Trademark Appeal Case
著名商標の称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90659(T2002−90659/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4577790号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成12年7月18日に登録出願、「Mega−Channel」の文字を標準文字により表してなり、第3類、第9類、第16類、第29類、第30類、第32類、第33類、第35類、第36類、第38類、第39類、第40類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品又は指定役務として、同14年6月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、「CHANEL」の文字を横書きしてなり、昭和45年9月18日に登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として同51年9月13日に設定登録された登録第1218150号商標(以下、「引用商標1」という。)ほか11件の登録商標(以下、引用商標1とこれらをまとめていうときは「引用各商標」という。)を引用し、要旨次のように主張するとともに、証拠方法として甲第1ないし第113号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用商標1と類似する商標であり、かつ、引用商標1の指定商品と同一又は類似の指定商品に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、本件商標の出願日前の商標登録出願に係る申立人の登録商標である引用商標1に類似する商標であり、また、引用商標1の指定商品と同一又は類似の指定商品に使用されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、その構成中の「Channel」の文字が申立人の使用に係る商標として著名性を獲得している引用各商標と相紛れるおそれのある商標である。また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品とは、非常に高い関連性を有しており、その取引者・需要者を同じくするものである。
したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合には、この指定商品に接する取引者・需要者は、恰も申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く認識し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の使用に係る商標として著名性を獲得している引用各商標と類似するものである。そして、本件商標は、この著名な引用各商標に化体した高い信用・評判・名声にフリーライドするというべきものであり、本件商標を特定個人の商標として登録し使用することは、申立人の不断の努力によって培われた著名商標に化体する高い信用・評判・名声を稀釈化させるというべきである。
したがって、本件商標は、公正な取引の秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものであって、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきであり、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の業務に係る商標として著名性を獲得している引用各商標と類似するものであり、また、この著名な引用各商標は申立人の創業者の名前に由来する造語商標である。
したがって、本件商標は、他人の著名な商標を不正の目的をもって使用するものと推認して取り扱われるべきものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(6)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項によってその登録が取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
本件商標は上記のとおりの構成からなるところ、前半の「Mega」の文字は、例えば、(株)研究社発行「研究社新英和大辞典」によれば、「大きい、大型の」の意の連結形であって、「mega−association」(巨大協会)、「megabit」(メガビット)、「megabyte」(メガバイト)、「megacity」(巨大都市)、「megastore」(巨大店舗)等の派生語を作る英語として知られているものである。また、後半の「Channel」の文字は、例えば、日外アソシエーツ(株)発行「ビジネス技術実用英和大辞典」によれば、「水路、海峡、放送のチャンネル」等の意味を有する英語であって、「multichannel」(多重チャンネルの)、「two−channel audio」(2チャンネル音声)のように、その語の前に他の語を結合して複合語を作ることで知られているものである。
そうすると、本件商標は、全体として「巨大チャンネル」程の意味合いを看取せしめる一連一体の語を表したものとして認識されるというべきであり、これから生ずると認められる「メガチャンネル」の称呼も格別冗長とはいえず語呂良く一気一連に称呼し得るものである。
他方、申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標は、申立人の業務に係る商品「婦人服、香水、化粧品、ハンドバッグ、ベルト、靴、アクセサリー、宝飾品」等に永年使用され、「シャネル」の称呼をもって、世界的に周知著名になっていることが認められる。
しかして、本件商標と引用各商標とを対比すると、上記のとおり、一連一体のものとして認識され、「メガチャンネル」の一連の称呼のみを生ずる本件商標と「シャネル」の称呼を生ずる引用商標とは、称呼及び観念において明らかに区別し得るものであり、それぞれの構成に照らし、外観においても明らかな差異を有するものであるから、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
してみれば、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものであるとする申立人の主張は、理由がないものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標が申立人の商標として周知著名であることが認められるとしても、本件商標と引用各商標とは非類似の別異の商標であること上記(1)のとおりであるから、本件商標をその指定商品又は指定役務に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用各商標を連想、想起するようなことはなく、該商品又は役務が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのようにその出所について混同するおそれはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものであるとする申立人の主張は、理由がないものである。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
引用各商標が申立人の商標として周知著名であることが認められるとしても、本件商標と引用各商標とは非類似の別異の商標であること上記(1)のとおりであり、取引者、需要者が本件商標から引用各商標を連想、想起するようなこともないから、本件商標が直ちに著名な引用各商標に化体した高い信用・評判・名声にフリーライドするものであるということはできないし、本件商標を使用することが引用各商標に化体する高い信用・評判・名声を稀釈化させることにもならないというべきである。そして、本件商標は、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるようなものではないし、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反したり、社会の一般的道徳観念に反するものでもなく、国際信義に反するものでもない。
してみれば、本件商標は、公正な取引の秩序を乱すものではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできない。
また、引用各商標が造語よりなる商標であって周知著名な商標であるとしても、本件商標と引用各商標が類似しないものであることは上記(1)のとおりであり、本件商標は、他人の著名な商標を不正の目的をもって使用するものということはできないし、申立人も該不正の目的について具体的に立証するところがない。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものであるとする申立人の主張は、理由がないものである。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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