Trademark Appeal Case
普通名称と著名商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90523(T2002−90523/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4564511号商標(以下「本件商標」という。)は、2001年1月9日にオーストラリア連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年5月11日に登録出願され、「PIRATES」の文字(「標準文字」よりなる。)を書してなり、第9類「業務用テレビゲーム機,その他の遊園地用機械器具,スロットマシン,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成14年4月26日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)登録異議申立人「シネ クラフト リミテッド」(以下「申立人A」という。)は、平成7年9月11日に登録出願され、「PIRATE」の欧文字を横書きしてなり、第9類「録音済みレコード・テープ及びディスク,録画済映写フィルム・ビデオテープ及びディスク」を指定商品として、平成9年7月4日に設定登録された登録第4022799号商標(以下「引用商標A」という。)を引用し、引用商標Aは申立人Aが制作・販売する「成人向けビデオテープ、ビデオディスク、雑誌」等の商標として日本国内において周知・著名になっているところ、本件商標は、この引用商標Aと類似することは明らかであり、また、本件商標の指定商品と引用商標Aの指定商品とは生産者、販売者、材料、用途等を共通にする可能性があるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人A又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
(2)登録異議申立人「メージャー リーグ ベースボール プロパティーズ インコーポレーテッド」(以下「申立人B」という。)は、「PITTSBURGH PIRATES」、「PIRATES」、別掲(1)及び別掲(2)に示す商標(以下、これらを合わせて「引用商標B」という。)を引用し、引用商標Bは、米国メージャーリーグに属する周知著名な球団「PITTSBURGH PIRATES」を指称し、また同球団に関する商品・役務の販売を促進するための商標として使用されているものであるところ、本件商標は、この周知著名な引用商標Bと称呼において類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合には、上記球団の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
さらに、本件商標は、著名な引用商標Bを想起させるものであり、本件商標権者は引用商標Bの顧客吸引力にただ乗りする目的で使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反してなされたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)申立人Aより提出された甲第3号証ないし同第5号証を検討するに、これよりは、引用商標Aが、申立人Aの制作・販売する「成人向けビデオテープ、ビデオディスク、雑誌」等の商標として使用されていることは認められるとしても、本件商標の登録出願時に申立人Aの業務に係る商品の商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとまでは認めることができない。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その商品が、申立人A又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
(2)申立人Bより提出された証拠を検討するに、米国メジャーリーグに属する球団「PITTSBURGH PIRATES」(ピッツバーグ パイレーツ)の名称はわが国の不特定多数の者において知られているとしても、該球団が、「PIRATES」(パイレーツ)の略称で称呼され、わが国の取引者・需要者の間に広く知られていたかどうかの点までは明らかとはいえない。
しかして、本件商標を構成する「PIRATES」の文字は、いわゆる創造語ではなく、「パイレーツ」(海賊又は海賊船)の称呼、観念を有する英文字としてわが国でも広く一般に親しまれ用いられている語といい得るものであるから、本件商標に接した者は、これよりは、上記意味合いにおける英文字(PIRATES)を理解、認識するとしても、直ちに前記した米国メジャーリーグに属する球団名を連想、想起させることはないと判断するのが相当である。
そうとすると、たとえ引用商標Bよりはその構成文字に相応し「パイレーツ」の称呼をも生じ、また、申立人Bが引用商標Bにより、本件商標に係る指定商品である第9類に属する商品を含む商品についての商品化事業を行っているとしても、本件商標をその指定商品について使用するも、その商品が「PITTSBURGH PIRATES」(ピッツバーグ パイレーツ)球団又は同人と事業上何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
さらに、本件商標は、上記認定のとおりであるから、不正の利益を得る目的をもって出願されたものとは認められない。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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