結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30131(T2002−30131/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2181077号商標(以下「本件商標」という。)は、「三陽物産」の文字を横書きしてなり、昭和62年7月17日に登録出願、第9類「食料または飲料加工機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成1年10月31日に設定登録、その後、同11年11月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。本件取消審判の請求の登録は同14年3月6日にされている。
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中『遊園地用機械器具,パチンコ玉研磨機,メダル研磨機,パチンコ玉の自動補給回収循環装置,スロットマシン用メダルの自動補給回収循環装置,パチンコ玉貸し機,パチンコ玉計数機,スロットマシン用メダル貸し機,メダル計数機,ならびにこれらに類似する商品』については、その登録は、取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べている。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項に該当する。
(1)まず、被請求人が本件商標を使用していると主張する「パチンコ及びスロットマシン専用の景品」について述べる。
ゲームのプレーヤーは、この景品を次の手順で入手する。すなわち、パチンコゲームで得られた玉又はスロットマシンゲームで得られたメダルを、ゲーム場の店内に設置された玉又はメダル用のホッパーに投入して、出玉に応じて出されたレシートを店内の景品カウンターに持っていって、ゲーム場従業員に手渡す。ゲーム場従業員は受け取ったレシートを景品自動支払機に挿入し、同機の自動計算により景品として「ICメモリなどを含んだプラスチック製のカードと、ペンダント又はメダル、あるいはマーカー」が払い出されて、これがゲームプレーヤーに手渡される。
この手渡された「ICメモリなどを含んだプラスチック製のカード」は、そこに印字されたNO.5000、NO.1000等の数字に応じてゲーム場店外で金銭に換金される証書となるものであり、一種の兌換券にすぎない。すなわちこの景品と主張する物は、ゲームプレーヤーに金銭と引き換えに販売される商品ではない。
したがって、パチンコゲームやスロットゲームに関連する特殊景品と主張する物は、商標法上の商品ではなく、当然本件取消請求に係る指定商品に該当するものではない。
なお、被請求人は、上記景品と主張する物に係る納品書、請求書等を使用を証する書面として提出しているが、本件商標の指定商品の使用とは何らかかわりがない。
(2)次に、被請求人は、本件商標「三陽物産」を被請求人の商号「株式会社三陽物産」を示す商号商標として取得しているので、「(株)三陽物産」あるいは「株式会社三陽物産」という表示をしたものについて本件商標の使用であると主張している点について述べる。
そもそも、商号商標とは、「株式会社」「有限会社」等の企業の組織形態を明示する語と他の語とが結合した語を商標として使用する場合に称するものである。したがって、株式会社、有限会社等を含まない商標は商号商標ではなく、商号の略称であり、まして株式会社又は(株)等の組織形態を示す表示を含まない登録商標に株式会社等の文字を付したものは根本的に登録商標の同一性から逸脱し、登録商標の使用ではない。
したがって、被請求人の主張する「卓上型景品自動払出機」や「景品買取機」に表示されている標章の使用態様は、単に発売元の商号を表示しているだけであって、本件商標の使用ということはできない。
(3)以上述べたことから、被請求人の述べている事項は商標法上の商品性ばかりでなく、標章自体の態様からも登録商標の使用ということはできない。
したがって、本件商標は、取消請求に係る指定商品について使用されているものではない。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第12号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)乙第2号証(枝番は省略した。以下同じ。)は、それぞれ模様を異にした3種類と5種類の異なるタイプのパチンコ及びスロットマシン専用の景品を並べてカラーコピーしたもので、ICメモリなどを含んだプラスチック製のカード型形状を備えており、ペンダント,メダルあるいはマーカーを内蔵してあり、いずれの景品にも販売元として本件商標である「三陽物産」という表示が、商号と兼用して用いられていることが一見して誰でも容易に認知できる。
これらのコピーに示されるパチンコ及びスロットマシン専用の景品は、例えば乙第3号証のカタログに示す各ゲーム場内に設置できる卓上型景品自動払出機を利用することによって、必要な景品が店内で自動的に得られるものであって、パチンコ及びスロットマシン用にのみ用いられている特殊な景品であって、請求人が取り消そうと主張している本件商標の指定商品に該当するものであることは明らかである。
(2)乙第4号証は、被請求人の取引先の一社である、ミマツ観光有限会社(店名は「アクセス248」として営業している。)が発行した証明書であり、これを裏付けるものとして被請求人が発行した納品書を乙第5号証として提示する。
(3)乙第7号証は、特殊景品及び卓上型景品自動払出機(乙第3号証)の両者を含む株式会社ザップの使用証明書である。
なお、乙第3号証の実物写真について、株式会社ザップに備え付けられている事実を乙第8号証として提示する。
(1)乙第9号証は、景品交換所である有限会社若狭物産の証明書であって、被請求人の商号「株式会社三陽物産」を表示した「景品買取機」の納入した事実を証明するもので、ゲーム顧客が持参した特殊景品を現金等に交換する機器である。
(2)次に、商品の「パチンコ及びスロットマシン用の景品」の仕入先である株式会社ジーエス企画が作成した証明書を乙第10号証として提示する。
この証明書によれば、被請求人が販売している特殊景品を納入している事実を示すものであって、乙第11号証及び同第12号証の納品書及び請求書によって、実際の取引があったことが示されるとともに、これらから分かるように、品名欄に記載されている品名はすべてパチンコやスロットマシン用の特殊景品であることは容易に認められる。
以上述べたとおり、本件商標は、不使用に基づく取消理由を有しないことは明らかである。
(1)平成10年8月6日、同11年5月25日、同12年5月13日、同13年1月13日及び同13年11月2日の5回にわたり、被請求人は、株式会社ジーエス企画(埼玉県川口市所在)より、パチンコ及びスロットマシン専用カード型景品を仕入れた。該パチンコ及びスロットマシン専用の景品には「発売元」として「(株)三陽物産」と記載されていた(乙第11号証及び同第12号証)。
(2)被請求人は、ミマツ観光有限会社(愛知県豊田市所在)と、パチンコ及びスロットマシン専用カード型景品について平成11年2月より同14年5月に至るまで引き続き取引があった。該カード型景品には「発売元」として「(株)三陽物産」と記載されていた(乙第4号証ないし同第6号証)。
(3)被請求人は、株式会社ザップ(神奈川県大和市所在)とパチンコ及びスロットマシン専用カード型景品について平成12年12月より同14年5月に至るまで引き続き取引があった。該カード型景品には「発売元」として「(株)三陽物産」と記載されていた(乙第7号証)。
(4)被請求人は、株式会社ザップ(神奈川県大和市所在)に、パチンコ及びスロットマシン用卓上型景品自動払出機を平成12年12月に納品した。スロットマシン用卓上型景品自動払出機のカタログには「発売元」として「株式会社三陽物産」と記載されていた(乙第7号証)。
また、「パチンコ及びスロットマシン専用カード型景品」は、被請求人が株式会社ジーエス企画から仕入れ、ミマツ観光有限会社などに販売された事実があり、これらの取引段階においては商品として取り引きされるものであることは明らかであるから、商標法上の商品であることも、また明らかであるといわなければならない。
してみれば、商品「パチンコ及びスロットマシン専用カード型景品」に表示された「(株)三陽物産」の文字からなる商標、及び「パチンコ及びスロットマシン用卓上型景品自動払出機」の商品カタログに表示された「株式会社三陽物産」の文字からなる商標における程度の変更使用は、取引社会の通念に照らして本件商標と同一性を有するものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、請求に係る商品について、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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