オメガ社のタイムコンピュータ」の観念を生ずるというのが相当である。

そこで、本件商標より生ずる「メガタイム」の称呼と引用A商標より生ずる「オメガ」、「オメガタイムコンピュータ」及び「タイムコンピュータ」の称呼とを比較すると、「メガタイム」が5音から構成されるのに対し、「オメガ」は3音、「オメガタイムコンピュータ」が11音、「タイムコンピュータ」が8音という全く異なる構成音数からなるものであって、それぞれの構成音も、「メガタイム」と「オメガ」とは、「メガ」の音を共通にするが語頭の「オ」及び「タイム」の音の有無の差異があり、「メガタイム」と、「オメガタイムコンピュータ」とは、「メガタイム」の音を共通にするものの、語頭の「オ」及び「コンピュータ」の音の有無の差異を有し、「メガタイム」と「タイムコンピュータ」は「タイム」の音を共通にするが他の音を別異にするものであり、これらの差異がそれぞれの称呼全体に及ぼす影響は少なくないから、両者をそれぞれ称呼するときには、語調、語感を異にし十分聴別し得るものといわなければならない。

また、両商標は前記のとおり外観上互いに区別し得る差異を有するものであり、かつ観念上も全く別異のものである。

してみれば、本件商標と引用A商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標と言わなければならない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)本件商標は、その構成文字全体から「膨大な時間・歳月」の如き一つの意味合いを把握することのできるものであり、「メガタイム」の一連の称呼のみ生じること上記1に述べたとおりであるから、申立人の上記世界的に著名な商標「OMEGA」、「オメガ」とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

そうとすれば、本件商標はこれをその指定商品に使用しても、取引者、需要者が申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商標であるが如くその商品の出所について混同を生ずることはないと判断するのが相当である。

(2)また、請求人は、別掲のとおり「MEGA」の接頭辞を付した引用B商標を所有し、使用しているから取引者、需要者が本件商標「megatime」を見て、オメガ社の一連の商標であると認識する可能性が高い旨主張するが、申立人が提出した各号証によれば、引用B商標あるいは引用B商標を構成する「MEGA」の文字部分が申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者、需要者間に広く知られたものと認めることは出来ない。

なお、請求人は甲第9号証及び甲第10号証を提出し、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張するが、本件とは商標の構成等において事案を異にするものであるからこれを採用することはできない。

3 結論

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反してされたものと認められないから、同法第46条第1項に基づき、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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