結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30836(T2002−30836/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第540481号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第43類「菓子及び麺ぽうの類」を指定商品として、昭和33年10月14日登録出願、同34年8月13日に設定登録され、その後、昭和55年1月31日、平成1年7月21日及び同11年9月14日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。また、本件商標の指定商品中の「もち及び穀物の加工品に類似する商品」についての登録は、平成14年6月25日の審決により取り消され、その確定の登録が同14年9月4日になされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を「本件商標は、過去3年間日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれにより使用された事実がないので、商標法第50条の規定により取り消されるべきものである。」旨述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
(1)被請求人(商標権者)の創業者が昭和30年代に、社名の森八本舗の「森八」の「八」を山に、「森」を3本の木で表現したマークを創作し(乙第1号証)、このマークの態様をそのまま形にした菓子「最中」を作り、販売した。そして、菓子「最中」のネーミングを、マークのデザインが「山」に「森」であるところから、「やまもり」、また、「餡」」が「やまもり」入っているという特徴、かつ、社名の中の「森八」の「八」の字をかけて「八(や)まもり最中」と名付けた。被請求人では、このマークを「八まもりマーク」と呼称した(乙第2号証)。
(2)本件商標は、上記のように、被請求人の社名に基づいて創作された特有の商標であり、「八(や)まもり最中」として長い間、需要者に広く認識され、親しまれてきた商標であるが、確かに、請求人主張のとおり、過去3年間日本国内において商標権者が使用した事実はない。
しかし、平成15年の創業70周年の記念品として、本件商標を使用した菓子「最中」(八(や)まもり最中)を製造販売する計画を立て、その後使用する予定である。
このように、本件商標は、被請求人の企業イメージを表現する極めて重要な要素であり、被請求人にとって、もしが使用できなくなるならば、菓子「最中」について今日まで蓄積された信用及び被請求人の企業イメージの損失は計り知れないものがある。近年に至り、被請求人は、「森八の銘菓」として「三色最中」等他の新商品に力を注ぎすぎたために、「森八銘菓」として一番歴史と伝統のある「八(や)まもり最中」をおろそかにしてしまった経緯がある。
(3)商標法第50条の商標登録の取消しの審判は、確かに「何人」も請求できると規定しているが、請求人は、何ら、菓子製造・販売の業務をしているとは考えられない一個人である。かかる一個人が、長い歴史と伝統による信用を蓄積した本件商標を取消すことに何の意味合いが存在するのか極めて不可思議である。
本件商標を今日まで全く使用した過去の形跡もなく、また、将来において、使用する意図が全くないのであればともかく、被請求人は、過去3年間は別にしても、過去において使用した実績もあり、来年度の創業70周年を機に再び使用する明確な意図がある。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項に規定により、被請求人において、その取消請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取り消しを免れないところである。
しかるところ、被請求人は、前記3の如く述べるのみであって、本件商標をその指定商品のいずれかについて使用していたことを証明していないし、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。
上記に関し、被請求人は、本件商標を平成15年に使用する予定である旨主張するが、そもそも商標は、商品又は役務について継続的に使用されることにより、商標に商標使用者の業務上の信用が化体され、顧客吸引力が高まり、財産的価値が発揮されるものであるから、商標法により商標権者に登録商標を独占的に使用させることを保護しているものであり、本件のように、登録商標をその指定商品について使用する計画のみをもって、当該登録商標の使用を認めることとすれば、上記商標法の目的に反するばかりでなく、当該商標の使用を欲する者の商標採択の範囲を狭め、国民一般の利益を損なう結果ともなり、請求により、このような商標登録を取り消そうとする不使用取消の審判制度の趣旨にも反するものであるから、たとえ、登録商標の使用を計画していたとしても、本件審判の請求の登録前3年以内に現実の使用がない限り、その商標登録を取り消されてもやむを得ないといわざるを得ない。
(2)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。