結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
取消2001−31195号審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
取消2001−31196号審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
取消2001−31197号審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−31195(T2001−31195/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2259957号商標は、「APS」の欧文字を横書きしてなり、昭和60年4月15日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録、その後、同12年8月22日に商標権存続期間の更新登録がなされているものであり、本件登録第4085000号商標は、「CANON」と「APS」の各欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成7年9月14日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、同9年11月21日に設定登録されたものであり、本件登録第4085043号商標は、「APS」の欧文字を横書きしてなり、平成8年1月29日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,ロケット,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防車,消防艇,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,計算尺,メトロノーム」を指定商品として、同9年11月21日に設定登録されたものであり、また、本件登録第4117512号商標(以下、これらを一括して「本件商標」という。)は、「エーピーエス」の片仮名文字と「APS」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、平成8年7月10日に登録出願、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,ロケット,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、同10年2月20日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「電気通信機械器具,電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く)」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第7号証を提出した。
請求人の調査によれば、本件商標は、請求に係る指定商品につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存することも認められない。加えて、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の指定商品中、上記商品につき取消審判を請求する。
(1)被請求人は本件商標を「電気通信機械器具」に属する「フォトビデオプレイヤー」に使用していると答弁し、乙第1〜7号証を提出しているが、その使用は商品識別標識としての登録商標の使用とはいえず失当であると考え、以下の通り弁駁する。
(2)まず、「新写真システム」を意味する「Advanced Photo System」が「APS」と略称されて広く使用されていることは、被請求人のみならず当庁においても周知の事実である(甲第3〜4号証)。
そこで被請求人の提出した各号証を検討するに、これらはすべてAPS対応商品、すなわちAPSを構成する商品(カメラ、フォトビデオプレイヤー、フィルムスキャナ、フィルムビューア等)に関するものであって、この中で「APS」の文字表記は、「Advanced Photo System」を示す表示として使用されているに過ぎない。例えば、乙第2号証における「APS Guide」なる表示や、「キャノンのAPS〜」なる表記も、当該カタログ全体を見れば、「Advanced Photo System」を示す表示として使用されているものである。この点は、乙第3号証及び同第4号証のカタログにおいても同様である。
また,「APS」は、一つのシステムの名称であり、システム自体は商品の集合体であって、単独の商品の商標としては認められない。例えば、被請求人はその中の「カメラ」については「Canon」、「IXY」の商標を使用しており、「APS」は当該商品に付されていないし、「フォトビデオ・プレイヤー」についても同様で、「Canon」、「PHOTO−VIDEO PLAYER IP−100」の使用のみである。
ここで当該「フォトビデオプレイヤー」に関して、「APS」の文字表記が直接使用されているのは、「APSフォトビデオプレイヤーIP−100」(乙第2号証)である。そして、同カタログ中の同商品の説明では「APSで撮った写真をテレビの大画面で鑑賞できます。」という記載があるように、「APSフォトビデオプレイヤーIP−100」において「APS」は新写真システムである「Advanced Photo System」を示していることは明らかであって、この「APS」は新写真システム名称の略記としてしか認識され得ず、出所識別標識たる商標としては機能していないものである。
すなわち、乙第2号証にみられる「撮った写真をテレビの大画面で鑑賞できるAPSフォトビデオ・プレイヤー IP−100」における「APS」は「APS」がどのようなものかを前提とした説明語句としての使用であり、商標としての使用ではないと言うべきである。
商標登録取消審判についての商標法第50条第1項に規定する「登録商標の使用」とは、「商標」が自他商品識別機能を本質とすることからすれば、商品識別標識としての使用でなければならないことは明らかである。
例えば、商標登録取消審判の審決取消訴訟である東京高裁・平成2年3月27日判決(「高嶋象山事件」甲第6号証)では、「商標の使用といい得るためには、当該商標の具体的な使用方法や表示の態様からみて、それが出所を表示し自他商品を識別するために使用されていることが客観的に認められることが必要である。」と判示し、商標使用に関する判断基準を明らかにしている(同趣旨判決・東京高裁平成13年10月23日判決、甲第7号証)。また、特許庁の審判においても、登録商標の使用かどうかが争われた事件において、『「SPINE FIN」という商標について、「熱交換器」の説明語句として使用されていることは認められるとしても、これが商標の使用とは言えない』と判断している(甲第5号証)。
(3)次に、被請求人が提出した乙第6号証について述べるに、被請求人は業界の強い要請に基づき新写真システムに対応した商品に「APS」を付すことに対し、その所有する登録第2259957号商標「APS」に係る権利の主張を行わない旨写真流通商社連合会に申し入れているが、同号証は被請求人の商標権がAPS対応商品を含み、説明語句としてのAPSに形式上独占排他権が生じることにより、取引界に無用の混乱を起す事態を避けるための書簡にすぎず、同連合会に使用権を許諾したものでも、又商標として使用されていることを立証するものでもない。逆にこの書簡は「APS」が当該対応商品について普通名称化している事実を追認するものであり、その上で本件商標をAPS対応の「フォトビデオプレイヤー」に使用しているとする被請求人の主張は客観的にみてこれを容認し得ない。
何故なら「APS」は説明語句として当該業界の各メーカー(ニコン、ミノルタ、コニカ、コダック、京セラ、フジ等)で使用されることにより、出所表示・自他識別機能を失っており、最早製品購入の決め手(手がかり)にはならないからである。
(4)以上により本件商標は請求に係る商品について使用されているとはいえず、因って請求の趣旨通りの審決を求める。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、証拠方法として、乙第1号証ないし同第7号証を提出し、その理由を要旨次のように述べた。
(1)請求人は、被請求人及び使用権者のいずれにおいても、本件商標を日本国内において継続して3年以上使用していないと主張している。
しかしながら、被請求人は、本件商標を本件審判の請求の登録日である平成13年11月21日(乙第1号証)前3年以内に日本国において、その指定商品である「電気通信機械器具」に属する商品である「フォトビデオプレイヤー」について使用しているものであるから、「電気通信機械器具」については本件審判の請求は成り立たないものである。
(2)被請求人は、平成8年10月頃より新写真システム(ADVANNCED PHOTO SYSTEM)及びフォトビデオプレイヤー等の商標として、本件商標を使用しているものである(乙第2〜7号証)。
新写真システムとは、同システムの対応のカメラで撮ったカートリッジフィルム(現像済み)を、フォトビデオプレイヤーにかけてテレビで見たり、フィルムスキャナーを利用してパソコンで画像処理し、あるいはワークステーションでデジタル画像処理して、プリンタで印刷したり、フロッピー、フォトCD等に取り込んだりすることのできる一連のシステムのことで、従来の撮影、現像焼付けの写真システムとは異なり、写真機器と電気通信機械器具、電子応用機械器具を一体にした新しい写真映像処理システムをいうものである(乙第7号証)。
以下、本件商標の使用事実を乙各号証により立証することにする。
乙第2号証は、本件商標をフォトビデオプレイヤーに使用している事実を証明する「APSガイドのカタログ」(メーカー型式P313−APSG3/CT2−5806−000)である。なお、同カタログは、平成11年7月から全国の各小売店で頒布したものである。
乙第3号証は、本件商標をフォトビデオプレイヤーに使用している事実を証明する「APS ぷちサロンのカタログ」(メーカー型式 CT2−5805−000)である。なお、同カタログは、平成11年3月から全国の各小売店で頒布したものである。
乙第4号証は、本件商標を新写真システムに使用している事実を証明する「APSからはじまる はじまる。のカタログ」(メーカー型式CTO−5805−000)である。
なお、同カタログは、平成10年1月から全国の各小売店で頒布したもので現在も継続して頒布しているものである。
(3)なお、カメラ業界等においては、ビデオプリンタの他にも新写真システムに対応した各種製品を、APSスキャナー、APSプリンタ、APSアダプターと称している(乙第5号証)が、各業界がこれを称するにあたっては、被請求人は、これら各業界の強い要請に基づき、被請求人の保有する登録商標「APS」(登録第2259957号)に基づき、これら各業界の皆様に対して新写真システムに対応した電気通信機械器具を含む各種製品に「APS」を使用することにつき権利主張を行わない旨の文書を差し入れたためである(乙第6号証)。
なお、被請求人がかかる権利主張を行わない旨の乙第6号証の文書の内容と同一の内容の文書を差し入れた業界は下記の通りである。
記
全日本写真材料商組合連合会
全日本カラーラボ協会連合会
写真流通商社連合会
写真感光材料工業会
日本写真映像用品工業会
日本写真機工業会
このように、現在では「APS」の語は、被請求人自らが使用していることに止まることなく、被請求人の承諾に基づきこれら各業界全体で使用しているものである。
(4)以上の証拠により、本件商標は、本請求の指定商品に属する商品である「電気通信機械器具」については本件審判の請求の登録日前3年以内に、被請求人により日本国において使用されていたことは明らかであるから、答弁の趣旨記載の審決を求める。
(1)併合に係る本件商標中の本件登録第2259957号商標の取消2001−31192号審判において提出した被請求人提出に係る各書証を徴するに、乙第1号証は、本件商標の登録原簿写しであり、乙第2号証ないし同第4号証は、被請求人のカタログであり、乙第5号証は、YAHOO JAPANに登録するインターネットのホームページを検索した結果の掲載記事等であり、乙第6号証は、被請求人から、請求外「写真流通商社連合会」に宛てた書簡写しであり、また、乙第7号証は、被請求人の商品に係る新写真システムの説明図である。
そして、乙第2号証ないし同第4号証のカタログには、被請求人の代表的出所標識である「Canon」の標章と共に「APS」の欧文字よりなる標章が付され、その取扱商品である「(APS)フォトビデオプレーヤー」が紹介されているが、当該「フォトビデオプレーヤー」は、「現像済みのカートリッジをセットすれば、ダイナミックな映像として楽しめます。」「APSで撮った写真をテレビの大画面で鑑賞できます。」等の記載に照らして、請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具」に属する(狭義には「映像周波機械器具」の範ちゅうに属する。)ものというべきである。
また、乙第2号証ないし同第4号証のカタログは、乙第2号証及び同第3号証が平成11年(1999)に、また、乙第4号証が平成10年(1998)に発行、頒布されたものであることがそれぞれ認められる。
しかして、このようなカタログが作成された場合、頒布されるものであることは、商取引の実際に照らして、是認できるところである。
そして、これらの証拠は、審理の併合をした商標登録取消審判事件におけるその余の本件商標の証拠として、援用し得るものである。
してみれば、本件登録第2259957号商標については、上記証拠によって、また、審理の併合をした商標登録取消審判事件におけるその余の本件商標については、上記証拠を援用して、本件商標は、商標権者である被請求人によって、本件審判の請求の登録前3年以内に、請求に係る指定商品中の「電気通信機械器具」について使用されたものであることが、十分に推認できるところである。
なお、請求人は、「『新写真システム』を意味する『Advanced Photo System』が『APS』と略称されて広く使用されていることは、周知の事実である」として「出所識別標識たる商標としては機能していない」と述べているが、本件商標は、登録商標であり、その商標を付したカタログ(広告)を頒布することは、商標の使用(商標法第2条第3項第8号)にあたり、その使用態様も商標としての使用でないといい得ないものであるから、当該使用は、本件商標の使用であるというべきであり、また、本件商標「APS」は、「当該業界の各メーカー(ニコン、ミノルタ、コニカ、コダック、京セラ、フジ等)で使用されることにより、出所表示・自他識別機能を失っている」として、述べるところがあるが、乙第6号証に裏付けられる商標権を開放して使用することは、商取引の慣行として間々あることであって、格別不自然なものといえないから、これが商標法第50条第1項の規定による商標登録の取消しの審判における当該登録商標の使用の認定に障害となるものではない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中の請求に係る指定商品「電気通信機械器具,電子管,半導体素子,電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く)」について、その登録を取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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