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Trademark Appeal Case

称呼類似と構成要素

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2003−90041(T2003−90041/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4615207号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4615207号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年3月3日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成14年10月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第3条第1項柱書きについて

本件商標の商標権者は、「木造注文住宅・分譲住宅の販売と施工、テクノストラクチャー工法の販売と施工、一般建築」を業とするものである。しかるに、本件指定役務には上記業務に対応しない若しくは上記業務を行う者が通常取り扱うことのない役務を含んでいる。また、その従業員は、わずか20人の企業であるから、通常の建築業者の枠を越えて、広範囲の業務を行っている、あるいは行う予定があるとみるべき理由はない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、以下の登録商標と「セイユー」の称呼と同一の称呼を生ずるから、類似の商標である。

(a)「SEIYU」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年7月25日に設定登録された登録第4032339号商標

(b)「西友」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年7月25日に設定登録された登録第4032341号商標

(c)横長の長方形輪郭内に「SEIYU」の文字を横書きしてなり、平成4年9月30日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年6月6日に設定登録された登録第3318442号商標

(d)黒塗り正四角形内の下部約3分の1を白抜きにし、該白抜き部分に「西友」の文字を横書きし、上部には白抜きにした「SEIYU」の文字を横書きにした構成よりなり、平成4年9月30日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成9年7月4日に設定登録された登録第4020759号商標

(3)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名商標「西友」、「SEIYU」の称呼「セイユー」と同一の称呼を生ずる文字部分を顕著に含むものであり、申立人の業務に係る役務と混同のおそれがある。

(4)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、住宅関連業務を指称し、認識させる「ハウジング」の文字を含むものであるから、住宅関連業務以外の役務に使用した場合は役務の質の誤認が生じる。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項柱書きについて

甲第1号証によれば、本件商標の商標権者である株式会社セイユーハウジングは、「木造注文住宅・分譲住宅の販売と施工、テクノストラクチャ−工法の販売と施工、一般建築」等を業務とするものであり、従業員数20人程の企業であることが認められるとしても、商標法第3条柱書きにいう「自己の業務に係る役務について使用する」とは、現に行っている業務に係る役務について、現に使用している場合に限らず、将来行う意思がある業務に係る役務について将来使用する意思を有する場合も含むと解するのが相当である。そして、本件商標権者が将来上記に記載した業務以外の業務(役務)を行う意思が全くないとみることはできず、また、これを認めるに足りる証拠の提出はない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、その上段に、淡い色彩の施された円状図形を背景にして、擬人化した2つの図形を「SA」と「OU」の各文字部分の間に配してなり、下段に「セイユーハウジング」の文字を横書きしてなるものであるところ、上段部分の構成は、「SA」、淡い色彩の施された円状図形を背景にした擬人化した2つの図形及び「OU」との組み合わせといった極めて特異な構成よりなるものであり、顕著に表されていることも相俟って、本件商標中、看者の注意を最も強く引く部分であるといえる。

そして、該上段部分は、左右の「SA」、「OU」が欧文字であることは理解されるものの、構成全体としては、特定の称呼、観念は生じないとみるのが相当である。

また、下段に書された「セイユーハウジング」の文字部分は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書れているばかりでなく、これより生ずると認められる「セイユーハウジング」の称呼も極めて冗長という程のものではない。加えて、該文字中の「ハウジング」は、「住居。また、土地・住宅・家具・インテリアなどを扱う住宅産業の総称」(広辞苑第5版)を意味する語であり、必ずしも特定の役務を認識させるものでないから、これを「セイユー」と「ハウジング」とに分離して「セイユー」の文字部分のみを抽出して称呼、観念しなければならない格別の理由は存しない。

してみると、本件商標は、「セイユーハウジング」の文字部分より、「セイユーハウジング」の称呼のみを生ずるものであって、商標権者の商号の略称を表したと理解される場合も決して少なくないとみるのが相当である。

これに対して、引用各商標は、それぞれ前記した構成よりなるものであるから、これより「セイユー」の称呼を生ずるものであり、いずれも申立人の商号の略称ないし申立人の業務に係る商品を表示するものとして認識されているといえる。

そうすると、本件商標より生ずる「セイユーハウジング」の称呼と引用各商標より生ずる「セイユー」の称呼とは、後半部分において「ハウジング」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼しても、明瞭に聴別し得るものである。

また、本件商標及び引用各商標は、前記したそれぞれの構成よりみて、外観上大きく異なるものであるから、時と所を異にしてぞれぞれに接した場合においても、外観上相紛れるおそれはないものである。

さらに、両商標の観念は、それぞれ前記したとおりであるから、明らかに相違するものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても非類似の商標といわざるを得ない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

甲第7号証ないし甲第11号証によれば、申立人は、スーパーマーケット店舗のチェ−ン展開、輸入商品の卸売り、弁当等の製造・販売、旅行業、書籍の出版、商業施設の不動産賃貸等を業務とする関連会社を有し、グループ会社を形成していること、申立人の営業の係るスーパーマーケットにおいてその取扱いに商品について、「SEIYU」、「西友」の文字よりなる商標を使用し、需要者の間に広く認識されていること等は認められるところ、申立人の関連会社のうち、スーパーマーケット店舗のチェ−ン展開以外の関連会社の多くは、その取扱いに係る業務について、「SEIYU」、「西友」の文字よりなる商標を使用していると認めるに足りる証拠の提出はない。また、みずほアセット住宅販売株式会社は、自己の業務である不動産仲介業を西友の店舗内で営業している場合があることは認められるが、該みずほアセット住宅販売株式会社が申立人の関連会社であり、「SEIYU」、「西友」の文字よりなる商標を使用しているとの事実は見出せないのみならず、銀行のATMが西友の店舗内に設置されていることが窺えるとしても、これらATMに「SEIYU」、「西友」の文字が使用されていないことは明らかである。

してみれば、みずほアセット住宅販売株式会社が単に西友の店舗内で営業をしている、あるいは種々の銀行のATMが単に西友の店舗内に設置されていることをもって、需要者が上記会社及び銀行を申立人の関連会社であると誤認する蓋然性は低いというのが相当である。

そうすると、「SEIYU」、「西友」の表示は、申立人の商号の略称として、あるいはその営業の係るスーパーマーケットの名称及びその取扱いに係る商品に使用されるものとして、本件商標の登録出願前より、その需要者に広く認識されていたとしても、本件商標の指定役務の分野において、本件商標の登録出願前より、需要者の間で広く認識されていたものとまで認めることはできない。

また、本件商標は、前記したとおり、その構成中の上段部分が看者に強い印象を与えるものであり、かつ、単に「セイユー」の称呼は生じないものであるから、これに接する需要者が申立人の「SEIYU」、「西友」を想起するものとは認め難いところである。

したがって、本件商標は、これをその指定役務について使用しても、申立人の取扱いに係る商品との間に出所について混同を生じさせるおそれはないというのが相当である。

(4)商標法第4条第1項第16号について

本件商標中の「セイユーハウジング」の文字部分のうち、「ハウジング」の文字(語)は、前記(2)のとおり、住宅産業を総称していう語であり、必ずしも特定の役務を認識させるものではなく、「セイユーハウジング」の文字部分全体として、商標権者の商号の略称として理解される場合も決して少なくないことからすれば、本件商標は、これを住宅関連業務以外の役務に使用しても、その役務の質について誤認を生じさせるおそれはないというべきである。

(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書き、同法第4条第1第11号、同第15号及び同第16号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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