sokuhyo

Trademark Appeal Case

略語の記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第20916号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「AFLP」の欧文字を書してなり、1994年4月22日を出願日とする(ベネルックス統一商標法による)ベルギー国、オランダ国、ルクセンブルグ国の商標登録出願に基づき、パリ条約による優先権を主張して、第42類「科学に関する調査,研究所における試験及び研究,エンジニアリング,事業以外の事項に関する専門的な助言及び計画の準備,植物の育成・動物の飼育・染色体分析・診断テストにおいて使用されるデオキシリボ核酸の配列順序の分析,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として、平成6年10月21日に登録出願されたものである。

2 当審において通知した拒絶の理由の要点

本願商標は、「AFLP」の欧文字を書してなるところ、「AFLP」の文字は、指定役務との関係では、「増幅断片長多型法」と呼ばれる解析法を意味する略語として一般に理解され使用されており、例えば、1999年5月7日付け共同通信の記事や、1999年3月18日付け日刊工業新聞6頁の記事があり、「AFLP」の語が、DNAを解析する方法の1つであることが認められる。

さらに、DNA関連各社のインターネットホームページ情報によれば、例えば、(ア)アプライドバイオシステムズ社のホームページ、(イ)シマズ(島津)コーポレーションのホームページにおいて、「AFLP」の語義が説明されている。

上記の新聞記事、ホームページの情報を併せ考慮すると、本願商標をその指定役務中前記に照応する役務、例えば「植物の育成・動物の飼育・染色体分析・診断テストにおいて使用されるデオキシリボ核酸の配列順序の分析」に使用するときは、単に役務の質(分析方法)を表示するに過ぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 拒絶理由に対する請求人の意見の要点

(1)「Amplified Fragment Length Polymorphism」という表記は、請求人が開発したDNAの分析法の名称として請求人自身が創造した表記であり、したがってその略語である「AFLP」も請求人自身により作られたものである。

(2)既に使用されていることを以って、本願商標が単に役務の質を表すものと判断されるのは早計であり、使用されている状況や使用者の意図等も考慮されるべきである。

(3)本願商標は、既にDNA関連の需要者や取引者間において請求人により開発された分析方法として、広く知られている事実がある。

(4)DNA関連の企業や研究所で、少なくとも本件分析方法を実施する者は、「AFLP」がいずれかのものにより開発された分析方法の名称であり、その者の許諾ないしは「キット」の使用なしには、業として実施できないことは充分に承知している筈である。

(5)以上のとおり、本願商標は、DNAの分析について、需要者等が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものであるから、商標法第3条第2項により、登録を認められてしかるべきである。

4 当審の判断

本願商標は、「AFLP」の文字よりなるところ、各種新聞記事、DNA関連企業のインターネット・ホームページ情報によれば、該語は、「増幅断片長多型法」と呼ばれる解析法を意味する略語として、普通一般に使用されている事実が認められる。

請求人は、「Amplified Fragment Length Polymorphism」という表記は、請求人が開発したDNAの分析法の名称として請求人自身が創造した表記であり、その略語である「AFLP」も請求人自身により作られたものである旨主張しているが、「AFLP」の文字は、請求人(出願人)のみが使用しているという証左もなく、前記2で述べた拒絶の理由のとおり、普通一般に使用されている実情よりして、請求人のこの主張は採用できない。

してみると、前記の実情からして、本願商標をその指定役務中「植物の育成・動物の飼育・染色体分析・診断テストにおいて使用されるデオキシリボ核酸の配列順序の分析」に使用するときは、単に役務の質(分析方法)を表示するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわざるを得ない。

次に、請求人は、本願商標が、DNAの分析について、需要者等が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものであるから、商標法第3条第2項の規定により登録されるべきである旨主張し、証拠方法として第1号証ないし第21号証を提出している。

ところで、本来、自他商品又は役務の識別力がなく、商標法第3条第1項第3号ないし同第5号に該当するものが、永年に亘りある商品又は役務について使用された結果、自他商品又は役務の識別力を有するに至った商標として、同法第3条第2項の規定により登録が認められるのは、その商標と同一の商標及びその商標を使用していた商品又は役務と同一の商品又は役務に関する場合に限られると解される。

そこで検討するに、請求人提出にかかる第1、2、11号証中には、「AFLP」の語が1つもなく、第3〜9、12,13号証中の「AFLP」は、まさに一般的な使用状況を示しているに過ぎない。また、第14〜21号証は登録証等であって、役務の使用を示している資料ではない。第10号証では、DNA分析用キットの販売実績数が示されているとしても、これは商品の販売数を示すに止まるものであって、役務として、請求人自身がDNAの分析業務を請け負った件数が示されているものとは認められない。

その他、具体的な役務の使用を特定するカタログ・写真等もなく、また、使用に係る役務は指定役務の一部にすぎないから、結局、本願商標が請求人自身の役務として、全ての指定役務について使用されている事実は認めることができない。また、その結果として、本願商標が使用により識別力を有するに至ったものとも認定できない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができないものである。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。