Trademark Appeal Case
外来語結合商標の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−1385(T2001−1385/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「メタルインサートコネクタキャップ」の文字を標準文字を用いて横書きしてなり、商品及び役務の区分第9類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成11年11月11日に登録出願されたものである。
2 原審の拒絶の理由の要旨
原審は、「本願商標は、「メタルインサートコネクタキャップ」の文字を書してなるものであり、その構成中の「メタル」は「金属」といった意味に通ずる英語の「metal」を表音で、「インサート」は「差込、挿入」といった意味に通ずる英語の「insert」を表音で、「コネクタ」は「接続器、連結装置」といった意味に通ずる英語の「connector」を表音であり、「キャップ」は「ふた」といった意味に通ずる英語の「cap」を表音で表わしたものであり、全体としての意味は「金属製の差込用接続端子部のふた」といった意味合いを表わすものとみるのが相当であり、これを本願指定商品に使用しても、取引者・需要者は「機器類に取り付けられた金属製の差込用接続端子部のキャップ」といった程度に理解・認識するにとどまり、「金属製の差込用接続端子部のキャップ」を強調したものであり、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎず、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認める。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨を認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおりの文字よりなるものであるが、構成文字全体をもって、特定の意味合いを表す既成の語とは認められないところであり、我が国における英語又は外来語の普及度を考慮すれば、本願商標は、原審説示の如く「メタル」「インサート」「コネクタ」「キャップ」という、それぞれ我が国で親しまれている外来語の単語を結合させてなるものであると理解されるというのが相当である。
そして、その構成中の「メタル」と「インサート」の2語を結合させた「メタルインサート」の文字が、「樹脂部品の補強や金属部品の保護のために、樹脂部品に金属部品を差し込んで形成する」といった、これら各語の語意を結合させた「金属を挿入する」の意に照応する樹脂部品の成形方法を表す語として使用されていることが、例えば、インターネット上の(1)旭化成株式会社の提供するホームページにおける樹脂成型品の技術説明記事中の「6.2 メタルインサート成形」の項「メタルを樹脂にインサートして締結力を持たせる方法であり・・・」の記述(http://www.akchem.com/emt/contentsfiles/DesignS/XY1-12moling.pdf)、(2)パイオニア株式会社の提供に係るホームページにおける自動車用オーディオ商品紹介記事中の「30cmサブウーファー TS−W3000C/25cmサブウーファー TS−W2500C」の項「・・・●PPコーンにアルミプレートをインサートすることにより、高剛性化を実現したメタルインサートPPコーンを採用。・・・」の記述(http://www.pioneer.co.jp/carrozzeria/av_new/av_audio/sub_cab.html)の記述の他、(3)「デジタルコードスイッチを開発 オータックス」の記事中の「・・・ダイカスト採用に加え、接点部の金メッキ化やメタルインサート方式による密閉構造の採用など・・・」の記述(1992年6月17日付日刊工業新聞第21頁)等より窺い知ることができるものである。
他方、「コネクタ」と「キャップ」の2語を結合させた「コネクタキャップ」の文字は、「コネクター(接続器)」を、埃や水などから保護するための蓋を指称する語として使用されているものである。
してみれば、本願商標「メタルインサートコネクタキャップ」からは、全体として「メタルインサート方式で成形されたコネクターの蓋」の意味合いを容易に看取されるとみるのが相当であるから、本願商標を、その指定商品中の、該意味合いに照応する機構を有する商品について使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その商品の品質(機能)を記述的に表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、それ以外の商品について使用するときは、恰もそのような設計がなされた商品であるかのごとく商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人は、登録例(甲第1号証ないし甲第15号証)を挙げて本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標が、商品の品質を表すものであることは前記認定のとおりであり、また、過去の登録事例は、その商標の具体的構成及びその指定商品において本願商標とは事案を異にするもので、それら事例をもって現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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