Trademark Appeal Case
引用商標の消滅と登録可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90010(T2003−90010/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4612156号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年5月8日に登録出願され、「PruLife」の欧文字を標準文字とし、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年10月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、平成5年11月9日に登録出願され、「PRU」の欧文字を横書きしてなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年4月25日に設定登録された登録第3297020号商標(以下「引用商標1」という。)及び平成5年11月9日に登録出願され、「プルー」の片仮名文字を横書きしてなり、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年11月21日に設定登録された登録第4084962号商標(以下「引用商標2」という。)と外観及び称呼において類似する商標であり、本件商標の指定役務と引用商標1及び2の指定役務は同一又は類似のものである。
また、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及び申立人のグループ会社は、英国、香港、フィリピン共和国、インドネシア共和国の各国において、「PRUDENTIAL」、「PRU」及び「PruLife」を含む「PRU」派生商標(以下、一括して「申立人商標」という。)を本件商標の出願以前に既に出願・登録し、保険業を含む様々な金融サービスに使用してきたものであり、申立人商標は、本件商標の出願当時、既に、申立人又は申立人グループ会社の役務を表すものとして、外国において周知商標となっていたといえるから、これらの申立人商標を一定の公正な取引秩序及び国際信義の範囲内で保護しなければならないことは当然であるにもかかわらず、本件商標は、不正の目的をもって登録されたものであり、公正な取引秩序を乱すおそれがあるばかりでなく、国際信義に反し、公の秩序を害するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)そこで、先ず、本件審理に関し、職権により引用に係る登録第3297020号商標(引用商標1)及び登録第4084962号商標(引用商標2)の商標登録原簿を調査したところ、引用商標1の商標権は、平成12年7月27日に商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消審判(取消2000−30868)が請求(予告登録日 平成12年8月16日)され、平成13年11月6日に商標登録を取り消すとの審決がなされ、その審決は平成15年3月13日に確定し、当該商標権の抹消登録が平成15年3月19日にされているものである。また、引用商標2の商標権は、平成12年11月22日に商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消審判(取消2000−31403)が請求(予告登録日 平成12年12月13日)され、平成13年9月13日に商標登録を取り消すとの審決がなされ、その審決は平成15年3月13日に確定し、当該商標権の抹消登録が平成15年3月19日にされていることが判明した。
しかるところ、商標法第50条第1項の規定に基づく商標登録の取消審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、当該商標権は、同項の審判の請求の登録日(予告登録日)に消滅したものとみなす(商標法第54条第2項)との規定から、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、商標の類否について判断するまでもなく、本件商標の設定登録日(平成14年10月11日)には、引用商標1及び引用商標2の商標権は、上記のとおり、いずれも存在しなかったものであるから、本件商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとの本件登録異議の申立ての理由は成り立たないものである。
(2)申立人の提出に係る証拠は、申立人及び申立人グループ会社の業務を紹介した本件商標の出願時前後のインターネットのウェブ・ページ(写し)又は外国の特許庁(主に、英国)のウェブ・サイトから取得した申立人商標に関する商標出願・登録情報(写し)が殆どで、他に、雑誌等に、申立人の業務又は申立人商標を紹介している広告がいくつかあるが、一二を除き、どれも発行年月日及び広告掲載の回数等が不明なものばかりであり、申立人商標が、申立人又は申立人グループ会社の役務を表すものとして周知商標であるとするには不十分な証拠であって、これらの証拠をもってしては、申立人商標が申立人又は申立人グループ会社の業務に係る役務を表示する商標として、我が国及び外国における需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
してみれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、その役務が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められないし、また、本件商標は、不正の利益を得る目的をもって登録されたものとは認められない。
(3)本件商標は、前記のとおりであって、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な文字又は図形からなるものでなく、また、本件商標を指定役務について使用することが、社会公共の利益・一般道徳観念に反するものとは認められず、かつ、国際信義に反し、公の秩序を害するものとも認められない。
この点に関し、申立人は、甲第32号証を提出して種々述べているが、この証拠から、申立人と商標権者が交渉をもち、Eメールを取り交わしたことは認められるが、あくまでも、これらの行為は、私人間の営業活動の一環として行われたものとみるのが相当であり、本件において、商標権者が本件商標を登録出願し、その商標登録を得た経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあったとはいえないから、申立人の主張は採用することができない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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