Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90791(T2002−90791/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4593917号商標(以下「本件商標」という。)は、「olive girl」の欧文字と「オリーブガール」の仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成13年10月22日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年8月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の取消の理由に引用する登録2432335号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲の1に示したとおりの構成よりなり、平成1年3月15日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録、その後、指定商品については、平成14年6月26日に第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。同じく登録2454629号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲の2に示したとおりの構成よりなり、平成1年3月15日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年9月30日に設定登録、その後、指定商品については、平成14年10月9日に第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がされたものである。同じく登録2466158号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲の3に示したとおりの構成よりなり、平成1年3月15日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録されたものである。同じく登録2076968号商標(以下「引用D商標」という。)は、別掲の4に示したとおりの構成よりなり、昭和60年7月2日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年9月30日に設定登録されたものである。同じく登録2055799号商標(以下「引用E商標」という。)は、別掲の5に示したとおりの構成よりなり、昭和60年7月2日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年6月24日に設定登録されたものである。
以下、引用A商標ないし引用E商標を一括していう場合は「引用各商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、申立人の所有に係るキャラクター「オリーブオイル」の著名な略称「オリーブ」の著名性にただ乗りするものであるから、公序良俗を害するおそれがある。また、本件商標は、その要部は「olive/オリーブ」であり、引用各商標と称呼、観念において類似する商標である。さらに、本件商標は、雑誌「オリーブ」と共同開発したもの、又は該雑誌の推薦を受けたものと誤解され、商品の出所、品質について誤認、混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「olive girl」の欧文字及び「オリーブガール」の仮名文字よりなり、欧文字の「olive girl」は、「olive」と「girl」の両文字間に半文字程度の間隔を有して表されているところ、これら欧文字及び仮名文字は、それぞれ同じ書体、同じ大きさで一体的に表されていて、これらを全体をもって称呼しても格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。しかも、欧文字の「olive」と「girl」の両文字にしても、文字数にさほどの違いはなく、また、共に一般に知られた平易な英単語であって、視覚上も、観念上も「olive」の文字部分が強く印象付けられるものではない。そして、たとえ構成中の「girl」、「ガール」の文字が「少女」を意味する語であるとしても、かかる構成においては商品の品質、用途等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、両文字とも全体をもって一体不可分の構成よりなるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、欧文字、仮名文字のそれぞれの全体の構成文字に相応して「オリーブガール」の称呼のみを生じ、特定の観念を有しない一種の造語よりなるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用A商標及び引用C商標は、図形と「オリーブオイル」及び「OLIVEOYL」の両文字、また、引用D商標及び引用E商標は、図形と「OLIVE OYL」の文字よりなるものであり、これらの商標からはそれぞれの構成文字に相応して「オリーブオイル」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものと認められる。引用B商標は、図形のみよりなるものであり、特定の称呼、観念は生じないものである。
そうとすれば、本件商標は、引用B商標はもとより、引用A商標、引用C商標、引用D商標及び引用E商標とも、「オリーブガール」と「オリーブオイル」の各称呼の後半部に「ガール」と「オイル」の明らかな音の差異を有するものであって、彼此相紛れるおそれのない称呼において非類似のものと判断するのが相当である。
本件商標は、引用各商標と観念においては比較できないものであり、外観においても類似するものではない。
(2)申立人の提出に係る証拠によれば、昭和57年に創刊された女性向け雑誌「Olive」は現在までに430巻を越えて発行されており、雑誌の「Olive」は、この種の需要者の間に広く認識されているものと認められる。
しかしながら、本件商標は、前述のとおり「olive girl」の欧文字、「オリーブガール」の仮名文字共に、一体不可分の構成よりなるものであって、雑誌の「Olive」と誤認混同を生じる事由は見出せないものといわなければならないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者がこれより直ちに雑誌の「Olive」を連想、想起するものとは認められない。
申立人は、雑誌「オリーブ」が独自のファッションスタイルを提案し、そのスタイルを好み、また実践する少女を「オリーブガール」と名付け、「オリーブガール」という言葉は中高年の女性間にまで浸透し、これから「雑誌『オリーブ』で提案するファッションスタイルの少女」の意味を認識させるに至っていると述べる。
確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、雑誌やインターネットのページ上で「オリーブガール」の語が使用されている事例は認められる。しかしながら、これらの証拠を検討しても、「オリーブガール」の語が上記意味を有するものとして女性の間に広く認識されているとまでは認められないから、これらの事実は上記判断を左右するものではない。
してみれば、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないものと認められる。
(3)前述のとおり、本件商標は、欧文字、仮名文字共に一体不可分の構成よりなるものであって、米国のアニメの「ポパイ」に登場するキャラクターの「オリーブオイル」を想起させるものではないから、該キャラクターの「オリーブ」の顧客吸引力にただ乗りするものではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがないことは明らかである。
(4)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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