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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35544(T2001−35544/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4500123号商標の指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」についての登録を無効とする。
その余の指定商品についての審判請求は、成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4500123号商標(以下「本件商標」という。)は、「クロロフイル日興製薬」と「ホワイトニング クリアアシスト」の文字を二段に併記してなり、平成12年9月22日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同13年8月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4429498号商標(以下「引用商標」という。)は、「CLEAR ASSIST」と「クリアアシスト」の文字を二段に併記してなり、平成11年12月1日に登録出願され、第3類「せっけん類,香料類,薫料,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同12年11月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第42号証(枝番を含む。)を提出している。

1.商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標は前記したとおりの構成よりなるところ、上段の「クロロフイル日興製薬」の文字中「クロロフイル」は「葉緑素」を意味する英語であるから、本件商標の指定商品の原材料表示と認められるものである。

また、「日興製薬」は商標権者の名称の略称であるから、「日興製薬」の文字部分も本件商標の要部の1つであると目される。

(2)つぎに、構成中の「ホワイトニング クリアアシスト」の文字中「ホワイトニング」は「白くすること」を意味する英語であって、「日焼けを防ぎ、しみやそばかすを予防・回復して色白の肌にすること」の観念を有する(甲第12号証及び甲第13号証)。

そして、「ホワイトニング」は「ホワイトニングクリーム」、「ホワイトニングローション」及び「ホワイトニングパック」のように商品名としても使用されている(甲第14号証)。また、国際分類アルファベット順一覧表においても、「Skin whitening creams」と記載され、その日本語訳として「スキンホワイトニングクリーム」と表示されている(甲第15号証)。

さらに、「ホワイトニング」の語から構成されている商標は、過去において自他商品識別力がないものとして多数拒絶されている例がある(甲第16号証ないし甲第25号証)。

上記の通り、「ホワイトニング」の語は、「ホワイトニング(美白)効果を有する」の意味を有し、当該業界及び特許庁の審査実務においては、本件指定商品との関係から自他商品識別力がないものとして長年認識されてきたものである。

また、構成中の「クリア」は「明晰、はっきりとしているさま」を意味する英語であり、「アシスト」は「手助けをすること」を意味する英語であって、全体として特定の意味合いを生じない一種の造語と判断される。

そして、「ホワイトニング」と「クリアアシスト」の文字は、それぞれ上記の意味を有し、両者に関連性はなく、その構成は全体として冗長であるから、「クリアアシスト」の文字も独立して自他商品の識別標識として機能し得るものであり、これより「クリアアシスト」の称呼をも生じるものと認められる。

(3)他方、引用商標は前記したとおりの構成よりなるところ、構成中の片仮名文字部分から「クリアアシスト」の称呼が生じること明らかであるから、本件商標と引用商標は「クリアアシスト」の称呼において類似するものというべきである。

さらに、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品と認められるものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

2.商標法第4条第1項第16号について

(1)本件商標中「クロロフイル」の語は「葉緑素」を意味する英語であって、本件商標に係る指定商品の原材料として使用されるものである。

そして、商標権者の登録商標の指定商品においても、「葉緑素を配合してなるジェル状洗顔料、葉緑素を配合してなる軟性栄養乳液、葉緑素を配合してなるエモリエント効果を有する軟性栄養乳液、葉緑素を配合してなる紫外線保護効果を有する化粧品、葉緑素を配合してなるせっけん類、葉緑素を配合してなる香料類、葉緑素を配合してなる化粧品」のように商品を限定しているところである(甲第3号証ないし甲第6号証)。

したがって、商品の原材料を意味する「クロロフィル」の文字を普通に用いられる方法で書してなる語を含む本件商標を「葉緑素を配合してなる商品」以外の商品に使用する場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)また、本件商標中「ホワイトニング」の語は、前記したとおり「ホワイトニング(美白)効果を有する」の意味合いを有するところ、該語は化粧品・歯磨き業界においては、商品の効能・品質・内容を表示する語として周知である。

したがって、本件商標をその指定商品に使用する場合、「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」を容易に想起するから、これ以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(3)以上の次第であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第16号により商標登録を受けることができないものであり、その登録は同法第46条第1項第1号により無効とすべきである。

3.答弁に対する弁駁

(1)商標法第4条第1項第11号について

被請求人は、答弁書において、本件商標中の「ホワイトニングクリアアシスト」からは「ホワイトニングクリアアシスト」のみの称呼しか生じないとし、また、「ホワイトニング」及び「WHITENING」の語自体又はこの語と他の識別力のない語との結合語あるいは複合語は、全体として自他商品識別力がなく、商標法第3条第1項各号に該当する事実を認めている。

ただし、本件の場合は「ホワイトニング」十「識別力を有する語」の組み合わせからなる商標であって、このような商標は、審査の実務において後半の識別力を有する語が同一又は類似するとしても、非類似の商標として区別されている旨述べるとともに1)ないし6)(乙第1号証ないし乙第13号証)の審査例を挙げているが、その内 3)は先登録商標が消滅後に登録されたものであり、4)は指定商品を異にするものであり、5)及び6)は被請求人も認めるとおり、同一の権利者によるものである。

この場合にも、甲第31号証に示す商標審査基準[改訂第7版](特許庁商標課編)の九、「第4条第1項第11号」によれば、「4.結合商標の類否は、その結合の強弱の程度を考慮し、例えば、次のように判断するものとする。ただし、著しく異なった外観、称呼又は観念を生ずることが明かなときは、この限りでない。(1)形容詞的文字(商品の品質、原材料等を表示する文字、又は役務の提供の場所、質等を表示する文字)を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似する。」としている。

上記事実を立証するものとして、過去の審判決例を提示する(甲第32号証ないし甲第35号証)。

したがって、請求人は本件商標(結合商標)の類否を判断する根拠として、その結合の強弱の程度を考慮し、「WHITENING」(形容詞的文字)十識別力を有する語であって、両語は一連の観念を持たない関連性のない、しかも、全体称呼が極めて冗長なものであるから、これら各要素を総合判断して、全体称呼の外、後半の「CLEAR ASSIST」の文字が自他商品識別力を有する部分として注目され、分離して「クリアアシスト」の称呼をも生ずるものであることを主張するものである。

この点に関し、被請求人は請求人の総合的判断を箇々別個に限定的に答弁することにより、その主張を弱めるものであって容認できない。

(2)商標法第4条第1項第16号について

本件商標の構成中「クロロフィル」の文字は、甲第37号証の1ないし6に示すとおり、被請求人が原審で商標法第4条第1項第16号の拒絶理由通知を受け、商品補正を行った事実が明らかである。このことは、被請求人が「クロロフィル」の語が商品の品質を表す語であることを認めたことに外ならない。

つぎに、本件商標の構成中「ホワイトニング」の文字は、甲第12号証ないし甲第16号証及び甲第38号証の1ないし甲第39号証に示すとおり、指定商品の品質を表す語として普通に使用されているものであり、これが後続の造語「クリアアシスト」と結び付いて、全体として一連の造語を形成するとみる特段の理由もない。

すなわち、「識別力のない語」十「造語」が結び付いて「識別力のない語」の観念が消失する理由はなく、むしろ、その観念は後続の造語に引かれてより鮮明に認識され、理解されるものといわなければならない。

したがって、本件商標の構成中「クロロフィル」及び「ホワイトニング」

の文字部分に相応し、これら「葉緑素」及び「ホワイトニング(美白)効果を有する」商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない(甲第38号証の1ないし甲第39号証)。

(3)「ホワイトニング」や「WHITENING」がそれのみでは自他商品識別力を有さないことは、先に甲第12号証ないし甲第15号証を示し述べたところであるが、さらに上記事実を補強するものとして、甲第40号証ないし甲第42号証(枝番を含む。)を提出する。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第25号証を提出している。

1.商標法第4条第1項第11号について

(1)請求人の主張は、本件商標はその構成中の「クリアアシスト」の文字部分も要部であるから、本件商標と引用商標は「クリアアシスト」の文字部分において称呼を共通にする類似商標であるというものである。

そして、要部を「クリアアシスト」とする具体的理由として、本件商標はその構成中の「ホワイトニング」の文字部分は自他商品識別力を有さず、「ホワイトニング」と「クリアアシスト」とは関連性がなく、さらにはその構成が冗長すぎるからというにある。

(2)請求人は、「ホワイトニング」や「WHITENING」が自他商品識別力を有さない根拠として、甲第12号証ないし甲第25号証を提出しているが、これらは、いずれも全体として自他商品識別力を有さないというものであって、本件商標と引用商標とのように類否の判断を必要とするものではない。

いいかえると、本件商標の該部分は「ホワイトニング」と「クリアアシスト」とからなるものであって、「ホワイトニング」のみからなるものでもなく、また、全体として自他商品識別力を有さないという構成のものではないのであるから、単に「ホワイトニング」や「WHITENING」について、これこれしかじかの意味合いがあるからとか、「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標が全体として自他商品識別力を有さない審査例があるとかの例示は、本件商標の該部分と引用商標との比較判断には馴染まない。

これまでの実際の審査の実務において、「ホワイトニング」や「WHITENING」を付加した結合語又は複合語としての商標と、「ホワイトニング」や「WHITENING」が付されていない商標とが、互いに非類似の商標として併存することを認めている事例として乙第1号証ないし乙第13号証を提出する。

そして、このような判断は後述するように、請求人が本件商標の登録が無効であることの一つの理由として「ホワイトニング」や「WHITENING」を含む商標を「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外に使用すると品質についての誤認を生じさせるおそれがあるとして商標法第4条第1項第16号の規定に疑問を呈しているにもかかわらず、指定商品についての積極限定をする必要のないことからも正当であると窺い知ることができる。もとより類否の判断を越えて積極表示をすることを妨げるものではない。

以上のことから、「ホワイトニング」や「WHITENING」を付加した商標と付加しない商標は互いに類似せざるものとして、審査において取り扱われていることを知ることができる。

したがって、本件商標中の「ホワイトニング クリアアシスト」は全体で一連不可分の称呼のみを有するというのを相当とする。

(3)本件商標の該部分は、「ホワイトニング」と「クリアアシスト」の文字からなる結合語又は複合語としての造語である。

このような造語は、語意を有する語同士の組み合せ、語意を有する語と語意を有さない語との組み合わせ、語意を有さない語のみからなる3通りが普通に存在する。

いずれの場合も形成された造語は、全体として何となく意味合いを感じさせる場合と全く意味合いを感じさせない場合とがある。

したがって、結合語や複合語において、結合又は複合される語が互いに関連性を有することは必要としないし、関連性がないからという理由で分離して称呼するとする主張は成り立たない。

当然、本件商標の構成中「ホワイトニング クリアアシスト」においてもまた、「ホワイトニング」と「クリアアシスト」に互いの関連性がなくても全体として一連に称呼することの妨げとはならず、全体として一連不可分の称呼のみを有する。

(4)本件商標は、一見して明らかなように「ホワイトニング」と「クリアアシスト」を半スペース又は1スペースを設けて一連に書した複合語である。この複合語としての「ホワイトニング」と「クリアアシスト」との結び付きはきわめて自然で、外観上も左右バランス良く、称呼上も7音といういずれにも片寄ることのないバランスのとれた構成である。

したがって、本件商標の該構成を一連に称呼することの妨げになるものはないから、本件商標のこの構成は、全体として一連不可分の称呼のみを有する。

よって、本件商標は引用商標とは非類似の商標である。

2.商標法第4条第1項第16号について

(1)請求人は、「クロロフィル」は「葉緑素」を意味する英語であると述べ甲第2号証及び甲第3号証ないし甲第6号証に示す商標の指定商品においては「葉緑素を配合してなる」商品に限定されていると述べている。

しかして、本件商標の「クロロフィル日興製薬」の文字部分は、一見して明らかなように「クロロフィル」の文字は被請求人の略称である「日興製薬」の文字の前に一連に付加されているものである。

すなわち「クロロフィル日興製薬」は、「クロロフィル日興製薬」を全体として被請求人の通称名称と理解するか、せいぜい「クロロフィルで有名な日興製薬」とか「クロロフィル製品を製造販売している日興製薬」というように理解するのが普通である。

指定商品そのものに「クロロフィル」が配合されていることを示す表示ではなく、いわば商品についての出所表示としての機能に重点を置くものである。個々の商品に「クロロフィル日興製薬」を付すことで、該部分はカサブランド的機能を果たすこととなる。

したがって、本件商標に係る指定商品は必ずしも「葉緑素」が配合されることを必須要件とするものではない。

たまたま請求人の指摘する甲第3号証ないし甲第6号証に見られる商標の指定商品は「葉緑素を配合してなる商品」と限定されているが、これは該商品を使用する商品が「葉緑素を配合してなる商品」に限ることから、積極表示をすることにしたまでのことである。

商標の構成において、積極表示をする必要のないものであっても、実際の使用に合せて積極表示することは何等問題はない筈である。

また、その逆に上述の理において、「葉緑素を配合してなる商品」に本件商標を使用しても殊更に「クロロフィルを配合してなる商品」とは理解しないのが普通である。

上述の事実を裏付けるように「クロロフィル日興製薬」を有する商標が、その指定商品を「ク口口フィルを配合した」と限定することなく多数登録されている(甲第7号証ないし甲第11号証)。

したがって、本件商標中に「クロロフィル」の文字が含まれているとしても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。

(2)請求人は、「ホワイトニング」や「WHITENING」は品質等を表示する語であるとして甲第12号証ないし甲第25号証を提出している。

しかして、本件商標の該部分は「ホワイトニング」と「クリアアシスト」とからなるものであって、「ホワイトニング」のみからなるものでもなく、また、全体として自他商品識別力を有さないという構成のものでもないから、全体で自他商品識別力を有する該部分での判断には馴染まない。

すでに、本件商標と引用商標との比較において述べたように、「ホワイトニングクリアアシスト」の構成は「ホワイトニングクリアアシスト」のみの称呼を生じる。このような構成において「ホワイトニング」は決して品質ではないとも述べた(乙第1号証ないし乙第13号証)。

これらの乙号証を一瞥していただければ分るように、「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有する商標と、この「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有さない商標とが同時に併存している。

しかも、「ホワイトニング」又は「WHITENING」を有する商標にあって、乙第1号証、乙第3号証、乙第6号証、乙第10号証及び乙第12号証のように「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」としての限定表示はない。もとより乙第8号証のように積極表示を妨げるものではない。

このような事実からしても全体として自他商品識別力を有する構成にあっては、「ホワイトニング」又は「WHITENING」の文字を有するからといって品質の誤認を生じさせるおそれがあるとするのは相当ではない。

もともと本件商標は全体として「ホワイトニングクリアアシスト」の称呼しか生じないのであるから、「ホワイトニング」のみを抽出して品質等に疑問を呈しているのは既述したように相当ではなく、本件商標を「ホワイトニング(美白)効果を有さない商品」に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。

(3)以上のとおりであるから、本件商標を「葉緑素を配合した商品」及び「ホワイトニング(美白)効果を有する商品」以外に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれはない。

(4)請求人の提出した審査例や審決例等の反対の例として、乙第15号証ないし乙第20号証を提出する。また、商標中に「クロロフィル」の文字を有しているにも拘わらず「クロロフィルを配合した」と限定されることなく登録されている商標例として乙第21号証ないし乙第25号証を提出する。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念において類似しないものであり、また、その指定商品について使用しても商品の品質の混同を生じさせるおそれはないものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第16号に該当せず、同法第46条第1項第1号により無効とすべきではない。

第4 当審の判断

1.商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記したとおり「クロロフィル日興製薬」と「ホワイトニング クリアアシスト」の文字とを二段に横書してなるところ、「クロロフィル日興製薬」と「ホワイトニング クリアアシスト」の文字とが一連で特定の観念を生じ得るとする事由はないものとみるのが相当であるから、「クロロフィル日興製薬」と「ホワイトニング クリアアシスト」の文字は、それぞれに独立しても自他商品の識別標識として機能し得るとみられるものである。

そして、「ホワイトニング クリアアシスト」において、その構成中の「ホワイトニング」の文字部分は、「白くする(なる)こと」の意味合いを有する英語の「whitening」の表音に通ずる語であって、その指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」との関係においては、「ホワイトニング(美白)効果を有する」ことを表し商品の品質・効能を表示する語として普通に使用されていると認められるものであるから、この部分を省略して、本件商標はその構成中の「クリアアシスト」の文字部分より生ずる「クリアアシスト」の称呼をもって取引に資される場合が少なからずあるものというべきである。

他方、引用商標は、前記したとおり「CLEAR ASSIST」と「クリアアシスト」の文字を二段に併記した構成よりなるものであるから、これより「クリアアシスト」の称呼を生ずること明らかである。

してみれば、本件商標と引用商標は、「クリアアシスト」の称呼を共通にする類似の商標とみるのが相当である。

また、本件商標の指定商品中の「せっけん類,化粧品,歯磨き」は、引用商標の指定商品中に包含されるものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。

しかしながら、本件商標の指定商品中「香料類」については、「ホワイトニング」の文字部分が、商品の品質・効能等を表示することなく自他商品の識別標識として機能し得るものというのが相当であるから、本件商標は、単に「クリアアシスト」の称呼を生ずるものであるということができない。

そうすると、「香料類」については、本件商標と引用商標は類似するものとはいえないから、その登録は無効とすべきでない。

2.商標法第4条第1項第16号について

請求人は、「本件商標中の『クロロフィル』の語は『葉緑素』を、『ホワイトニング』の語は『ホワイトニング(美白)効果を有する』ことを意味する語であるから、これをその指定商品中『葉緑素を配合してなる商品』及び『ホワイトニング(美白)効果を有する商品』以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。」旨主張している。

しかしながら、本件商標は、前記したとおり「クロロフィル日興製薬」と「ホワイトニング クリアアシスト」の文字を二段に併記した構成よりなるものであるところ、本件商標の指定商品中「香料類」との関係においては、本件商標の構成中の「クロロフィル」及び「ホワイトニング」の文字が請求人主張の意味合いを有するとしても、かかる構成においては商品の品質を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るとはいい難いものであるから、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。また、指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」については、前記当審の判断1.のとおり、その登録を無効とすべきものであるから、請求人の上記主張は判断するまでもない。

3.したがって、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品,歯磨き」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものであり、その余の指定商品については、同法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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