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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−12463(T2000−12463/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ニュアンスアレンジ」の片仮名文字と「NUANCE ARRANGE」(半文字程度の間隔を含む。)の欧文字を二段に横書きしてなり、平成11年5月13日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

本願商標は、「ニュアンスアレンジ」「NUANCE ARRANGE」の文字を二段に横書してなるものであるところ、指定商品中「化粧品,香料類,つけまつ毛」との関係において、「ニュアンス」「NUANCE」は「微妙な違い、雰囲気、変化」の意を認識し、「アレンジ」「ARRANGE」は「肌や髪を整える、配色する、香りを取り合わせる」の意味合いを理解させ、その全体から「微妙な、雰囲気のある化粧、髪型にする商品、微妙な変化のある香料類」であることを理解させることから、これを上記指定商品に使用しても、商品の品質を表したものとして認識されるにすぎない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、前項1で述べたとおり、「ニュアンスアレンジ」の片仮名文字と「NUANCE ARRANGE」(半文字程度の間隔を含む。)の欧文字を二段に横書きしてなるところ、下段の「NUANCE ARRANGE」の欧文字は「ニュアンスアレンジ」の英語を表したものといえ、その前半部の「ニュアンス/NUANCE」の語は、「色合い、色調」や「色・音・調子・意味・感情などの微細な差異」等を意味し、後半部の「アレンジ/ARRANGE」の語は、「整える、整理する、調整する」等を意味するものとして親しまれているところである。そして、これらの語について、化粧品を取り扱う業界においては、以下のとおり用いられている事実が認められる。

(1)「ニュアンス/NUANCE」の語について

ア.平成12年2月29日付刊行物提出書で提出された髪型を整える方法等を説明するファション関係の記事である資料2ないし15によると、以下の例のように、「ニュアンス」の語はちょっと違ったスタイルの髪型を表す語として用いられているものと認められる。

a.雑誌「More Natural」1997年春の号写しの資料2によると、見開き頁の右頁(資料2の1葉目)に大きい見出で「つややかなヘアスタイルに仕上がる!」と記載し、その左頁(資料2の2葉目)に、説明文の小見出しとして「ニュアンスのあるウェーブにツヤとコシ。パーマを超えた デザイニングトリートメント」と記載。

b.雑誌「Can Cam」1999年12月号<特別付録>写しの資料4によると、その3葉目に、見出しに「デザイニングトリオを上手に使えば、私だけのヘアアレンジが簡単カ・ン・タ・ン」「『3つのニュアンス』」「楽しみながら」「髪メーク」(5行)と記載、その説明文中の小見出しに「”やや厚めで重め”の秋のヘアには、ニュアンスを変えたスタイリング剤が必要」と記載。また5葉目の記事によると「ヘアのオーダーNO.は『ブローのいらない髪型』です」の見出しのもとに、「・・そういわれて見れば最近、ニュアンスヘアが当たり前になってきましたね。」と記載。

c.同雑誌「Can Cam」1999年12月号写しの資料6によると、「ホットカーラー、アイロン、スタイリング剤を使った ボブスタイルが人気急上昇」「思いのままのスタイルづくり、キーワードは “ソフトニュアンスヘア”」の見出しの下「・・毛先にニュアンスのある、ちょっと長めのボブスタイル。スタイリング剤やホットカーラーを使えば何通りもアレンジができるのが特徴です。」等と記載。

d.前出資料4(1及び2葉目)の整髪料の広告記事によると、「泡だから、ふわっとかるく、毛先のあそびも、全体のながれも、ニュアンス自由自在。」(資生堂「LUSTAIR MOUSSE WaX」)等と記載。

イ.インターネット情報によると、例えば、商品「モッズ・ヘア スタイリングフォーム」(日本リーバ)の商品説明として「しっとり落ち着いた動きのあるニュアンスヘアに」と記載、整髪料の「テクニアート クラフト ワックスムース」(日本ロレアル)の商品説明として「ニュアンスのあるヘアスタイルを実現する、ムース状のスタイリング剤」等と記載、フォーム状のワックス整髪料について、「ベル・ジュバンス ニュアンスメイクフォーム」(Belle Jouvence)の名称の下、その対象スタイルとして「レイヤースタイルやカールスタイル等の自然な流れを求めるスタイルに。」と記載、整髪料の「ルシード エル」(マンダム)より「クールストレート」と「ニュアンスストレート」を全国発売する記事において、それらの商品の特徴説明で「ニュアンスストレート」については「自然な毛流れやクセをいかし、髪にニュアンスのある動きをつけます。」等と記載し、これに対し「クールストレート」については「ハネ、うねりを直して毛先まで真っ直ぐに伸ばします。」等と記載、また整髪料(スタイリング剤)の「ソフトα」(アジュバン化粧品)の商品説明に「ニュアンススタイル・ウェーブスタイルなどの方へおすすめします。毛先のパサつきを抑えたいなど・・」と記載され、髪型を少し変わったものに整えるのに適した整髪料について「ニュアンス」の語が用いられていることが窺える。

(2)「アレンジ/ARRANGE」の語について

平成12年2月29日付刊行物提出書で提出された資料1によると、新・現代理美容技術用語事典(昭和57年1月10日、理美容教育出版株式会社発行)の「ヘアデザイン用語」として「アレンジ(arrange)」の項を設け、「・・・を整える、・・・を配列する、がらりと変わったスタイルにチェンジすること、または一部だけ変えて全体のイメージをチェンジすること。」と説明されている。また同提出書で提出された雑誌の「MOER」(1998年7月号及び2000年1月号)、「with」(1998年7月号)、「non−no」(1998年12月5日号及び同年12月20日号)、「Ray」(1999年の10月号、11月号及び12月号)である資料8ないし15によると、髪型を整える方法を説明する記事に、「ヘアアレンジ」(資料8、9、10、11)、「・・・『もっと違うアレンジスタイルにしたい』という人は、・・・」(資料9の2葉目)、「パーマをかけずに流行のショートを遊ぶ」の見出しの下「・・ヘアピン&ヘアドライヤーだけで、ここまでアレンジが効く」(同資料の3葉目)、「伸ばしかけの髪をすっきりとかわいく見せたアレンジが○!」(資料10)、「パピヨンみたいな、ふわふわアレンジ」(資料11)、「中途と半端にペラッとのびた毛先を 3cm切ってアレンジ自在に」(資料12)、「100倍かわいくなるアレンジ髪47」、「街を歩けばあちこちで見かけるアレンジヘア。・・」「この秋のNOWアレンジはトサカちゃん」(資料13)、「マーメイドウェーブヘアの簡単アレンジヘア5」(資料14)、「ストレート人気が再燃、最新アレンジにも注目」(資料15)等と記載、また「VO5新セットヘアスプレー、ポイントキープ」(サンスター)の広告記事に「前髪や毛先のアレンジには、ポイントキープが最適」と記載(資料10)がされ、「アレンジ」の語は少し変わった形に自由に整えることの意味合いとして用いられていることが認められる。

また、インターネット情報によると、「手ぐしで仕上げるナチュラルスタイル」と説明して「ラックス フィンガーアレンジクリーム」(日本リーバ)と、「毛先にシャープな動きをつけたいときにおすすめのミストです。」「全体使いやポイントセットなど、使い方によって、自由自在にアレンジでき、しかも長時間キープします。」等と説明して「ルシードエル アレンジ&キープミスト」(マンダム)と、「ヘアークリーム特有のテカリやベタつきなし。軽やかアレンジも簡単に決まります。」と説明して「サラ アレンジングクリーム」(カネボウ)と表示しているものがあり、また「髪型自由派 自然なニュアンスで髪を自在にアレンジ」の見出しの下「スタイリングムース」(ムース状の整髪料)と記載されており、それぞれ「アレンジ」の語が頭髪用の化粧品の商品名又はその説明文に用いられていることが窺える。

上記(1)及び(2)の実情及び本願商標の意味合いよりすると、「ニュアンス/NUANCE」の語は、毛先などの髪型をちょっと変えることなどを意味する語として用いられ、また「アレンジ/ARRANGE」の語は髪型を自由に整えることの意味合いで用いられていることが認められるものであり、それらの語を「ニュアンスアレンジ」「NUANCE ARRANGE」と結合させたとしても、全体としてそれぞれの語の意味合いを超え別異の意味合いを理解させるものとはいえないので、本願商標は、それぞれの語の意味合いより「毛先などの髪型をちょっと変える等髪型を自由に整えること」の意味合いを容易に理解させるものと認められる。

してみれば、本願商標は、その指定商品中「髪型を整える頭髪用化粧品」について使用するときは、取引者、需要者をして、その商品が毛先などの髪型を自由に整えることのできるものであること、すなわち商品の品質を表しているものと理解、認識し、その商標のみによっては、自他商品を識別する標識として機能し得ないものと認められる。

なお、請求人は、本件商標を構成する文字「ニュアンスアレンジ」「NUANCE ARRANGE」が本願指定商品の取引業界の同業者によって使用されている事実は見出せず、かつ、その文字のみでは商品の品質を具体的に表現しているものではない旨主張している。

しかしながら、当該商標が商品の品質を表すものであるか否かの判断に当たっては、商標を構成する語の辞書上の意味からすると商品の品質を具体的に表す意味を持つものではないとしても、その語の意味及び指定商品を取り扱う業界における該語の使用状況などの実情を考慮し、その語からなる商標を当該商品に表示した場合における、取引者、需要者の理解、認識の度合いをもって、その語が品質を表示するか否かを判断すべきものであり、本願商標が商品の品質を具体的に表しているものと取引者、需要者に認識され得るものであることは上記認定のとおりであるので、請求人の上記主張は採用できない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであって、上記商品以外の指定商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。

よって、結論のとおり審決する。

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