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Trademark Appeal Case

商標使用の認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30187(T2002−30187/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1363723号商標の指定商品中「電気通信機械器具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1363723号商標(以下「本件商標」という。)は、「MDS」の欧文字を横書きしてなり、昭和48年11月30日に登録出願、第11類「電気機械器具(電池を除く)電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和53年12月22日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録が昭和63年10月25日及び平成10年8月18日になされ、また、「指定商品中『電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)』については、その登録は取り消す。」旨の審決が確定し、その登録が平成11年7月14日になされているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成14年3月20日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「電気通信機械器具」について、少なくとも本件請求日より3年以内は日本国内において使用された事実がない。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人提出の審判事件答弁書並びにそれに添付された乙第1号証ないし乙第8号証(被請求人は、甲号証として提出したが乙号証として扱う。)によると、被請求人による使用は、電気製品の安全性を検証する認証を受けた「認証取得者名」を表しているにすぎず、商標の使用とは認められない。

(2)被請求人が使用していたとする商品「マンション用セキュリティインターホン」(以下「インターホン」という。)が、「電気通信機械器具」の範疇に属する商品である事実については疑義がない。

(3)被請求人は、東海電工株式会社(以下「東海電工」という。)に対し、平成10年10月19日に専用使用権の設定契約を締結し、東海電工は、被請求人に納品する商品「インターホン」について、(財)電気安全環境研究所(以下「JET」という。)の認証取得者名として本件商標「MDS」を使用している。

(4)被請求人は、本件商標を付したインターホンが市場で取引されている事実を証明する資料として、被請求人のカタログ「電設資材2000‐2002」(乙第7号証)及び東海電工からの納品伝票の写し(甲第8号証)を添付しているが、同納品伝票には本件商標「MDS」の記載はなく、品名として「セキュリテイインターホン1Mガタ」、納入先品名コードとして「SHN10403WK」が記載されている。また、カタログも同様に「MDS」の記載は全く見受けられない。

(5)乙第4号証の証拠資料より、インターホンの本体部が上下に分割され、裏面部内側の一部分が拡大され、JETの認証マークの右隣に「MDS」の文字が記載されている。

(6)上記の事実より、本件商標「MDS」の文字は、商品を識別するものとして取引に使用されている事実は全く見受けられない。

社会通念上の商標とは自他商品を識別する意思が客観的に認識されるものでなければ成らないものと思料する。したがって、登録商標の使用であってもその使用方法や表示の態様からして、自他商品を識別するために使用されているものであることが客観的に認められない場合においては、商標法が定める「商標の使用」についての法律上の効果を認めるべきではないと考える。

つまり商標とは、自分の商品と他人の商品を区別するために、営業者が商品につける標識をいうものであり、商標の使用であるというためには、商品本体、カタログ、包装容器、納品書等の何れかに明確に使用されている事実が必要である。

被請求人は、乙第4号証より、商品本体に付している旨主張しているが、外観から見えない個所に付しているため、通常の取引において一般取引者及び需要者の目に触れる可能性があり得ないことは明白である。

乙第3号証、乙第7号証及び乙第8号証の資料より、一般取引者及び需要者が商品「インターホン」の識別標識として認識するのは、「セキュリティインターホン1M型」若しくは「SHN10403WK」である。

乙第4号証からは、本件商標「MDS」が取引に使用された事実が把握できず、商標法における「商標の使用」とは認め難いものである。よって、被請求人の使用は、単に、JETの認証を受けた商品であることを表しているにすぎず、型番等の表示と何ら変わらないものといわざるを得ない。

したがって、被請求人提出の審判事件答弁書並びに乙第1号証ないし乙第8号証からは、商品「インターホン」の識別標識として本件商標「MDS」が使用されている事実はなく、また、取引において本件商標「MDS」が識別標識として使用されている事実が認められないことは明白である。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、乙第1号証ないし乙第8号証(被請求人は、甲号証として提出したが乙号証として扱う。)を提出した。

(1)被請求人は、本件商標の指定商品すべてについて、被請求人の協力会社である三重県津市河辺町68番地の1に所在する東海電工に対し、平成10年10月19日に専用使用権を設定する契約(乙第1号証)を締結し、現在も引き続き使用を許諾しており、原簿(乙第2号証)にも登録済みのものであり、当該契約内容に従い、東海電工においては被請求人に納入する商品についてのみ本件商標を使用しているが、その使用態様について下記のとおり説明する。

(2)まず、「電気通信機械器具」のカテゴリーに入る商品「インターホン」の写真(乙第3号証及び乙第4号証)を提出する。乙第3号証は、インターホンの正面写真及びパッケージの写真、乙第4号証は、インターホンの裏面カバーをはずした写真と「MDS」商標を付した個所の拡大写真である。東海電工では、本件商標をJETの認証取得者名として使用している。

(3)JETにおいては、電気製品の安全性を中立的立場から検証する認証サービス(乙第5号証)を行なっているが、認証を受けた製品には、「認証マーク、認証取得者名、型番、電気定格」を表示できる(乙第6号証)ものとしている。

ここで、「認証取得者名」は登録商標も可としているため、東海電工では「認証取得者名」の識別標章として本件商標を使用してきた。

(4)また、本件商標を付したインターホンが実際に市場で取引されている事実を証明するものとして、被請求人のカタログ「電設資材2000‐2002」(平成12年6月現在)の写し(乙第7号証)、東海電工から被請求人への納品伝票の写し(平成13年11月26日発行)(乙第8号証)を提出する。上記カタログ及び納品伝票には「MDS」の記載はないが、乙第3号証で示したインターホンのパッケージに付された品番の一例である「SHN10403WK」がいずれにも記載されており、実際に本件商標を付した商品が市場で取引されていることを示している。

第4 当審の判断

乙第4号証及び被請求人の答弁によれば、乙第4号証の写真に写っているインターホンには、定格電圧、定格周波数、製造年、製造番号等の表示と共に「MDS」の文字が表示されていることが認められるが、これらの表示は、このインターホンの裏面カバーをはずさなければ見ることができない個所に表示されていることは明らかである。また、このインターホンの取引において、その裏面カバーをはずして、上記の表示を確認することが通常行われるものとも認められない。

そうとすれば、取引者、需要者は、通常、上記の表示を目にすることはないものであり、取引において、上記の表示中の「MDS」の文字によって、自他商品の識別が行われることはないものというべきである。

したがって、上記の表示中に「MDS」の文字があることをもって、本件商標が、インターホンについて使用されたものとすることはできない。

そして、他に、本件商標が、本件審判請求に係る指定商品「電気通信機械器具」のいずれかについて使用された事実を認め得る証拠はない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中「電気通信機械器具」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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