Trademark Appeal Case
識別力欠如部分と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−19171(T2000−19171/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「洋風居食屋海峡」の文字を書してなり(標準文字による商標)、第33類「焼酎,その他の日本酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、平成11年10月5日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3299756号商標(以下「引用商標」という。)は、「海峡鬼ころし」の文字を横書きしてなり、平成6年5月11日に登録出願、第33類「清酒」を指定商品として、平成9年5月2日に設定登録されているものである。
3 当審の判断
本願商標は、「洋風居食屋海峡」の文字よりなるものである。
ところで、「居食屋」の文字をキーワードとして、インターネットのホームページ検索をしてみれば、多数の飲食店に関する検索結果が得られ、その大部分が料理にもこだわりを持った居酒屋風の店舗であること、当該「居食屋」の文字のみの単独での使用でなく、他の文字と共に「居食屋○○」のように使用されていることが確認できる。
これらの実情よりすれば、居酒屋等、酒を主とする飲食物の提供の役務を取り扱う業界においては「居食屋」の文字は「料理にこだわりを持った居酒屋」の如き意味合いにて認識、使用されているものと認められるから、該「居食屋」の文字に「西洋風であること」の意味を有する「洋風」の文字を結合させた「洋風居食屋」の文字からは、「料理又は店舗が西洋風であり、その料理にこだわりを持った居酒屋」の如き意味合いが容易に看取されるものと認める。そしてこれは、「居酒屋」等と同様、一種の業種、業態的意味合いを表示しているものと認識される場合も少なくないものと認められ、自他役務の識別標識としての機能はそれほど大きくないものといわざるを得ないから、これに接した取引者、需要者は、該「洋風居食屋」の文字に続く文字があれば、それを店名や屋号の主要部と認識し、そこに自他役務の識別標識としての機能を見出し同業他社と区別する目印とするとみるのが相当である。
そこで、かかる事情のもと本願商標をみるに、本願商標は、先に述べた「料理又は店舗が西洋風であり、その料理にこだわりを持った居酒屋」の如き意味合いの「洋風居食屋」の文字(語)と、「陸と陸との間にはさまって海の狭くなった部分」をいう「海峡」の文字(語)よりなるものであるところ、この両文字(語)が結合して一般に親しまれた一連の熟語的意味合いが看取されるものではないことから、意味上においてこれらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の理由は見出せないものである。
そして、本願商標の構成中「洋風居食屋」の文字部分より生じる上記意味合いの飲食店と、本願商標の指定商品とは、その取引者、需要者を多くの場合共通にするものであるから、本願商標に接した取引者、需要者は上記意味合いの飲食店の場合と同様に「洋風居食屋」の文字部分を業種、業態的な表示とみて、後に続く「海峡」の文字が店名や屋号の主要部を表したものと認識し、該「海峡」の文字に自他商品の識別標識としての機能を見出し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうとすると、本願商標からは、その構成文字の全体に相応して「ヨウフウイショクヤカイキョウ」の一連の称呼を生ずるほか、「海峡」の文字部分に相応して「カイキョウ」の称呼及び「海峡」の観念をも生ずるものといわなければならない。
一方、引用商標は、「海峡鬼ころし」の文字よりなるところ、その構成中「鬼ころし」の文字は、「きつくて悪酔いする酒。わるい酒」(広辞苑 第四版 株式会社岩波書店発行)、「粗末で悪酔いする強い酒、辛口の強い酒」(大辞林 第四版 株式会社三省堂発行)の意味を有し、引用商標の指定商品を取り扱う業界においても「鬼をも殺す強い酒」の意味合いにおいて取引上普通に使用されているものである。
してみれば、引用商標は、その構成中「鬼ころし」の文字部分が上述のごとく酒の強さを表す品質誇称表示であって、識別力の乏しい文字であるから、これに接した取引者、需要者は「海峡」の文字部分に自他商品の識別標識としての機能を見出し、取引に資する場合も決して少なくないものと認める。
そうとすると、引用商標からは、「海峡」の文字に相応して「カイキョウ」の称呼及び「海峡」の観念をも生ずるとするのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とは「カイキョウ」の称呼及び「海峡」の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、結局、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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