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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第6号「論点抽出失敗」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2002−90730(T2002−90730/J7)|登録維持)

審判番号
異議2002−90730(T2002−90730/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
論点抽出失敗
適用条文
第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
第3類・第42類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2002−90730(T2002−90730/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「論点抽出失敗」です。指定商品・役務は第3類・第42類に属します。特許庁は「登録第4585248号商標の指定商品中第3類「せっけん類,化粧品」についての商標登録を取り消す」と判断しました(登録維持)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4585248号商標の指定商品中第3類「せっけん類,化粧品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4585248号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年6月25日に登録出願され、第3類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成14年7月12日に設定登録されたものである。

2 取消理由の要点

当審において、平成15年3月11日付で商標権者に対し通知した本件商標の登録取消理由は、要旨次のとおりである。

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証を総合勘案すれば、「+/−」の表示は、化粧品の全成分表示を行う際に、ファンデーション、口紅、アイシャドウ、マニキュア等のメーキャップ商品を中心としたいわゆる「シリーズ製品」において広く使用されているといえるものである。

そして、口紅やマニキュア等の製品においては、「シリーズ製品」として同じブランド名で色味が異なる商品を流通させるのが一般的であり、この場合、基剤となる成分はほぼ同一であるが配合される着色剤の種類とその配合量だけが異なっているのが通例である。こうした製品の全成分表示を行う際に、共通の基剤成分を記載した後に「+/−」の記号を記載し、それに続けてシリーズ製品に配合される全ての着色剤を表示している。この場合、全ての着色剤をまとめて表示しているので、製品によってはその着色剤を含んでいる場合も含んでいない場合もあるとの意味合いで「+/−」の記号が用いられているものである。

そうすると、別掲のとおり『「+/−」』を表示した構成よりなる本件商標は、これに接する取引者、需要者は、これより全ての着色剤をまとめて表示していることを示すための記号表示として理解し、認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

してみれば、本件商標は、その指定商品中第3類「せっけん類,化粧品」について使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標と認められる。

したがって、本件商標は、その指定商品中第3類「せっけん類,化粧品」について、商標法第3条第1項第6号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ない。

3 商標権者の意見

上記2の取消理由通知に対する商標権者の意見は、要旨次のとおりである。

(1)申立人の提出に係る甲第1ないし第10号証には、確かに、化粧品の全成分表示を行う場合に+/−の符号が使用されている。

しかしながら、本件商標の構成は、鉤括弧(「」)の中に+/−の符号を記載した「+/−」からなるところ、鉤括弧(「」)と+/−の符号とはバランスよく一体的に結合されたものであることから、本件商標から+/−の符号部分のみを機械的に抽出して認識されるとする必然性はなく、本件商標は全体をもって一体不可分なる一種の図形とみるのが相当である。

(2)本件商標を構成する鉤括弧(「」)の部分が、本件商標に係る指定商品に接する取引者、需要者をして符号を装飾等するものとして普通に用いられているものではないことからも、本件商標は一体不可分なるものとして認識されるとするのが相当であり、申立人の提出した証拠の符号とは別異のものである。

(3)このことは、申立人の提出に係る甲第1号証には、「may contain(含むことがある)には、成分リストの前に符号"+/−"を付け、全部を角括弧でくくる。[+/−]・・・・」と記載されていることからも明らかであり、申立人の提出に係る証拠からは、+/−の符号が、上記証拠に記載された意味合いで使用される場合に、鉤括弧(「」)と共に使用されることはあり得ず、本件商標は需要者をして上記証拠に記載された意味合いに看取されることはあり得ない。

(4)以上から、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、十分自他商品の識別標識として機能を果たすものであり、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。

4 当審の判断

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、上記2の取消理由のとおり、その指定商品中第3類「せっけん類,化粧品」について使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであって、これを論難する上記3の商標権者の意見は、以下の理由により採用することができない。

すなわち、申立人の提出に係る甲第1号証によれば、化粧品の全成分表示を行う場合の表示方法としては、成分リストの前に+/−の記号を付けることとされているものの、+/−の記号自体を括弧で括るか否かは特に定められていないものと解される。そして、この種業界において実際に使用されている例(甲第3ないし第10号証)によれば、+/−の記号を()又は[]の括弧で括ったものやいずれの括弧でも括らないものがあることからすると、+/−の記号を括る括弧の種類や括弧で括るか否かについては必ずしも統一されておらず、+/−の記号を表示すること自体によって所期の目的を達しているものといえる。そうすると、+/−の記号を「」の括弧で括ったものも、()又は[]の括弧で括ったものと厳密に区別することなく、化粧品の全成分表示を行う場合の表示方法の一つとして理解し認識されるとみるのが自然である。

かかる事情の下で、本件商標がその指定商品中の「せっけん類、化粧品」について使用された場合には、これに接する取引者、需要者は、+/−の記号を括っている括弧の種類に関わらず、本件商標を化粧品の全成分表示を行う場合の表示方法の一つを表したものとして理解し認識するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。

したがって、本件商標は、その指定商品中の第3類「せっけん類、化粧品」については、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきであり、商標法第3条第1項第6号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。

しかしながら、本件商標は、本件登録異議申立てに係る指定商品中「せっけん類、化粧品」以外の商品については、同法第3条第1項第6号に該当するものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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