Trademark Appeal Case
デルタシグマの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−1831(T2001−1831/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ΔΣ」のギリシャ文字並びに「DELTASIGMA」の欧文字及び「デルタシグマ」の片仮名文字をそれぞれ横書きしたものを上下三段に併記してなり、第9類「電気通信機械器具」を指定商品として、平成11年7月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原審は、「本願商標は、指定商品の分野において「アナログ信号をデジタルに変換する方式を表示する語として使用されている「デルタシグマ」の文字及びその欧文字表記である「DELTASIGMA」「ΔΣ」の文字を普通に用いられる方法で三段に書してなるから、これを指定商品中、デルタシグマ変調方式による商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当に該当する。」旨を認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、ギリシャ文字の「ΔΣ」並びにその表音の英文表記と認められる「DELTASIGMA」の欧文字及び日本語表記と認められる「デルタシグマ」の片仮名文字とを上下三段に併記してなるところ、本願指定商品を取り扱う業界において「ΔΣ」「デルタシグマ」の文字が「アナログ信号からデジタル信号への変換方式の一方式」としての意味合いを表す語として、「デルタシグマ方式」「デルタシグマ型」「デルタシグマ変調」等と使用されている他、単独又は併記させて使用されていることが、例えば以下の文献等の記載により認められるものである。
(1)ソニー(株)の提供するインターネットホームページの「カーオーディオ」製品に関する「機能紹介」における「1ビットΔΣ」の項目中の「<1ビットデルタシグマデジタルアンプ>」の記述(http://www.sony.jp/products/me/contents/caraudio/kinou/1bit.html)
(2)(株)東芝の提供するインターネットホームページの「DVDプレイヤー」製品の「SD−9500 機能と特長」におけるヘッドライン「Sound」の「5.最新型マルチビットデルタシグマDACを全chに採用」の項及び当該項目の解説記事(http://www3.toshiba.co.jp/dvd/j/player/p_fr17fc.htm)並びに小売業者である第三者が提供するインターネットホームページにおける、同社製品の「SD−5000」の「機能名一覧」中の「ネオ・マルチビット・デルタシグマ・DAC」の項目名(http://kgoto.net/dvddaily/sd5000.htm)
(3)シャープ(株)の提供するインターネットホームページの「ニュースリリース」の「1996年6月度」における1996年6月16日付「世界初、2.8MHzの高速サンプリング/高次デルタシグマ変調方式の1ビットアンプ技術を開発」の記事(http://www.sharp.co.jp/corporate/news/990616-1.html)
(4)1995.11.28付日本工業新聞 第12頁「三洋電機がCDプレイヤー用LSIキットを二種」の記事中の「・・・DACは三次ノイズシェーパーによるデルタシグマ方式を採用した・・・」の記述
(5)1992.12.8付日刊工業新聞 第9頁「NEC、オーディオ機器専用のD/Aコンバーターを来月からサンプリング出荷」の記事中の「・・・デジタルフィルターを内蔵したデルタシグマ(ΔΣ)型D/Aコンバーター・・・四次ΔΣ型D/Aコンバーターを内蔵した・・・」の記述
これらの事情を勘案すれば、「ΔΣ」及び「デルタシグマ」は、指定商品を取り扱う業界にあっては、上記の意味合いを表す用語「デルタシグマ変調」又は「デルタシグマ方式」の略語として普通に使用されている語というのが相当である。
また、指定商品を扱う業界にあっては、商品に用いられている技術等といった商品の特徴を、需要者に他社の同種商品との差別化を訴え自社商品の販売促進のために商品説明中で解説することが広く行われており、専門的な技術用語であっても、一般の需要者が目にする機会が多いということも認められるところである。
してみれば、本願商標を、その指定商品中、上記方式のアナログ−デジタル信号変換機構を有する商品に使用した場合、該商品がそのような品質(構造、機能)を持つ商品であると理解させるにとどまるものであり、それ以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標は、該語が一般的ではない技術的な専門用語であることや、指定商品を取り扱う業界において、品質を表示する語として一般に使用されていない等の理由を述べて本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標は、そもそも商品の品質を表すものであることは前述のとおりであり、かつ、昨今の上記商品の取引の実情に照らしてみれば、本願については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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