結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30481(T2001−30481/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4138717号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハロードラッグ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成8年9月30日に登録出願、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,乳糖」を指定商品として、同10年4月24日に登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
(1)被請求人の提出した「’99さよならカウントダウンの歳末大売り出しのチラシ」と、商標権者であり自然人である被請求人の商標の使用の関係が明らかではないので、商標権者の使用の証拠とはならない。また、念のため同チラシ記載の「薬剤師募集」電話045‐351‐8601、及びチラシ記載の高田店531‐8691(ほか、長尾店、栗木店、あざみ野店)のすべての店舗に電話を掛けたところ、全ての電話は、「この電話は現在使われていません。」とのアナウンスを繰り返し、現在使われていない電話を記載し、存在しない店舗を掲載した架空のチラシであり、商標権者の使用の証拠とはならない。
(2)被請求人の提出した「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」が、直ちに商標権者の指定商品についての商標の使用の証拠とはならない。
(3)また、この「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」記載の宛先「有限会社ハロードラッグ」と指定商品に対する本件商標の使用との関係が明らかではないので、商標権者の使用の証拠とはならない。
(4)さらに、「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」記載の宛先である「有限会社ハロードラッグ」は、平成8年6月1日平成2年法律第64号附則第19条第1項の規定により強制解散させられて既に存在していない(甲第2号証)。被請求人は、不使用による取消しを免れるため、あたかも商標「ハロードラッグ」を使用させている「有限会社ハロードラッグ」が現在も存続しているかのごとく不正に装って、不正を承知の上で商標権者の使用の証拠として偽って提出したものである。
(5)甲第2号証をもって、被請求人が本件取消審判請求に係る商標を実際に使用せず、使用しているかのごとき証拠を偽造して提出したことを立証する。
(6)被請求人は、平成14年6月27日付け答弁書で、商標「ハロードラッグ」を「有限会社ハロードラッグ」に使用させていると主張するものではないと答弁しているが、誤りである。
被請求人は、商標「ハロードラッグ」の使用の証拠として、「三浦藤沢信用金庫平成12年度配当金支払通知書」を提出した。これは、たまたま「ハロードラッグ」の文字が残っていることから、「有限会社ハロードラッグ」の社名を利用することを思い付き、商標「ハロードラッグ」を恰も現在使用しているかの如く見せかけるため、使用の証拠として提出したものであることはいうまでもない。
(7)請求人は、被請求人の提出した乙第2号証の使用の証拠のチラシを調査、検討した結果、下記の通り弁駁する。
(ア)被請求人の提出した「’99さよならカウントダウンの歳末大売り出しのチラシ」には、商標権者であり自然人の被請求人、または「有限会社ハロードラッグ」及び新たに登場した「株式会社ハロー」と登録商標との関連が全く記載されて無いので、登録商標の使用の証拠とはならない。
(イ)また念のため同チラシ記載の「薬剤師募集」電話045‐351‐8601、及びチラシ記載の高田店531‐8691(ほか、長尾店、栗木店、あざみ野店、新桜ケ丘店、日吉店)の全ての店舗に電話を掛けたところ、全ての電話は、「この電話は現在使われていません」とのアナウンスを繰り返し、新桜ケ丘店、日吉店は全く応答なしの不通で現在使われていない電話を記載し、存在しない店舗を掲載した架空のチラシであり、登録商標の使用の証拠とはならない。
(ウ)更に、被請求人の提出する乙第1号証、商号株式会社ハローの商業登記簿謄本は、単に商標権者前嶋速夫が役員になっていることを立証するだけで、登録第4138717号登録商標「ハロードラッグ」の使用の証明とはならない。
(エ)被請求人は、不使用による登録商標の取消を免れるため、恰も商標「ハロードラッグ」を使用させている「有限会社ハロードラッグ」が現在も存続しているかの如く不正に装って、「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書(兼領収書)」を特許庁を騙す目的をもって、不正を承知のうえで商標権者は登録商標の使用の証拠として偽って提出したものであることは疑いの無い事実である。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として1999年12月売り出しチラシ「’99さよならカウントダウン」のタイトルチラシ、「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」、及び乙第1号証(商業登記簿謄本)、乙第2号証(チラシ)を提出した。
(1)請求人は、被請求人が、特許庁を騙す目的で、現在存在しない「有限会社ハロードラッグ」が存在しているように装っている等と主張する。しかしながら、被請求人は、以下のとおり、現在も存続する「株式会社ハロー」に本件商標を使用させていたのであり、
「有限会社ハロードラッグ」に使用させていると主張するものではない。
(2)株式会社ハローは、医薬品の販売、化粧品および医薬部外品の販売、日用品雑貨の販売等を目的として設立された会社である(乙第1号証)。同社は、被請求人が代表取締役となって経営されている。なお、取締役のうち前嶋淑子は、被請求人の妻であり、監査役前嶋実沙は被請求人の娘であることからも明らかなとおり、同族会社であり、株式会社ハローは、被請求人の個人会社であるといい得る。
(3)被請求人は、株式会社ハローの代表者として、被請求人の管理、監督の下に当該商標が使用されているものである。また、商標権者である代表取締役にとっても自己の商標を善意で使用しているものとして商標の継続使用、信用保持のための注意が払われていた
ものと推認できる。被請求人と株式会社ハローとの間で、明示の商標権使用許諾契約を締結しているわけではないが、黙示的に株式会社ハローとの間で本件商標の使用につき許諾を与えたと認めることができる。したがって、被請求人と株式会社ハローとの間には、実質的な使用許諾契約があったものと認められる。
そして、株式会社ハローは、同契約に基づき、通常使用権者として、本件商標を請求人が指摘する指定商品について使用している(乙第2号証)。
被請求人が、本件商標(「ハロードラッグ」)を使用しているとして提出した、「1999年12月売り出しチラシ’99さよならカウントダウンのタイトルチラシ」(以下「タイトルチラシ」という。)及び乙第2号証のチラシをみるに、両チラシには、本件商標と社会通念上同一といえる商標が表示されているものと認められる。そして、両チラシにおける本件商標の表示位置、表示方法、同チラシ中に示された地図上の表示等々からみて、本件商標は、同チラシ中に記載ある各店舗、すなわち、いずみ中央店、高田店、長尾店を含む全7店の店舗に共通して用いられているその名称を表示するものと認められる。
他方、被請求人が、その代表取締役を務める株式会社ハローは、「現在事項全部証明書」(乙第1号証)によれば、平成3年3月12日に設立された会社であり、そして、同社は、平成14年6月14日時点(「現在事項全部証明書」の作成日)において、現に継続し存続している会社であることを確認することができる。
上記認定及び被請求人の、「現在も存続する株式会社ハローに本件商標を使用させていた」との主張に徴すれば、本件商標は、株式会社ハローが、その事業に関わる上述の全7店の店舗の名称として、少なくとも、上記両チラシに記載ある1999(平成11)年12月から平成14年6月14日に至る間、継続して使用してきたものとみることも不可能ではない。
しかしながら、請求人の述べるところによれば、同人が、タイトルチラシに記載の店舗に対し、同チラシ掲示の電話番号により電話を掛けたところ、「この電話は現在使われていない」とのアナウンスが繰り返されたとする事情からすると、株式会社ハローの本件商標に関わる事業の実際は不明というほかはなく、これについて被請求人は何ら答弁するところがなく、しかも、被請求人より、さらに本件商標の使用の事実を証する証拠として提出された書証は、タイトルチラシと比べるとその広告内容において、「売り出し期間」を約一週間、及び「日替わり特価コーナー」掲示の品目等を若干異にする程度の、タイトルチラシとその作成時期(1999年12月頃)を同じくする、既述の乙第2号証のチラシ1通のみに止まるものである。
しかして、提出された両チラシについてみるに、これらチラシには被請求人若しくは株式会社ハローとの関係を示す記載はなく、その関係を客観的に証明する証拠、例えば、印刷のための発注書等は提出されておらず、また、これらチラシが、具体的に如何なる地域でどの程度、どのような方法で頒布されたものであるのか、その事実を示す証拠、あるいはその説明もない。
そうとすると、被請求人の提出した、タイトルチラシ及び乙各号証、並びに答弁書の全趣旨を総合勘案するも、これのみによっては、被請求人又は株式会社ハローが、本件商標を、その指定商品について使用していたとする事実を証明するには十分なものということはできず、他に本件商標の使用を立証する証拠は見出せない。
なお、被請求人は、名宛人として有限会社ハロードラッグの名称が記載された「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」を提出しているが、請求人の提出した甲第2号証によれば、有限会社ハロードラッグは本件審判請求の登録前の平成8年6月1日にすでに解散(平成8年6月3日登記)しているものであり、被請求人は、この点についての請求人の指摘に対し何ら述べることなく、本件商標を使用している者は、現在も存続する株式会社ハローであると主張するものであるから、この「三浦藤沢信用金庫の平成12年度配当金支払通知書」は、本件商標の使用の事実関係を何ら証明するに当たらないものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品について使用されていたものと認めることはできないから、本件商標は、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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