Trademark Appeal Case
結合商標の称呼一体性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90873(T2002−90873/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4604611号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年8月21日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年9月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1535993号商標は、「HEAD」の欧文字を横書きしてなり、昭和44年5月16日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年8月27日に設定登録され、その後、指定商品の書換登録により、第18類を商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの指定商品となっているものである。
同じく、登録第4484695号商標は、「HEAD」の欧文字を標準文字により書してなり、1999年10月27日オーストリア共和国においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、平成12年1月7日に登録出願、第14類、第18類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年6月22日に設定登録されたものである。
以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「Tool」の語が「道具」を意味し、指定商品の内容を表すにすぎないものであるから、「HEAD」の文字部分から単に「ヘッド」の称呼をも生ずるものである。一方、引用商標からも「ヘッド」の称呼を生ずるから、両商標は、称呼において類似するものであり、指定商品においても抵触するものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人のハウスマークとして、また、申立人の業務に係る商品「スキー用具、テニス用具、ゴルフ用具」等を表示するものとして取引者、需要者の間において広く認識されている商標であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)商標法第4条第1項第7号及び第19号について
本件商標は、著名な「HEAD」商標に依拠し、これに只乗りすることを意図して登録出願をしたものと推察し得るものであり、不正の目的の存在が推察できるものである。
(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、第11号、第15号及び第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、前半の「TOOL」の文字と後半の「HEAD」の文字とは、いずれも、ゆるやかな右傾斜の篭文字をもって、半文字程度の間隔で、外観上まとまりよく一体的に構成されているものであり、その構成中の「TOOL」の文字部分が「道具」を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質、用途等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであり、むしろ、全体として、機械器具の名称として知られているツールヘッド(保持した工具を希望する位置に移動させるための機械部分)の意味合いを把握することのできるものである。そして、これより生ずる「ツールヘッド」の称呼も格別冗長というべき程のものでもなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
以上を考慮すれば、ことさら、「HEAD」の文字部分のみが独立して認識されることはないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって不可分一体の構成からなる商標を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であるから、該構成文字に相応して「ツールヘッド」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
してみれば、本件商標から、単に「ヘッド」の称呼をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき理由はみいだせない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「スキー用具、テニス用具、ゴルフ用具」等を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものであるとしても、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるから、商標権者が本件商標を指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び第19号について
本件商標と引用商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用商標の著名性に依拠し、これに只乗りすることを意図して出願されたものとはいえない。また、不正の目的をもって使用をするものとも認められず、その主張を裏付ける証左もない。
(4)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、第11号、第15号及び第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。