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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90541(T2002−90541/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4570965号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4570965号商標(以下「本件商標」という。)は、「紅茶感アップ」の文字を標準文字により書してなり、平成13年7月31日に登録出願され、第30類「紅茶」を指定商品として、同14年5月24日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

本件商標は、「紅茶の風味が増した」程度の意味を示す「紅茶感アップ」という標章にほかならないから、指定商品に使用しても単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

3 取消理由の通知

当審は、平成15年1月23日、商標権者に対し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与え、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものと認める旨通知した(通知書発送日同年2月4日)。理由の要旨は次のとおりである。

登録異議申立人の提出に係る甲号証によれば、食品業界においては、各種食品について、新商品が従来品よりもある特長において度合が増したことを表わす場合に、例えば、「クリームのミルク感/おいしさアップ」(甲第3号証 株式会社ブルボン)、「キシリトールでおいしさアップ」(甲第6号証 味覚糖株式会社)、「フルーツのフレーバーで清涼感アップ」(甲第7号証 ロッテ商事株式会社)のように「〇〇アップ」という表現を用いることが一般的に行われており、また、「紅茶感」の語についても、例えば、「紅茶感をより強調した本格的ミルクティーに仕上げました」(甲第13号証 三井農林株式会社)、「自然な紅茶感を大切にしたスッキリした味わいの・・」(甲第14号証 UCC上島珈琲株式会社)、「しっかりとした紅茶感」(甲第17号証 ネスレジャパングループ)のように用いられているばかりでなく、「紅茶感」以外にも同様の表現として、甲第19号証には、「コーヒー感をアップ」(明治乳業、明治屋、雪印乳業)、「果実感をミルクとミックス」(サッポロビール)、「コーヒー感、ミルク感がありながら後味すっきり」(アサヒ飲料)、「コーヒー感と豊かなミルク感をバランスよく調和させた」(サントリー)、「コーヒー感の強い味わい」(日本コカ・コーラ)、「ココア感を兼ね備えた」(ダイドードリンコ)、「フレッシュなレモン感」(サントリー)等々の如く、各社が「〇〇感」の表現を頻繁に用いている事実を認めることができる。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品である「紅茶」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に「紅茶の風味をアップした、紅茶の風味が増した」という程度の意味合いを理解・認識させるに止まるものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見

上述した取消理由の通知に対し、商標権者は意見書を提出していない。

5 当審の判断

本件商標の登録は、上述した取消理由により、商標法第3条第1項第3号に違反してされたと認められるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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